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学園編
98 お弁当
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夏休みが終わり、二学期が始まった。
いつものように寂しく一人で……ではなく、ぬいぐるみに擬態させたファニが一緒の生活である。
ドラゴン……はチェニーに反対されたので、タツノオトシゴに化けさせている。
この世界、なんとタツノオトシゴがいないので(見つかっていないだけかもしれないが)チェニーもルイも不思議そうな顔をしていた。
けっこう小さめに作ったので、踏み潰されないように防御魔法もかけてある。
ファニは案外ぬいぐるみの姿を気に入ったようで、もとの姿に戻るのも寝るとき位だ。
なんとも寂しい学園生活に安らぎはあるものの、相も変わらず友達が少ないので、部屋以外ではほぼお一人様生活であることは変わらない。
学食はとうに居づらくなってしまったので、最近の昼は唯一まともな?友であるジークと食べている。
木の上にいつもいる生徒会長がまともとか冗談のように聞こえるが。
「今日の弁当、なに?」
弁当の匂いに吊られて木の上の住民が降りてきた。
猫のような軽やかさである。
「……あげませんわよ」
そしてなぜか毎回私の弁当を盗み食いしようとする。
これが普通の弁当ならばとっとと一口突っ込んでいたところだったのだが、なんせ最近の弁当には私が作ったものが大半を占めている。
前世で早死にをした原因はストレスもあったが、外食ばかりの食生活にもあったと思う。
まあ、会食ばかりだったから仕方がなかったといえばそうなのだが。
どちらにしろ、身に付けていて困るような技術ではないとチェニー先生の元、ご指導を受けているのだが、これがなかなか難しい。
研究生時代以来の料理は最初、味付けや焼き加減が最悪だった。
料理本なんてないこの時代、料理は技術を盗むもので目分量が多い。
しばらくしたら食べれるようになったのでお弁当の具にしているが、上位貴族が口にするようなものではない。
目測だが、姿勢の良いこの不思議生物は明らかに上位貴族なので食べさせるわけにはいかないのだ。
私は弁当の周りに結界を張った。
「それはずるい」
「ずるくありませんわ、私のお弁当ですもの」
私は卵本来の味しかしない卵焼きを口にいれた。
うむ、健康的な味だ。
そしてお次はとベーコンにアスパラを巻いたものを取ると、横からずいっと顔が近づいてきてフォークの先のそれをぱくりと食べてしまった。
「うまっ」
「あぁぁぁ!!!私のアスパラァァァア!」
アスパラ……、好物なのに……。
「えっ、ごめん」
私の取り乱しようにジークは謝る。
許さん!アスパラの恨みは大きいぞ!
「はぁ……、アスパラ……」
「アスパラガスくらいならいくらでも送るが……」
「アスパラはうちの領で取れるやつが一番美味しいので大丈夫ですわ」
アスパラガスは速攻で改良した。
だって、甘くないアスパラガスなんてアスパラガスでないと思っていたから。
これだけは私のわがままのみで実行された計画だった。
「……ごめん」
それでも潮らしく謝ってくるジークに怒りも収まり、ため息をつく。
「別に明日も作るから構いませんわ。……そんなにお弁当が食べたいのなら、ジーク様の分も作ってきましょうか?」
「……本当?」
これ以上、弁当を取られるわけにはいくまいと改善策出してみる。
「はい、うちのメイドに頼んでおきますわ」
チェニーにはせっかく仕事が減ったところを申し訳ないが、一つ作ってもらおう。
「……君が作っているんじゃないの?」
「はい?まぁ、確かにそうですが、人様にお出しできるものではないので」
それとなにが関係があるのかと私は首を捻った。
「……やっぱいいや」
なにか落胆したようにジークは項垂れた。
「それじゃあ僕も明日から弁当にしてもらうから、一緒に食べようね」
「まぁ、それは良いですわね」
これで弁当がもう取られない!
