10 / 14
美男と野獣
港町セキア
しおりを挟む
ガタガターースッ。
木箱が軋むような音を最後に、馬車の揺れがぴたりと止まった。
「……?」
一瞬の静寂。
どうやら、セキア港に着いたらしい。
「つきましたよ」
リエルが外へ降り、帆布越しに二人へ声をかける。
「うーん……。いつの間にか眠っていたのか……」
ムトは重たいまぶたをこすりながら、体を起こす。
馬車の中にこもっていた乾いた木の匂いが、外気に押し流されていく。
ゆっくりと地面に足を下ろした、その瞬間――
ズボッ。
足裏が、思っていた感触とまるで違った。
固い地面ではない。柔らかく、湿り気を含んだ何かに、足首まで引き込まれる。
「うわぁ」
情けない声が、反射的に口からこぼれた。
体が前のめりになり、視界がぐらりと傾く。
「もうっ、大丈夫ですか。しっかりしてください」
すぐ横から、少し呆れた声。
差し出されたアミの手を、ムトは慌ててつかむ。
「うんしょ……ありがとう」
引き上げられた拍子に、腰のあたりで砂がずり落ちる感触がした。
立ち上がった直後、今度は別の違和感が襲ってくる。
――なんだこれ。
ズボンの内側が、妙にむずむずする。
歩くたびに、細かい粒が擦れ合う感触が伝わってくる。
「なんか……むずむずする」
そう呟きながら、ムトが恐る恐るズボンをまさぐると、
ザアア…
服の隙間から、信じられない量の砂が一気にこぼれ落ちた。
乾いた音を立てて、足元に小さな山ができる。
ムトはその光景を見下ろし、しばらく言葉を失った。
「……俺の体が、砂になっちまった……」
「本当に何を言っているんですか。さっき転んだからでしょう」
アミは溜め息混じりに言い、
自分の服についた砂を、ぱっぱっと手早く払う。
「ほら、さっさとしてください。みっともないですよ」
言われて我に返り、ムトも慌てて砂を落とす。
一通り落ち着いたあと、改めて周囲を見渡した。
鼻をくすぐる、潮の香り。
湿った風が肌にまとわりつく。
――当たり前だ。ここは港だ。海辺なのだから。
頭上では、鴎が甲高い声を上げて旋回している。
どこかで木箱がぶつかる音、鉄製の鎖が引きずられる音。
木と鉄と、魚の匂いが混じり合った、港特有の空気。
それらすべてが、町の中でしか生きてこなかったムトには、やけに鮮烈だった。
足元で砂利が鳴る――ジャリ、ジャリーー。
一歩踏み出すたび、地面が逃げていく感覚。
「噂には聞いてたけど……砂の上って、ほんとに歩きづらいんだな」
ムトはそうぼやきながら、もう一度足元を確かめるように歩き出した。
ムトたち一行は、仰々しい石造りの門をくぐり、セキア港の中へと足を踏み入れた。
「……おお……」
港、と聞いて――世間知らずのムトが思い浮かべていたのは、
せいぜい大きめの倉庫と、その脇にぽつんと停まった船くらいだった。
だが、現実はまるで違う。
ここは「港」というより、完全に港町だった。
人の波が絶えず行き交い、呼び声や笑い声がそこかしこから飛んでくる。
道沿いの店先には、今しがた水揚げされたばかりの魚がずらりと並び、
その生々しい匂いが、遠慮なくムトの鼻腔に刻み込まれる。
「うっ……」
思わず息を詰める。
かつて砂浜だった地面は、木板や石でしっかりと整備され、
人が行き交うための道が縦横に張り巡らされている。
足元は、もはや沈まない。
「……ようやく、俺のホームグラウンドが来たな」
ムトは胸を張った。
「整地された道なら、もう俺は無様をさらさない!」
「ふつうは、誰もさらしませんよ」
即座に、右から冷静な声。
「彼は何を言っているんだい」
間髪入れず、左から素朴な疑問。
二方向から飛んできた言葉に、ムトは一瞬きょとんとし――
「ひどくね!?」
結局、ボケの上塗りに、ムト自身が突っ込みを入れる羽目になり、
港の喧騒に紛れて小さな悲鳴を上げた。
それでも三人は、流れる人の波に押されるように、しばらく歩き続ける。
やがて、ひときわ目を引く大きな建造物が見えてきた。
下部は家屋のように横へ広がり、
そこから塔のような構造が、空へ向かって真っすぐに伸びている。
「あれが、この港の大灯台だね」
リエルが指をさす。
「あの下の部分に、船に乗るための受付があるはずだよ」
一行は灯台の一階、受付フロアへと足を踏み入れた。
先ほどまでの港町の喧騒とは打って変わり、
内部はひどく機械的で、どこか無機質な空気に満ちている。
入口の扉は近づくだけで音もなく開き、
中には“動く階段”なるものまで設置されていた。
その光景に、さすがのムトも、あっけにとられて言葉を失う。
「こんにちは。本日は、どのようなご用件でしょうか」
受付の女性が、よどみのない声で問いかけてくる。
さすがは港の大灯台勤務、その振る舞いには、どこかプロとしての威厳が感じられた。
「メルカトリア大陸、マキナ港までの便を取りたいのですが……」
アミは慣れた様子で、そう答える。
だが――
「申し訳ございません」
返ってきたのは、予想外の言葉だった。
「現在、マキナ港への便は停止しております」
「え……? どうしてですか?」
