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トテトテと拙い足取りでやっとこさ森に着いた私は、広い平面の中にポツリとあるぼろぼろのソファーにどさりと座った。
火山灰が少し積もっていたようで、座る時に一緒に灰が舞い上がったが、気にしない。
実はここ、うちから二軒隣のオレンジいろの家に住む、遠縁の親戚の子たちの秘密基地である。
その子たちは、隣に住むお祖父ちゃんの妹の孫なのでかなり遠い親戚なのだが、仲が良いので実質いとこのような扱いになっている。
三兄妹で、一番上が十四歳の男の子で守村 大祐君、二番目は十二歳の女の子で守村日菜子ちゃん、三番目は八歳の男の子で守村琉君。
この秘密基地は私を含む、その四人で使っている基地という名のただの遊び場だ。
広い平面の奧は急な斜面になっているので、結構危険なのだが、そこさえ気を付ければ素敵な遊び場である。
なにせ田舎なので子供が少なく、公園には健康グッズのような遊具しかないため子供には辛い環境の中、こんなに素敵な場所はない。
子供にとって自然環境とは魅力的なものが溢れる場所なので、遊び飽きないのだ。
そこら辺に生えている、名前も知れぬ草木や花、そこら辺にいる、奇妙な形や模様の虫たちがおもちゃである。
かくいう私も自然が大好きなので、この場所はお気に入りだ。
今さら、虫や花なんぞに興味は薄いが空気が綺麗で心が洗われる気分になるため、結構な頻度遊びに来ている。
ここで本を開き、しゃれおつといきたいところなのだが、誰に見られるとも知れない場所で大人向け本を読むのは勇気がいるし、子供の本というのは大きいか分厚いので持ち歩きが困難だしと、諦めている。
私は隣で丸くなる福にもたれ掛かり、しばしゆったりと平和な時間を過ごした。
ーーーそんな平和も直ぐに無慈悲な子供たちによって壊されてしまう。
「結菜ー、おきろっ!!!まだ起きたばっかだろ」
「いや、もう十一時だから朝じゃないよ?」
「じゃあ、お昼寝ねっ!こら、大祐!結菜ちゃんのお昼寝の邪魔しないの!結菜ちゃんは三才なんだから、お昼寝は必要なことなのよ?!」
一番初めに入ってきた男の子が大祐君、ぼそりと真面目に呟いたのが琉君、起きろー!!!と叫びながら私を揺さぶる大祐君を叱っているのが日菜子ちゃんだ。
騒がしいことこの上ない中、唯一静かな琉君は私の隣に座り、すやすやと寝息をたて始めた。
おい自由人と思いつつも、まあまあと大祐君と日菜子ちゃんを止めにかかる。
しかし、すでに二人の世界に入ってしまっているようで、何も聞き入れてもらえなかった。
「福~、助けてくれ~……」
「にゃぁぅ?」
福は福で、ちゃっかり琉君のお膝の上に乗り、寛いでいる、こんにゃろー。
結局、琉君が起きて「お腹すいた」と言うまで、私は止められない言い合いに付き合わされることになる。
「……はっ、結局冒険してない」と家に帰ってから気がついたが、肉じゃがの良い香りがしたので、もういいかと洗面台に走っていった。
火山灰が少し積もっていたようで、座る時に一緒に灰が舞い上がったが、気にしない。
実はここ、うちから二軒隣のオレンジいろの家に住む、遠縁の親戚の子たちの秘密基地である。
その子たちは、隣に住むお祖父ちゃんの妹の孫なのでかなり遠い親戚なのだが、仲が良いので実質いとこのような扱いになっている。
三兄妹で、一番上が十四歳の男の子で守村 大祐君、二番目は十二歳の女の子で守村日菜子ちゃん、三番目は八歳の男の子で守村琉君。
この秘密基地は私を含む、その四人で使っている基地という名のただの遊び場だ。
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なにせ田舎なので子供が少なく、公園には健康グッズのような遊具しかないため子供には辛い環境の中、こんなに素敵な場所はない。
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そこら辺に生えている、名前も知れぬ草木や花、そこら辺にいる、奇妙な形や模様の虫たちがおもちゃである。
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今さら、虫や花なんぞに興味は薄いが空気が綺麗で心が洗われる気分になるため、結構な頻度遊びに来ている。
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私は隣で丸くなる福にもたれ掛かり、しばしゆったりと平和な時間を過ごした。
ーーーそんな平和も直ぐに無慈悲な子供たちによって壊されてしまう。
「結菜ー、おきろっ!!!まだ起きたばっかだろ」
「いや、もう十一時だから朝じゃないよ?」
「じゃあ、お昼寝ねっ!こら、大祐!結菜ちゃんのお昼寝の邪魔しないの!結菜ちゃんは三才なんだから、お昼寝は必要なことなのよ?!」
一番初めに入ってきた男の子が大祐君、ぼそりと真面目に呟いたのが琉君、起きろー!!!と叫びながら私を揺さぶる大祐君を叱っているのが日菜子ちゃんだ。
騒がしいことこの上ない中、唯一静かな琉君は私の隣に座り、すやすやと寝息をたて始めた。
おい自由人と思いつつも、まあまあと大祐君と日菜子ちゃんを止めにかかる。
しかし、すでに二人の世界に入ってしまっているようで、何も聞き入れてもらえなかった。
「福~、助けてくれ~……」
「にゃぁぅ?」
福は福で、ちゃっかり琉君のお膝の上に乗り、寛いでいる、こんにゃろー。
結局、琉君が起きて「お腹すいた」と言うまで、私は止められない言い合いに付き合わされることになる。
「……はっ、結局冒険してない」と家に帰ってから気がついたが、肉じゃがの良い香りがしたので、もういいかと洗面台に走っていった。
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