その悪役令嬢、今日から世界を救う勇者になる

ごーぐる

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登録者突破記念 おまけ

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お嬢様が豹変なされてから早数週間。
私は今日もお嬢様を眺めていた。

「はー、やばい、可愛すぎるわ……」

そう本人の目の前で口にできたらどれほど幸せだろう。
公爵家メイドとしてのプライドがあるので、絶対に言わないが。

豹変なされたお嬢様はもはや天使と言っても過言ではなく、とても気の利く素敵なお嬢様だ。
長く美しいロングウェーブの金髪がたいへん愛らしく、くりくりと大きなアメシストが透けるような瞳は誰もが美しいと感じることだろう。
奥様似の美人顔は将来をより楽しみにさせるもので、キリッとした目を嬉しそうにへりゃりとさせるお嬢様の笑顔が私は大好きだ。

ごてごてしい飾りばかりのドレスが私は気にくわなかったのだが、最近はシンプルなものを好まれるようになり、毎朝が楽しい。
お嬢様は爽やかな若草色のいいらしく、好んでよく着ていらっしゃる。
もとよりあまり持ち合わせていない色だったので早急に補充しなくてはいけない。

それが引きこもって読書ばかりのお嬢様のために、私が今日やるべきことだった。

毎朝ある仕事が粗方終わったところで、行動を開始する。
早速執事長の元へと出向いたら、執事長ヨセフはなにやらワタワタしていた。
「執事長、どうなされましたか?」
「おー、チェニーか!丁度良いところに」

なにが、丁度良いのだろうか。
私はヨセフが持つ紙束を見る。
まさか、私に手伝わせるとかじゃあないよなぁ……。
一介のメイドにそんな権限はないのであり得ないよな、と思いつつも私は書類から目を離さない。

ヨセフはそんなことを気にも止めず、焦ったように話を続けた。
「お嬢様の最近の消費報告が来ていないんだ。もしかしたら無くしたのかもしれない。一緒に探してくれないか?」
なにをかと思えばそんなことだった。

確かに、お嬢様はその予算が組み込まれるほどに消費家だが、使わなくなったとたん逆に怪しまれるなどおかしな話だ。
「お嬢様は予算をお使いになっておりませんので、報告しておりません」
「はっ?!」
私がそうゆっくりと事実を告げたら理解できないと返事が来た。

「ですからお嬢様は予算をお使いになっておりま……」
「いやいや、聞こえたわ。冗談だろ?お嬢様が散財していないだなんて、天平地位なのか?明日雪が降るのか?」
さすがにそれは言い過ぎです……。
私は疲れてため息をついた。

「今日はお嬢様用のドレスを新調したくて参りました」
「うんうん、そうだよね。なんだ、おどろかせるなよ。サラお嬢様だからね。それで今回も赤色かい?」
「いえ、若草色です」
「ーーーえ、聞き間違いか?若草色って聞こえたんだけど」
「聞き間違えじゃ、ありませんから。今回のは飾りやフリル少な目でシンプルなものにしてくださいね。じゃあ」

私は面倒くさくなって驚くヨセフを置いたまま部屋から出た。
部屋から出れば職場仲間のメイド二人が私のもとに寄ってくる。

「チェニー、今回はどんな命令だったの?執事長を経由してからじゃないといけないくらいすごいものなんでしょ?」
メイドたちは私がわざわざヨセフのところに行ったことをそう捉えたようだ。
確かにお嬢様が命令すればドレス新調ごとき、執事長を経由しなくてもできる。

「いえ、命令じゃないわ。私の独断なの」
私がそう言えばメイドたちは信じられないと声を荒げた。
「ええっ?!いやでも、まだ新しいドレスはたくさんあるでしょう?なんでわざわざ買うのよ」
メイド1が最もらしい発言をする。

「いや、最近のサラお嬢様は若草色のドレスを好まれてて、二着しかないものですからボロボロなの。流石に新しくしないと公爵家としてあるまじきと判断したから。お嬢様ったらボロボロになってもその二着着回すのだもの、しょうがないでしょ?」
私の発言にメイドたちは固まった。
……そんなにか?

私はお嬢様の可愛いお顔を思い浮かべてはてなを頭上に浮かばせた。
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