その悪役令嬢、今日から世界を救う勇者になる

ごーぐる

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登録者突破記念 おまけ

幼少期おまけ 私は魔族、友は公爵令嬢1

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それは、アイヴァーン商会が軌道に乗っかってきた春頃。
急にルスピニーは用事があると私を部屋に呼び出した。

「珍しいですね、用事なんて」
妖精たちは基本的に自由な生き物なので、約束事だったり、時間というものに捕らわれることがない。
そのため、私はなにかあるのではと警戒した。

『……うむ。サラ、黒髪の魔族のしょうね……、少女を覚えているか?』
私は一瞬で該当者を見つけ出した。
だって、私の中で唯一の外の知り合いみたいなものだし。

「クロですか?久しぶりに聞く名前ですね」
なんせ、あのパーティーから一年は経っていた。
私は懐かしい友人?の名前に心踊らせる。

『そうだ。そのクロゥな、お前に会いたいと言っているのじゃが、どうだろうか?』
「えっ、ルスピニーさん。それってクロと知り合いですって言っているように聞こえるのですが?」
『ああ、知り合いだな』

ルスピニーはなんともでもないように言い放った。
私は少し首をがくりと傾けてしまう。
「それ、もっと早く言ってほしかったですね。そうしたら私から会いに行きましたのに……」
折角出来た友達に会えなくて寂しいのは私も同じである。

しかし、ルスピニーは首を横に降った。
『すまんな、あっちにも事情があるのじゃ。簡単に人間を招くことは出来んようでな。大体は落ち着いてきたし、お前も落ち着いたし、そろそろと思って妾から持ちかけたのじゃ。のう、ダメか?』
ほーこれまた珍しいと思った私は前のめりにルスピニーの話を聞いた。

お菓子のこと以外でお願いをされたのは初である。
私は少し感動しそうだった。

「もちろん構いませんが……、私が行っても困らないのでしょうか?」
『そうじゃ、そこでな。ここにクロゥを呼んでほしい。魔法でな』
私はわざわざルスピニーが頼みに来た理由がようやくわかった。

「なるほど、契約魔法ですか」

ーーー契約魔法。
人間しか使えない主従契約魔法の略。
これは魔力を持つ生命体を呼び出し、了承を得ると契約となる。
私は契約をしなくても呼び出す力はあるが、目印になるものがないので呼び出せない。

『いや、そうじゃなく。まあそれでもいいんじゃが……、サラ、黒い宝石を貰っただろう?』
「ーーーああ、あのネックレス」
私は机のなかの宝物が入っている木箱からそれを取り出した。
結局、なんの宝石かわからなかったが、どこまでも黒い石が艶かしく、美しい。

『それな、魔力が宿ってる謂わば魔石だ』
「えっ!?」
私が驚いたのは、魔石と呼ばれたそれが全く魔力を感じ取らせなかったからだ。
魔石は媒介となるもので、魔法を使うときの助けになる魔力を宿す石のことだ。

『ふふふ、驚いたか。いにしえの魔法でな、感知妨害が出来るのじゃ。凄いじゃろ?』
私はルスピニーの自慢気な表情から思った。

ーーーもしかして、これ、ルスピニーさんが創った?
当たりな気がするが、めんどくさくなるのがいやで黙っていることにした。

それよりも。

「じゃあ、これから魔法を分析して呼び出せばいいんですねっ!」
私は声を弾ませる。
『……ん?』
ルスピニーが呆けた声を出したが、すでにサラの耳には届いていなかった。

「今からでもいいんですかねっ!?」
私はわくわくしていた。
顔には「実験だ!新魔法だ!」と書いているのが見える。
『……ああ、いいんじゃないか、うん』

ルスピニーの返事云々関係なく、私は魔法をコピーして分解し始めた。

……しばらくして。

「出来ました!ついでに妨害魔法も外しました!」
私は出来た成果をルスピニーに見せる。
あれから軽く六時間はこうしていたが、ルスピニーは温かく見守っていてくれた。

『……ああ、出来てるみたいじゃな。うん、凄いぞ。とりあえず、今日はもう遅いし、呼び出すのは明日にしようか』
言われて外を見てみれば、すっかり真っ暗になっていた。
そういえば、寝る時間帯だったなぁと思い出してすぐさまベッドに潜り込む。
寝坊するとお母様が怖い。

「お休みなさいませ、ルスピニーさん」
『お休み、サラ。良い夢を』
睡魔はすぐに襲ってきて、私は寝ぼけながらクロにあったときのことを考えた。
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