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浩宇が金龍宮に着くと既に中央の席には一人、この国で唯一黄色の纏うことができる人物と、そしてその両端に一人ずつ各部の最高責任者の色を纏った人物たちがいた。
「おお、雷卿。早かったな」
「国王陛下におかれましては、本日もご機嫌麗しゅうようで何よりでございます」
この若々しさを感じる只ならない雰囲気を発している青年は、明国第十五代の皇帝、明 景宗(メイ ケイシュウ)である。そして、その他の二人は彼の直属の側近たち。竜胆色を纏う三白眼の筋肉質な彼が第一部、行政を司る部の少博、夏 天佑(カ テェンヨウ)。同じく深い紅の衣を纏う三十過ぎの大人びた美貌を持つ青年は、第三部、軍事を司る部の少師、唐 博文(トウ ハクブン)という。
夏少博はいつでもピリピリと神経質そうにしているし、唐少師は麗しい美貌と一度目が合えばどのようなおなごでも妊娠させてしまうと噂の流し目で、老若男女の相手を魅惑してしまうため浩宇的に、この中で一番話しかけやすいのは国王だったりする。
四人で景宗帝を通して話をしていると、とばりが開き見慣れた人物がやって来た。浩宇の従兄、周 庭(シュウ テイ)、この国の宰相である。
「周丞相。今日は珍しく早かったな」
「皇帝のいと高きところに在らせられますを有り難く思います。………今日は我が乳兄弟、雷公に話がありまして」
周丞相はにやにやと顔を歪めてとても面白そうにしている。浩宇は仮面のしたで眉を八の字にした。
「浩宇~。昨日はお楽しみだったのか~?お前にも遂にいい女が出来て私は嬉しいぞ~!」
やはりか、と浩宇はため息を吐きそうになった。相変わらずこの従兄殿の情報網には驚かされ、困らされる。
「違う、少し拾い物をしたのだ。………小さな子犬をな」
今朝の少女は青ざめながらもその翡翠の瞳を揺らすことはなかった。真っ直ぐとこちらを見てくるものだから子猫というより子犬の方が似合っている気がする。
「ま~たまた、そういうこと言っちゃって!お前のとこの下女の行動はこっちに筒抜けなんだぞ?」
確かに、白鷹宮の女官、下女は諸事情により丞相である庭によって管理されている。もちろん浩宇が自分の屋敷から連れてきた者もいるにはいるが、それは少数の女官のみで人数の多い下女に関しては全くの無法地帯と言ってもいいだろう。仕方のないこととはいえ、こういう使われかたをされるのは慣れてはいるが、腹立たしかった。
「いい加減、私のプライベートを探るのは止めろ。人として最低限のマナーがなっていないぞ」
扇をパタパタとさせ、涼しそうな表情で申告を無視する。自分に不利なことは聞こえないフリをするのは小さな頃から変わらない。
「ほぉ、そういうこととは無縁そうな雷卿に愛しい人ができたか………。なかなか興味深いな。なぁ、博文?」
皇帝は楽しそうに肘をつき寛ぎ、此方を眺めていた。
「ええ、陛下。漸く雷卿にもその固い表情を動かす相手ができて、嬉しく思います。これを機に是非女性の素晴らしさについて知ってほしいです。かくいう私も昨日、綺麗な華と戯れ、癒されてきたところですし」
「お前はただの変態野郎だろ。雷卿を一緒にするんじゃねぇ」
笑顔で昨日の房事について語る博文に怒鳴るように顔を赤くした天佑が言う。誰がどう見てもそちらのことに馴れていない人だと分かる初々しさだ。
天佑と博文の絡みはいつものことなので早々に二人を外して会話を続けてた。
「まあなんにせよ、余は雷卿が所帯を持つならば嬉しく思うぞ。貴殿には世話になっているしな」
「………陛下がご結婚を決めあぐねる内は臣も挙げませんよ」
「そうですよ陛下。早く結婚してください、そしてお子を」
「ぐっ、今はそんな話じゃなかっただろ。とういうかこういうときばかり結託するのはやめてくれないか」
しばらくの内に午前の鐘が鳴り、他のメンバーも集まってくる。それまで言い争っていた二人も静かに席につくのであった。
