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学園編
61 予告状
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「はい?すみませんわお兄様、私聞き逃しましたのでもう一度お願い致しますわ」
とある昼下がり、私はチェニーに淹れてもらった紅茶を楽しんでいた矢先。
お兄様は相変わらず懲りなく遠い女子寮まで足を運んでは、私を外に連れ出していた。
折角のまったりお茶タイムを中止されることに馴れてしまった私は、準備してあるお外セットで外でも紅茶を飲んでいる。
お兄様はいつものように激甘ティーだ。
ーーー学級のみんなが知ったらどう思うのかしら?
私は未だに話しかけてもらえない、兄をいろんな意味で尊敬しているクラスメートたちを想像した。
「だからね、あのクソじじーーー」
「ゴッホっゴッホ!」
「……陛下が、サラに会いたいって」
お兄様付きの執事イソクが国王のことをクソ爺と言おうとしたお兄様に遠回しに注意した。
私はイソクたちを不憫に思った。
「うーん、私なにかしてしまいましたかね?」
毎回毎回、なにもしていないのにお偉いさんたちに呼び出されるのは何故なのだろうか、こちらの気持ちも考えてほしい。
「いや、釘刺しとかじゃなくて、単に父上の娘に会いたいんだと。ほら、父上と陛下は仲良いだろ?」
そういえば、そうだったかもしれない。
お父様は私といるとき、私かお母様のことしか基本的に喋らないので、忘れがちだが。
なんでも幼なじみなんだとか。
「それでさ~、父上も頑張ったんだけど、勅命まで出されて、しょうがないからって感じ。どんだけ会いたいんだよって、ね?いや、僕の女神みたいな妹に会いたい気持ちは分かるけどさ~」
勅命まで出したんかい。
たかだか、幼なじみの娘に会いたいだけでそこまでする国王も国王だが、そこまでさせるお父様もお父様である。
「勅命ですの……。はぁ、分かりましたわ。どうせ拒否権無いんですもの、万全の準備で参りましょう!」
私は右手で作った拳を顔の高さまで上げて気合いを入れる。
「僕としては気に入られないほうが嬉しいんだけどな……」
「でも、燃えるサァラも可愛いな」と、お兄様はぽつりと呟いた。
学園にて、昼休み。
私は例によって、一人寂しい中庭にやって来た。
……というよりも、最近は妖精たちを自由に遊ばせる時間となっているが。
今日は木の上にいる彼が、珍しく降り立ち、私の隣に座った。
余りの珍しさに私は持っていた本を落としそうになる。
「……どうかしましたの?」
「いや、なにも」
なにもない人はそんなに拗ねたような表情はしまいと、苦笑いした。
「ふふっ、みんな~おいでくださいな!」
仕方がないなぁと懐かしい昔を思い出しながら、妖精たちに集まってもらう。
ジークは横目で何をするのか気になっている様子だ。
「ジーク様、良いもの見せてあげますの。みんな、手伝って頂戴。お礼にお菓子をあげますわ」
妖精たちは嬉しそうにキャッキャと騒いで、言う通りにしてくれる。
小さな妖精たちは甘いお菓子が大好きなのだ。
「手を繋いで、そう。私のイメージしたものを作って欲しいわ」
私はテレパシーで手を繋いで輪を作る妖精たちにある光景を伝える。
何度か試したことのあるそれは、ちびちゃんずにとっては馴れたものらしく、一抜けで飛び立っていった。
他の妖精たちも遅れながら自分がするべきことを各自で決めて、行う。
「ーーーこれは……」
ジークは言葉を失う。
「綺麗でしょう?私、この光景が大好きですの」
それは、お母様が病にかかり、伏せてしまったあの日、妖精王たちに魅せられた光景。
やはり、あの日のまでには届かなかったが、似通った再現は出来た。
光輝く粒が、手の上で溶けては消え行く。
あまり大々的にやるといくら人通りの少ない中庭でも、騒がしくなるので、小規模なものだったが、それでもやはり綺麗であった。
「妖精の、祝福……」
「え?聞こえませんでしたわ」
ぼそりと呟いた言葉を見惚れていた私は聞き逃した。
ジークは目を大きく開いて私を見ている。
……普段、眠たそうに瞼を閉じているので、過剰に反応してしまった。
しかし、すぐに表情はもとに戻り、いつもの解らない不思議な雰囲気になった。
「……うん、綺麗だね」
私を見たままニコリと笑ったジークに驚きながらも、私も「ええ」と返しておいた。
これは本当の笑顔であったのではと思ったが、すぐに顔を横に振った。
なぜだか、そうしたかったのである。
空を自由に躍り回る妖精たちの光に浮かされたのか、ほうっとからだが暖まるのを感じた。
とある昼下がり、私はチェニーに淹れてもらった紅茶を楽しんでいた矢先。
お兄様は相変わらず懲りなく遠い女子寮まで足を運んでは、私を外に連れ出していた。
折角のまったりお茶タイムを中止されることに馴れてしまった私は、準備してあるお外セットで外でも紅茶を飲んでいる。
お兄様はいつものように激甘ティーだ。
ーーー学級のみんなが知ったらどう思うのかしら?
