その悪役令嬢、今日から世界を救う勇者になる

ごーぐる

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登録者突破記念 おまけ

50人お気に入り登録ありがとう お兄様との休日の過ごし方4

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朝食を無事(というのはおかしいだろうか)終えた私たちは、帽子をかぶるなどの支度を整え馬車で街へとくり出した。

流石に公爵家のご令嬢ご令息が出掛けるともなれば、それなりの警備が必要みたいで表向きは付き添いとしていつものメンバー三人と、後ろと前にコソコソと隠れながら付いてくる護衛が五から七人ほどいる。

え?なぜ、隠れているのに人数がわかるんだだって?愚問だが『探知』の魔法を使わせてもらっている。
『探知』系統の魔法は魔力の消費が激しくて、今の状況だと一瞬しか使えないが、便利な魔法だ。

わざわざ、見方だとわかっているのに『探知』する意味あるのと思うが、そこは長年の賢者として戦ってきたものの悲しいサガ。
隠れて追ってくるものがいたらついつい『探知』をしてしまう。

前世では、ほぼずっと使い続ける余裕があったが、今じゃああり得ない。
癖だけれど直す気はないしね。
早く大人になりたいものだ。

そうやって馬車にコトコトと揺られていると街に入る手前で降りることになった。
当たり前だが、お忍びなのに公爵家の馬車で街には入らない。

ここからは予定道理歩き。
ちゃんと長い距離を歩き続けるためにヒールのない低い靴を履いている。

令嬢らしからぬ地味な無地の布靴だが、実は剣を振りたくて買ってしまったというのは秘密だ。

馬車を降りようとするとお兄様は優雅に手を出して「お手をどうぞ」と紳士スマイル。
王子様もびっくりな完璧すぎる所作は実の妹相手にするものじゃない。

これを私以外にもするならばとんだ女たらしだ。
このとろけるような笑みでどんな女性でも一撃ノックアウトだろう。

私は顔をひきつらせて、呆れ半分でお兄様の手を取り、馬車から淑女らしく降りた。
まったく、街に遊びに来たはずなのになぜ優雅に過ごさないといけないのだろうか。

「………にいに、街に遊びにいくんですよね?」
「もちろんだよ?」

「ならば、こういうのはなしにしましょう。街中では私たちは商人の子供設定です。貴族らし過ぎます。これじゃあバレバレですよ」
むしろ私たちが公爵家の子供ですと言っているようなものだ。

「ーーーそうだな。サラの言う通りだ、サァラは頭もいいんだなぁ~」
よしよしと頭を撫でられる。

あんまり子供扱いは好きではないのだけどなぁって、私、今は子供だわ。

「ではにいに、今日は貴族のマナーを忘れて平民のマナーでたくさん遊びましょう!」
「平民のマナーか?」
「そうです!」

執事のイソクはなにも言わずにただ少し首をかしげた。
「みんなも今日は貴族をやめてしまいましょう。主従関係はなしよ、お友だちとして接してちょうだい」

「し、しかし………」
「いやよ、今日は堅苦しいのはなし。ね?いいでしょ、にいに?」
「もちろんだよ、サァラ」

イエスマン兄が断るはずもなく、今日は名前呼びの刑となった。
やったぜ。

「さあ、今からは敬語なし、私もにいにも名前で読んでくださいね」

街の散策が無事始まったのである。
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