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学園編
77 公爵家のお嬢様、冒険者になる!?
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天気の良い、清々しい朝。
ずっと溜まっていた書類たちを片付けて、今日からしばらくは自由な時間をとった。
「チェニー、ルイ。今日からは朝食だけとって、街に降りるわ。お供に影を連れて行くわ。暗くなる前には戻ってくるから」
「はい、言われた通り町娘風のお洋服も用意させています」
「ありがとう」
朝食に行く前の廊下。
私は優秀なメイドたちにお礼を言って、食堂に向かった。
今日の朝食はムニエルとトマトスライスとコンポタ。
ムニエルは貿易を広げたおかげで海に接していない内陸部の公爵家でも新鮮だし、コンポタはコンソメを作ったおかげで味がいい。
食事の時ほど前世の記憶があってよかったと思うことはない。
洋食もいいが、そのうちは和食もフルコンプしたいところである。
私はそんなことを考えながらお母様の部屋に向かった。
お母様の部屋は一棟一階左側にある。
その隣は夫婦の部屋で、立ち入り禁止。
そのまた隣はお父様の部屋だ。
なんだかんだ仲のいいラブラブ夫婦は、最近のお父様のお暇具合からして、もう一人生まれそうなくらいいちゃいちゃしている。
そのおかげで私に被害が出ないのは大変よろしい。
こっちはお兄様までいるので、二人がかりだと面倒なことこの上ないのだ。
正直、弟でも妹でも下の兄弟が欲しいという思いもある。
さすがに食後しばらくは一緒ではないので、急いで扉を開けた。
お母様の部屋はシンプルながらも品を感じるもので、質の良いアンティークが全体の家具を占めている。
窓際にバラの花束が生けられているが、お父様からのプレゼントだろうか?
「お母様、サラですわ。お話がありますの」
「あら、サラちゃん。お母様にお話しなんて珍しいわね。何かしら?」
お母様は私がかかわるお話は面倒ごとに決まっているとでも思っているのか、眉をたれ下げて少し面倒くさそうに振り返る。
「実は、今から街に参るのですが、冒険者登録をしようと思いまして」
「まぁ、冒険者に?いい案ね」
お母様は反対することなくむしろ賛成した。
「それでーーー」
「身分証明書を偽りたいのよね?」
話が早い、さすがお母様である。
私は身分証明書もとい、前世で言う戸籍に基づくそれを誤魔化したかった。
「そうですわ。お母様の冒険者時代の身分証明書、それの娘ということにしていただけないでしょうか?」
「……ふぅ。ばれていたのね。ふふふ、いいわよ。手配してあげるわ」
「ありがとうございます」
お母様がまだ伯爵令嬢の頃。
お母様は令嬢のみでありながら冒険者であった。
Aランク冒険者「ロロ」。
それがお母様のハンドルネームだ。
ここまで調べ上げるのに結構苦労した。
有名人ではあったものの、お母様の実家、ハールス伯爵家は情報操作に長けていた。
でなければいくらかわいい愛娘の願いでも、令嬢が冒険者として活躍するなんて見逃せるわけない。
「そうだわ。せっかくだし、お父様とお母様に会ってもらおうかしら。どうせ身分証作るなら伯爵家経路だし」
お母様は手紙を書きながら楽しそうに言った。
ふむ、おじい様とおばあ様か……。
いや、それではアンおばあさまと被るし、御祖父様と御祖母様だろうか。
「はい、会ってみたいです!」
「ふふっ、歓迎されるわよ。はい、これ通行書ね」
お母様は封を閉じて私に手紙を渡す。
封蝋には公爵家の家紋が押されていた。
私は受け取り次第、亜空間に収納した。
「いつ見ても、不思議よね、その魔法」
「私も不思議です」
正直、なぜ異界と空間を繋げることが出来るのか謎だ。
仮説はあるが、どれも明確とはいいがたい。
「ふふっ、楽しいわね。まさか自分の娘が冒険者になるだなんて……。お母様もこういう心持ちだったのかしら?」