私は未だに話しかけてもらえない、兄をいろんな意味で尊敬しているクラスメートたちを想像した。
「だからね、あのクソじじーーー」
「ゴッホっゴッホ!」
「……陛下が、サラに会いたいって」
お兄様付きの執事イソクが国王のことをクソ爺と言おうとしたお兄様に遠回しに注意した。
私はイソクたちを不憫に思った。
「うーん、私なにかしてしまいましたかね?」
毎回毎回、なにもしていないのにお偉いさんたちに呼び出されるのは何故なのだろうか、こちらの気持ちも考えてほしい。
「いや、釘刺しとかじゃなくて、単に父上の娘に会いたいんだと。ほら、父上と陛下は仲良いだろ?」
そういえば、そうだったかもしれない。
お父様は私といるとき、私かお母様のことしか基本的に喋らないので、忘れがちだが。
なんでも幼なじみなんだとか。
「それでさ~、父上も頑張ったんだけど、勅命まで出されて、しょうがないからって感じ。どんだけ会いたいんだよって、ね?いや、僕の女神みたいな妹に会いたい気持ちは分かるけどさ~」
勅命まで出したんかい。
たかだか、幼なじみの娘に会いたいだけでそこまでする国王も国王だが、そこまでさせるお父様もお父様である。
「勅命ですの……。はぁ、分かりましたわ。どうせ拒否権無いんですもの、万全の準備で参りましょう!」
私は右手で作った拳を顔の高さまで上げて気合いを入れる。
「僕としては気に入られないほうが嬉しいんだけどな……」
「でも、燃えるサァラも可愛いな」と、お兄様はぽつりと呟いた。
学園にて、昼休み。
私は例によって、一人寂しい中庭にやって来た。
……というよりも、最近は妖精たちを自由に遊ばせる時間となっているが。
今日は木の上にいる彼が、珍しく降り立ち、私の隣に座った。
余りの珍しさに私は持っていた本を落としそうになる。
「……どうかしましたの?」
「いや、なにも」
なにもない人はそんなに拗ねたような表情はしまいと、苦笑いした。
「ふふっ、みんな~おいでくださいな!」
仕方がないなぁと懐かしい昔を思い出しながら、妖精たちに集まってもらう。
ジークは横目で何をするのか気になっている様子だ。
「ジーク様、良いもの見せてあげますの。みんな、手伝って頂戴。お礼にお菓子をあげますわ」
妖精たちは嬉しそうにキャッキャと騒いで、言う通りにしてくれる。
小さな妖精たちは甘いお菓子が大好きなのだ。
「手を繋いで、そう。私のイメージしたものを作って欲しいわ」
私はテレパシーで手を繋いで輪を作る妖精たちにある光景を伝える。
何度か試したことのあるそれは、ちびちゃんずにとっては馴れたものらしく、一抜けで飛び立っていった。
他の妖精たちも遅れながら自分がするべきことを各自で決めて、行う。
「ーーーこれは……」
ジークは言葉を失う。
「綺麗でしょう?私、この光景が大好きですの」
それは、お母様が病にかかり、伏せてしまったあの日、妖精王たちに魅せられた光景。
やはり、あの日のまでには届かなかったが、似通った再現は出来た。
光輝く粒が、手の上で溶けては消え行く。
あまり大々的にやるといくら人通りの少ない中庭でも、騒がしくなるので、小規模なものだったが、それでもやはり綺麗であった。
「妖精の、祝福……」
「え?聞こえませんでしたわ」
ぼそりと呟いた言葉を見惚れていた私は聞き逃した。
ジークは目を大きく開いて私を見ている。
……普段、眠たそうに瞼を閉じているので、過剰に反応してしまった。
しかし、すぐに表情はもとに戻り、いつもの解らない不思議な雰囲気になった。
「……うん、綺麗だね」
私を見たままニコリと笑ったジークに驚きながらも、私も「ええ」と返しておいた。
これは本当の笑顔であったのではと思ったが、すぐに顔を横に振った。
なぜだか、そうしたかったのである。
空を自由に躍り回る妖精たちの光に浮かされたのか、ほうっとからだが暖まるのを感じた。
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