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学園編
63 お父様と陛下は類友
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「ご丁寧にどうも~。堅苦しさとかなしで、エナードおじ様でいいんだよ?」
「……」
なんだろう、この人からはお父様に似たものを感じる……。
類は友を呼ぶというやつだろうか……。
「よし、帰ろう!挨拶はした、帰ろう!」
「まぁまぁまぁ、ほら、丁度椅子が来たみたいだし、座って座って!」
満面の笑みが嘘臭い。
しかし彼はこの国の王である、よってこの椅子には座らなければならない。
お父様も渋りながら最終的にそうするのは同じ理由からなのか、幼馴染としてのやさしさなのか……両方だろうか。
「いや~、さすがエリックとロゼリアの娘!麗しいな!サラ嬢、私の息子の嫁にならないか?どっちでもいいぞ!」
「ふざけんな!誰がやるか、サラは結婚しない!!!」
「お父様、それは困りますわ……」
行き遅れなんですが、令嬢として恥になるのですが…。
「大丈夫だ、サラは既に公爵家で一生暮らせるように手配してあるからな。結婚相手も、欲しいなら私が見繕おう。だからこいつのところに嫁に行くのだけはだめだ!!!」
お父様はびしっと陛下に指を指し、激怒する。
「ははは、相変わらずだな。冗談だよ冗談。まぁサラ嬢が望むなら片方やってもいいがな」
―――普通、二人いれば後継者のために二人とも残しておくところなのでは?と疑問に思った私である。
「……あの、ご用件はこれで本当に終わりですの?」
「ん?ああ、終わりだけど。でも、話し相手位なってよぉ。おじ様退屈だぁ!」
「政務しろよ!」
「てか、娘を領地に残すなら、息子の方ちょうだいよ。あれ、お前に似て優秀だし、ジークとも仲いいみたいだし」
「いいぞ、やる」
先ほどまでの意地はどこへやら、お父様はすんなり許可してしまった。
―――えっ!?
いやいや、ダメでしょ!?
お兄様は公爵家の後継者ではないの!?
私は目線でお父様に訴える。
しかし、不思議なことにさっきまで合っていた目線がすっと外された。
問い詰めたいのに、陛下の御前ではそれもできない。
「やったぜ」
ガッツポーズをする陛下。
ああ、陛下のダンディーなおじ様像がどんどん削れていく……。
「ま、余談はこれくらいにして。サラ嬢、学園生活はどうかな?」
「もちろん、学園は貴族の社交場として素晴らしい場所ですわ。クラスメートも親切な方々ばかりですし、(友達少ないけど)毎日お喋りもできて、楽しいですわ」
「ふ~ん、ちなみに友達ってどんな子なの?」
「……えっと、子供っぽい子ですわ。後、負けず嫌いな子が二人。それと、可愛くて頼りになるお友達がたくさんいますの」
私はついてきたちびちゃんずにほほ笑んだ。
ちびちゃんずは嬉しそうにキャッキャとしている。
「ほぉ、それはその妖精たちのことか」
―――え、見えるの?
「ああ、見えるぞ。王家は代々妖精眼を持っているからな」
陛下が私の心の内を見透かして返事をする。
「そうでしたの。では隠す必要はないのですね」
私はお父様をちらりと見た。
先ほどから終始、無言で、ただコクリとうなずくだけだった。
「まぁな、ちなみに普段何をしているのかも知っている」
「……」
それは、商会とかのことで間違いないのだろう。
私はこれ以上悟られたくなくて、自動的に笑顔の仮面をつけた。
「ふふっ、いいだろう。私は今からエリックと仕事の話がある。サラ嬢は下がって、王妃のところのお茶会にでも行くか?……それとも図書室―――」
「図書室があるの!……でしょうか」
「ああ、案内させよう。っはは!……、セバス、頼んだ」
私はご褒美として図書室に行けることになった。
もちろん、帰らなければならない時間になるまで粘りましたとも、ええ!
「……」
なんだろう、この人からはお父様に似たものを感じる……。
類は友を呼ぶというやつだろうか……。
「よし、帰ろう!挨拶はした、帰ろう!」
「まぁまぁまぁ、ほら、丁度椅子が来たみたいだし、座って座って!」
満面の笑みが嘘臭い。
しかし彼はこの国の王である、よってこの椅子には座らなければならない。
お父様も渋りながら最終的にそうするのは同じ理由からなのか、幼馴染としてのやさしさなのか……両方だろうか。
「いや~、さすがエリックとロゼリアの娘!麗しいな!サラ嬢、私の息子の嫁にならないか?どっちでもいいぞ!」
「ふざけんな!誰がやるか、サラは結婚しない!!!」
「お父様、それは困りますわ……」
行き遅れなんですが、令嬢として恥になるのですが…。
「大丈夫だ、サラは既に公爵家で一生暮らせるように手配してあるからな。結婚相手も、欲しいなら私が見繕おう。だからこいつのところに嫁に行くのだけはだめだ!!!」
お父様はびしっと陛下に指を指し、激怒する。
「ははは、相変わらずだな。冗談だよ冗談。まぁサラ嬢が望むなら片方やってもいいがな」
―――普通、二人いれば後継者のために二人とも残しておくところなのでは?と疑問に思った私である。
「……あの、ご用件はこれで本当に終わりですの?」
「ん?ああ、終わりだけど。でも、話し相手位なってよぉ。おじ様退屈だぁ!」
「政務しろよ!」
「てか、娘を領地に残すなら、息子の方ちょうだいよ。あれ、お前に似て優秀だし、ジークとも仲いいみたいだし」
「いいぞ、やる」
先ほどまでの意地はどこへやら、お父様はすんなり許可してしまった。
―――えっ!?
いやいや、ダメでしょ!?
お兄様は公爵家の後継者ではないの!?
私は目線でお父様に訴える。
しかし、不思議なことにさっきまで合っていた目線がすっと外された。
問い詰めたいのに、陛下の御前ではそれもできない。
「やったぜ」
ガッツポーズをする陛下。
ああ、陛下のダンディーなおじ様像がどんどん削れていく……。
「ま、余談はこれくらいにして。サラ嬢、学園生活はどうかな?」
「もちろん、学園は貴族の社交場として素晴らしい場所ですわ。クラスメートも親切な方々ばかりですし、(友達少ないけど)毎日お喋りもできて、楽しいですわ」
「ふ~ん、ちなみに友達ってどんな子なの?」
「……えっと、子供っぽい子ですわ。後、負けず嫌いな子が二人。それと、可愛くて頼りになるお友達がたくさんいますの」
私はついてきたちびちゃんずにほほ笑んだ。
ちびちゃんずは嬉しそうにキャッキャとしている。
「ほぉ、それはその妖精たちのことか」
―――え、見えるの?
「ああ、見えるぞ。王家は代々妖精眼を持っているからな」
陛下が私の心の内を見透かして返事をする。
「そうでしたの。では隠す必要はないのですね」
私はお父様をちらりと見た。
先ほどから終始、無言で、ただコクリとうなずくだけだった。
「まぁな、ちなみに普段何をしているのかも知っている」
「……」
それは、商会とかのことで間違いないのだろう。
私はこれ以上悟られたくなくて、自動的に笑顔の仮面をつけた。
「ふふっ、いいだろう。私は今からエリックと仕事の話がある。サラ嬢は下がって、王妃のところのお茶会にでも行くか?……それとも図書室―――」
「図書室があるの!……でしょうか」
「ああ、案内させよう。っはは!……、セバス、頼んだ」
私はご褒美として図書室に行けることになった。
もちろん、帰らなければならない時間になるまで粘りましたとも、ええ!
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