私は心のなかで歓喜した。
いつものように寂しく一人で……ではなく、ぬいぐるみに擬態させたファニが一緒の生活である。
ドラゴン……はチェニーに反対されたので、タツノオトシゴに化けさせている。
この世界、なんとタツノオトシゴがいないので(見つかっていないだけかもしれないが)チェニーもルイも不思議そうな顔をしていた。
けっこう小さめに作ったので、踏み潰されないように防御魔法もかけてある。
ファニは案外ぬいぐるみの姿を気に入ったようで、もとの姿に戻るのも寝るとき位だ。
なんとも寂しい学園生活に安らぎはあるものの、相も変わらず友達が少ないので、部屋以外ではほぼお一人様生活であることは変わらない。
学食はとうに居づらくなってしまったので、最近の昼は唯一まともな?友であるジークと食べている。
木の上にいつもいる生徒会長がまともとか冗談のように聞こえるが。
「今日の弁当、なに?」
弁当の匂いに吊られて木の上の住民が降りてきた。
猫のような軽やかさである。
「……あげませんわよ」
そしてなぜか毎回私の弁当を盗み食いしようとする。
これが普通の弁当ならばとっとと一口突っ込んでいたところだったのだが、なんせ最近の弁当には私が作ったものが大半を占めている。
前世で早死にをした原因はストレスもあったが、外食ばかりの食生活にもあったと思う。
まあ、会食ばかりだったから仕方がなかったといえばそうなのだが。
どちらにしろ、身に付けていて困るような技術ではないとチェニー先生の元、ご指導を受けているのだが、これがなかなか難しい。
研究生時代以来の料理は最初、味付けや焼き加減が最悪だった。
料理本なんてないこの時代、料理は技術を盗むもので目分量が多い。
しばらくしたら食べれるようになったのでお弁当の具にしているが、上位貴族が口にするようなものではない。
目測だが、姿勢の良いこの不思議生物は明らかに上位貴族なので食べさせるわけにはいかないのだ。
私は弁当の周りに結界を張った。
「それはずるい」
「ずるくありませんわ、私のお弁当ですもの」
私は卵本来の味しかしない卵焼きを口にいれた。
うむ、健康的な味だ。
そしてお次はとベーコンにアスパラを巻いたものを取ると、横からずいっと顔が近づいてきてフォークの先のそれをぱくりと食べてしまった。
「うまっ」
「あぁぁぁ!!!私のアスパラァァァア!」
アスパラ……、好物なのに……。
「えっ、ごめん」
私の取り乱しようにジークは謝る。
許さん!アスパラの恨みは大きいぞ!
「はぁ……、アスパラ……」
「アスパラガスくらいならいくらでも送るが……」
「アスパラはうちの領で取れるやつが一番美味しいので大丈夫ですわ」
アスパラガスは速攻で改良した。
だって、甘くないアスパラガスなんてアスパラガスでないと思っていたから。
これだけは私のわがままのみで実行された計画だった。
「……ごめん」
それでも潮らしく謝ってくるジークに怒りも収まり、ため息をつく。
「別に明日も作るから構いませんわ。……そんなにお弁当が食べたいのなら、ジーク様の分も作ってきましょうか?」
「……本当?」
これ以上、弁当を取られるわけにはいくまいと改善策出してみる。
「はい、うちのメイドに頼んでおきますわ」
チェニーにはせっかく仕事が減ったところを申し訳ないが、一つ作ってもらおう。
「……君が作っているんじゃないの?」
「はい?まぁ、確かにそうですが、人様にお出しできるものではないので」
それとなにが関係があるのかと私は首を捻った。
「……やっぱいいや」
なにか落胆したようにジークは項垂れた。
「それじゃあ僕も明日から弁当にしてもらうから、一緒に食べようね」
「まぁ、それは良いですわね」
これで弁当がもう取られない!
私は心のなかで歓喜した。
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