お母様はにこりと我が子を見ながら将来は誰がこの子を射止めるのかしらと、自分の過去と重ねるのだった。
ずっと溜まっていた書類たちを片付けて、今日からしばらくは自由な時間をとった。
「チェニー、ルイ。今日からは朝食だけとって、街に降りるわ。お供に影を連れて行くわ。暗くなる前には戻ってくるから」
「はい、言われた通り町娘風のお洋服も用意させています」
「ありがとう」
朝食に行く前の廊下。
私は優秀なメイドたちにお礼を言って、食堂に向かった。
今日の朝食はムニエルとトマトスライスとコンポタ。
ムニエルは貿易を広げたおかげで海に接していない内陸部の公爵家でも新鮮だし、コンポタはコンソメを作ったおかげで味がいい。
食事の時ほど前世の記憶があってよかったと思うことはない。
洋食もいいが、そのうちは和食もフルコンプしたいところである。
私はそんなことを考えながらお母様の部屋に向かった。
お母様の部屋は一棟一階左側にある。
その隣は夫婦の部屋で、立ち入り禁止。
そのまた隣はお父様の部屋だ。
なんだかんだ仲のいいラブラブ夫婦は、最近のお父様のお暇具合からして、もう一人生まれそうなくらいいちゃいちゃしている。
そのおかげで私に被害が出ないのは大変よろしい。
こっちはお兄様までいるので、二人がかりだと面倒なことこの上ないのだ。
正直、弟でも妹でも下の兄弟が欲しいという思いもある。
さすがに食後しばらくは一緒ではないので、急いで扉を開けた。
お母様の部屋はシンプルながらも品を感じるもので、質の良いアンティークが全体の家具を占めている。
窓際にバラの花束が生けられているが、お父様からのプレゼントだろうか?
「お母様、サラですわ。お話がありますの」
「あら、サラちゃん。お母様にお話しなんて珍しいわね。何かしら?」
お母様は私がかかわるお話は面倒ごとに決まっているとでも思っているのか、眉をたれ下げて少し面倒くさそうに振り返る。
「実は、今から街に参るのですが、冒険者登録をしようと思いまして」
「まぁ、冒険者に?いい案ね」
お母様は反対することなくむしろ賛成した。
「それでーーー」
「身分証明書を偽りたいのよね?」
話が早い、さすがお母様である。
私は身分証明書もとい、前世で言う戸籍に基づくそれを誤魔化したかった。
「そうですわ。お母様の冒険者時代の身分証明書、それの娘ということにしていただけないでしょうか?」
「……ふぅ。ばれていたのね。ふふふ、いいわよ。手配してあげるわ」
「ありがとうございます」
お母様がまだ伯爵令嬢の頃。
お母様は令嬢のみでありながら冒険者であった。
Aランク冒険者「ロロ」。
それがお母様のハンドルネームだ。
ここまで調べ上げるのに結構苦労した。
有名人ではあったものの、お母様の実家、ハールス伯爵家は情報操作に長けていた。
でなければいくらかわいい愛娘の願いでも、令嬢が冒険者として活躍するなんて見逃せるわけない。
「そうだわ。せっかくだし、お父様とお母様に会ってもらおうかしら。どうせ身分証作るなら伯爵家経路だし」
お母様は手紙を書きながら楽しそうに言った。
ふむ、おじい様とおばあ様か……。
いや、それではアンおばあさまと被るし、御祖父様と御祖母様だろうか。
「はい、会ってみたいです!」
「ふふっ、歓迎されるわよ。はい、これ通行書ね」
お母様は封を閉じて私に手紙を渡す。
封蝋には公爵家の家紋が押されていた。
私は受け取り次第、亜空間に収納した。
「いつ見ても、不思議よね、その魔法」
「私も不思議です」
正直、なぜ異界と空間を繋げることが出来るのか謎だ。
仮説はあるが、どれも明確とはいいがたい。
「ふふっ、楽しいわね。まさか自分の娘が冒険者になるだなんて……。お母様もこういう心持ちだったのかしら?」
お母様はにこりと我が子を見ながら将来は誰がこの子を射止めるのかしらと、自分の過去と重ねるのだった。
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