その悪役令嬢、今日から世界を救う勇者になる

ごーぐる

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登録者突破記念 おまけ

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私はチェニー、栄えあるニコラス公爵家の子女様、サラ様に仕えるメイドです。
奥様にそっくりな美人顔のお嬢様はそれはもう我が儘放題で育てられてきました。
愛妻家である当主様を筆頭に、少し……いや、かなりお嬢様に依存していらっしゃる兄のタファ様。
奥様大好きな屋敷の使用人たちは、蝶よ花よと甘やかしまくったわけです。

四歳になられたお嬢様はそれなりに知識を持ち合わせるようになり、自分の望みはすべて叶えられるものだと勘違いなされて、ますます酷くなっていかれた。
その埋め合わせは私たちお嬢様の面倒をみるメイドたちにくるように……。

「チェニー、私、あのお人形の配置が嫌だわ。変えてちょうだい」
よく言われるセリフはこれだ。
一日に十回はあるそれはうんざりするものだった。
なのに、ちょっとしか変わらないようだと怒るものだから手につかない。

「あー、もう。なんかこの服あんまり好きじゃないわ。新しい服もってきてよ!」
なんてどうでもいいような些細なことでも怒るし。
最近は専属メイドである私以外はお嬢様に近寄らなくなってきたのだ。

今は子供の我が儘だからウザいだけ可愛いが、これがそのまま大人になるのならば最悪である。
私は人生最低だと思い始めるようになった。

そんな日が続いたある日、その日はお嬢様は疲れていて早くに眠ってしまわれた。
私は「やったー」と思いながらその後を仲間の好意でぐうたらと過ごさせてもらった本気まじのだが、怠けすぎていつもよりも少し寝坊してしまった。
今日は珍しくご家族様みんなでの朝食の日だというのにだ。

私は慌ててお嬢様を起こしに行った。
「サラお嬢様~、起きていらっしゃいますか~?」
きっと機嫌が悪いことだろう。
私はなるべくお嬢様を刺激しないように和やかにした。

しかし、いつものような怒声が聞こえてこない。
珍しく起こしに来る前に起きていたお嬢様はなんだか朦朧としていて、私を見て困惑しているようだった。
そんなお嬢様に私も戸惑ったが、大人しいし、急がねばと固まっているお嬢様を無理やり着替えさせた。

そして、なかなか動かないお嬢様を半ば強引に部屋から引っ張り出し、いそいそと廊下歩いた。
その時も怖いくらいお嬢様は静かで、寝ぼけてるのかな?と疑問に思うほどだった。
そうやって考え事をしていたからミスをした。

とすっと合図なしで立ち止まった私にお嬢様がぶつかってしまったのだ。
「サラお嬢様!?大丈夫ですか!…すみません急に止まってしまって」
私は慌てて謝って……
「大丈夫です、私が少しよそ見をしてしまったのですから。あなたに落ち度はありませんよ?」
ぴしゃりと固まった。

え、お嬢……様?!
まるで天使が降りたのかと思った。
スカートの裾を摘まみ、心配そうにその大きな瞳をうるうるさせている美人顔が可愛らしくそこにいたものだから。
しばし放心して、朝食のことを思い出した私は謎に感謝してお嬢様を部屋に押し込んだ。
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