その頃、白鷹宮のとある一室では料理を前に箸と格闘している少女の姿があったそうな。
「おお、雷卿。早かったな」
「国王陛下におかれましては、本日もご機嫌麗しゅうようで何よりでございます」
この若々しさを感じる只ならない雰囲気を発している青年は、明国第十五代の皇帝、明 景宗(メイ ケイシュウ)である。そして、その他の二人は彼の直属の側近たち。竜胆色を纏う三白眼の筋肉質な彼が第一部、行政を司る部の少博、夏 天佑(カ テェンヨウ)。同じく深い紅の衣を纏う三十過ぎの大人びた美貌を持つ青年は、第三部、軍事を司る部の少師、唐 博文(トウ ハクブン)という。
夏少博はいつでもピリピリと神経質そうにしているし、唐少師は麗しい美貌と一度目が合えばどのようなおなごでも妊娠させてしまうと噂の流し目で、老若男女の相手を魅惑してしまうため浩宇的に、この中で一番話しかけやすいのは国王だったりする。
四人で景宗帝を通して話をしていると、とばりが開き見慣れた人物がやって来た。浩宇の従兄、周 庭(シュウ テイ)、この国の宰相である。
「周丞相。今日は珍しく早かったな」
「皇帝のいと高きところに在らせられますを有り難く思います。………今日は我が乳兄弟、雷公に話がありまして」
周丞相はにやにやと顔を歪めてとても面白そうにしている。浩宇は仮面のしたで眉を八の字にした。
「浩宇~。昨日はお楽しみだったのか~?お前にも遂にいい女が出来て私は嬉しいぞ~!」
やはりか、と浩宇はため息を吐きそうになった。相変わらずこの従兄殿の情報網には驚かされ、困らされる。
「違う、少し拾い物をしたのだ。………小さな子犬をな」
今朝の少女は青ざめながらもその翡翠の瞳を揺らすことはなかった。真っ直ぐとこちらを見てくるものだから子猫というより子犬の方が似合っている気がする。
「ま~たまた、そういうこと言っちゃって!お前のとこの下女の行動はこっちに筒抜けなんだぞ?」
確かに、白鷹宮の女官、下女は諸事情により丞相である庭によって管理されている。もちろん浩宇が自分の屋敷から連れてきた者もいるにはいるが、それは少数の女官のみで人数の多い下女に関しては全くの無法地帯と言ってもいいだろう。仕方のないこととはいえ、こういう使われかたをされるのは慣れてはいるが、腹立たしかった。
「いい加減、私のプライベートを探るのは止めろ。人として最低限のマナーがなっていないぞ」
扇をパタパタとさせ、涼しそうな表情で申告を無視する。自分に不利なことは聞こえないフリをするのは小さな頃から変わらない。
「ほぉ、そういうこととは無縁そうな雷卿に愛しい人ができたか………。なかなか興味深いな。なぁ、博文?」
皇帝は楽しそうに肘をつき寛ぎ、此方を眺めていた。
「ええ、陛下。漸く雷卿にもその固い表情を動かす相手ができて、嬉しく思います。これを機に是非女性の素晴らしさについて知ってほしいです。かくいう私も昨日、綺麗な華と戯れ、癒されてきたところですし」
「お前はただの変態野郎だろ。雷卿を一緒にするんじゃねぇ」
笑顔で昨日の房事について語る博文に怒鳴るように顔を赤くした天佑が言う。誰がどう見てもそちらのことに馴れていない人だと分かる初々しさだ。
天佑と博文の絡みはいつものことなので早々に二人を外して会話を続けてた。
「まあなんにせよ、余は雷卿が所帯を持つならば嬉しく思うぞ。貴殿には世話になっているしな」
「………陛下がご結婚を決めあぐねる内は臣も挙げませんよ」
「そうですよ陛下。早く結婚してください、そしてお子を」
「ぐっ、今はそんな話じゃなかっただろ。とういうかこういうときばかり結託するのはやめてくれないか」
しばらくの内に午前の鐘が鳴り、他のメンバーも集まってくる。それまで言い争っていた二人も静かに席につくのであった。
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