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プロローグ
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ここは私たちが住んでいる場所とは違う世界、「ワールド」。
魔王が世界を支配しようとし、それに歯向かうべく勇者が現れて世界を救ったのは遥か昔なんかではなく、ここ一週間くらい前のことだ。
人々は勇者を称え英雄として語られていった。
勇者「ヴァルラヒル」は魔王退治から国に戻り、国中が彼を祭り称えているのに驚いた。
そして彼を称えるその行動を見ているのが嫌になってしまった。
彼が欲しかったものは平穏だったのだ。
このままでは自分は筆頭魔法使い、もしくは黄金騎士なんかにされてなにかがあるだびに駆り出されてしまうのではという考えが頭をよぎった。
百歩譲って、なにかがあるたびに戦場に駆り出されるのはまだいい。
自分は冒険者なのだし、みんなを助けることは良いことだし好きだ。
でも、ずっと王都にとどまらないといけないのは嫌だった。
どうしようかと考えつつ、とりあえずは王のところへ向かい交渉してみるかと瞬間移動で王都に向かった。
門番もメイドにもすれ違うたびに頭を下げ涙を流していた。
そのたびにオロオロとして対処しているとだんだんと疲れてきてしまった。
王の謁見部屋につく頃にはもう精神的にボロボロで早く森の中の過ごしやすい自宅に帰りたくなった。
「王様、ヴァルラヒルです。只今魔王を討伐し、帰還致しました。謁見をお許しくださいませ。」
「許そう。」
だたの社交なので棒読みで淡々と話すと門のような扉が内側に開いた。
「しばらくぶりだな勇者よ。今回の魔王討伐よくやった、お前は我が国の…いや世界の英雄だ。」
「王、世辞はよいのです。それよりもお願いがございます。」
「なんだ?無欲なお前が願いとは、珍しいものだな。許そう、言ってみるが良い。」
「では、私と一生関わらないでいただけますか?っと違いました。」
「いや、違わないだろ、絶対本心だろそれ。」
ぼそぼそと王は呟く。
この王とはそこまで長い付き合いではないのだが、馬が合うのか気楽に話ができる。
それはあちらも同じようだ。
「私は権力というものからなるべく離れていたいのです、王。」
「うーん、君のその気持ちもわかるのだがね、君はもう勇者、英雄なんだよ。世間は君を祭らずにはいられない。そんななかほのぼのと暮らすなんて無理だと思うよ。第一、冒険者は続けるきでいるんでしょ?もっと無理だと思うよ。」
「…ですよねー。はぁ…、わかりました。」
「よかったわかってくれたか。君が無理矢理王都を離れると言ったらどうしようかと思ったよ。」
王は安心しきったようにベラベラしゃべっているがそんなものは勇者の耳には届いていなかった。
「俺、勇者辞めます。というか魔法で異世界に転生して、やり直したいと思います。」
「は?何をいっているんだ君は、…って、おい!今ここでやるのか?止めろ、今すぐ止めろ。全無視かよ!おい、誰か筆頭を呼べ!こいつを止めろ!!」
「ここに、ですが王。すでに私よりも彼の方が魔力量も力も上です。しかもあんな魔法、見たことがないです。私では止められません―――というか全人類でも彼を止めることは不可能です。」
「あいつ、そんなに強くなってんのかよ!あ、おい!ヴァル!!!話をきけっ!!!!!!」
俺が最後に見たものは、焦ったような王と、あきれ顔の魔法使い筆頭だった。
魔王が世界を支配しようとし、それに歯向かうべく勇者が現れて世界を救ったのは遥か昔なんかではなく、ここ一週間くらい前のことだ。
人々は勇者を称え英雄として語られていった。
勇者「ヴァルラヒル」は魔王退治から国に戻り、国中が彼を祭り称えているのに驚いた。
そして彼を称えるその行動を見ているのが嫌になってしまった。
彼が欲しかったものは平穏だったのだ。
このままでは自分は筆頭魔法使い、もしくは黄金騎士なんかにされてなにかがあるだびに駆り出されてしまうのではという考えが頭をよぎった。
百歩譲って、なにかがあるたびに戦場に駆り出されるのはまだいい。
自分は冒険者なのだし、みんなを助けることは良いことだし好きだ。
でも、ずっと王都にとどまらないといけないのは嫌だった。
どうしようかと考えつつ、とりあえずは王のところへ向かい交渉してみるかと瞬間移動で王都に向かった。
門番もメイドにもすれ違うたびに頭を下げ涙を流していた。
そのたびにオロオロとして対処しているとだんだんと疲れてきてしまった。
王の謁見部屋につく頃にはもう精神的にボロボロで早く森の中の過ごしやすい自宅に帰りたくなった。
「王様、ヴァルラヒルです。只今魔王を討伐し、帰還致しました。謁見をお許しくださいませ。」
「許そう。」
だたの社交なので棒読みで淡々と話すと門のような扉が内側に開いた。
「しばらくぶりだな勇者よ。今回の魔王討伐よくやった、お前は我が国の…いや世界の英雄だ。」
「王、世辞はよいのです。それよりもお願いがございます。」
「なんだ?無欲なお前が願いとは、珍しいものだな。許そう、言ってみるが良い。」
「では、私と一生関わらないでいただけますか?っと違いました。」
「いや、違わないだろ、絶対本心だろそれ。」
ぼそぼそと王は呟く。
この王とはそこまで長い付き合いではないのだが、馬が合うのか気楽に話ができる。
それはあちらも同じようだ。
「私は権力というものからなるべく離れていたいのです、王。」
「うーん、君のその気持ちもわかるのだがね、君はもう勇者、英雄なんだよ。世間は君を祭らずにはいられない。そんななかほのぼのと暮らすなんて無理だと思うよ。第一、冒険者は続けるきでいるんでしょ?もっと無理だと思うよ。」
「…ですよねー。はぁ…、わかりました。」
「よかったわかってくれたか。君が無理矢理王都を離れると言ったらどうしようかと思ったよ。」
王は安心しきったようにベラベラしゃべっているがそんなものは勇者の耳には届いていなかった。
「俺、勇者辞めます。というか魔法で異世界に転生して、やり直したいと思います。」
「は?何をいっているんだ君は、…って、おい!今ここでやるのか?止めろ、今すぐ止めろ。全無視かよ!おい、誰か筆頭を呼べ!こいつを止めろ!!」
「ここに、ですが王。すでに私よりも彼の方が魔力量も力も上です。しかもあんな魔法、見たことがないです。私では止められません―――というか全人類でも彼を止めることは不可能です。」
「あいつ、そんなに強くなってんのかよ!あ、おい!ヴァル!!!話をきけっ!!!!!!」
俺が最後に見たものは、焦ったような王と、あきれ顔の魔法使い筆頭だった。
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