アミが聞き返す。
その声音には、わずかな焦りが混じり始めていた。
「今の時期、海が荒れておりまして、マキナ港までの定期便はすべて停止しております。
唯一、この荒波を越えられる技量を持ち、特別便を出せる船長も、現在行方不明となっておりまして……」
その言葉を聞いた瞬間、
アミの顔から、すっと血の気が引いていった。
「……行方不明、ですか」
アミの声は、さっきまでの落ち着きを失っていた。
わずかに震え、言葉の端が引っかかる。
「その……船長の方のお名前を、伺っても?」
受付の女性は、一瞬だけ端末に視線を落とす。
「はい。マキナ港行き定期船《オルド=ギア》号。
船長は――レイフ・オルカです」
その名が告げられた瞬間、
アミの肩が、ぴくりと跳ねた。
「……やっぱり」
絞り出すような声。
受付の女性が、申し訳なさそうに言葉を添えた。
「失踪したのは、1か月ほど前です。おそらくもう……」
「……船は?」
「係留されたままとなっています」
「ほかに、何か手がかりはありませんか?」
アミが問いかける。
その視線は、穏やかとは言えなかった。
彼女は少し悩むそぶりを見せたのち、ムトの方を向く。
――彼が、もしかすると“英雄”ではないかと、どこかで気づいたのだろう。
言葉を選ぶように、静かに続ける。
「……彼は、“ルーンベリーの森に用がある”
とだけ書き残して、姿を消しました。
私が知っているのは、それだけです。」
「なるほど、ありがとうございました。」
一行は灯台を出た。
その空気は入る前とは打って変わり、とてつもなく重くなっていた。
「……知り合いなのか?」
ムトがそう尋ねると、
アミはすぐには答えなかった。
唇を噛みしめ、視線を床へ落とす。
指先が、無意識に袖を強く握り締めている。
「……昔、何度か」
ようやく口を開いた声は、ひどく低かった。
「メルカトリア大陸へ渡るとき、
いつも、あの人の船に乗っていたんです」
「じゃあ、ただの船長じゃないんだね」
リエルが、静かに言う。
その声に、アミはわずかに首を振った。
「……あの人は」
一度、息を吸う。
「約束を破らない人、でした」
短い言葉だったが、そこには重みがあった。
「どんな嵐の日でも、
『必ず着く』と言った航路を、外したことがない」
それは、腕のいい船長の話であると同時に、
“そういう人間だった”ということを断言しているようにも聞こえた。
「そんな人が……行方不明になるなんて」
アミの声は、かすれている。
「ルーンベリーの森……」
アミが小さく繰り返し、考え込む。
その横で――
リエルが、わずかに眉をひそめた。
「私たちが、最初に出会った森のことだよ」
突然、リエルが口を開く。
「あそこには伝承があってね。
人の記憶を食らうオオカミが、棲んでいるって話だ」
それを聞き、一瞬、空気が冷える。
「それこそ――その人を人たらしめている“存在”ごと、ね」
木箱が軋むような音を最後に、馬車の揺れがぴたりと止まった。
「……?」
一瞬の静寂。
どうやら、セキア港に着いたらしい。
「つきましたよ」
リエルが外へ降り、帆布越しに二人へ声をかける。
「うーん……。いつの間にか眠っていたのか……」
ムトは重たいまぶたをこすりながら、体を起こす。
馬車の中にこもっていた乾いた木の匂いが、外気に押し流されていく。
ゆっくりと地面に足を下ろした、その瞬間――
ズボッ。
足裏が、思っていた感触とまるで違った。
固い地面ではない。柔らかく、湿り気を含んだ何かに、足首まで引き込まれる。
「うわぁ」
情けない声が、反射的に口からこぼれた。
体が前のめりになり、視界がぐらりと傾く。
「もうっ、大丈夫ですか。しっかりしてください」
すぐ横から、少し呆れた声。
差し出されたアミの手を、ムトは慌ててつかむ。
「うんしょ……ありがとう」
引き上げられた拍子に、腰のあたりで砂がずり落ちる感触がした。
立ち上がった直後、今度は別の違和感が襲ってくる。
――なんだこれ。
ズボンの内側が、妙にむずむずする。
歩くたびに、細かい粒が擦れ合う感触が伝わってくる。
「なんか……むずむずする」
そう呟きながら、ムトが恐る恐るズボンをまさぐると、
ザアア…
服の隙間から、信じられない量の砂が一気にこぼれ落ちた。
乾いた音を立てて、足元に小さな山ができる。
ムトはその光景を見下ろし、しばらく言葉を失った。
「……俺の体が、砂になっちまった……」
「本当に何を言っているんですか。さっき転んだからでしょう」
アミは溜め息混じりに言い、
自分の服についた砂を、ぱっぱっと手早く払う。
「ほら、さっさとしてください。みっともないですよ」
言われて我に返り、ムトも慌てて砂を落とす。
一通り落ち着いたあと、改めて周囲を見渡した。
鼻をくすぐる、潮の香り。
湿った風が肌にまとわりつく。
――当たり前だ。ここは港だ。海辺なのだから。
頭上では、鴎が甲高い声を上げて旋回している。
どこかで木箱がぶつかる音、鉄製の鎖が引きずられる音。
木と鉄と、魚の匂いが混じり合った、港特有の空気。
それらすべてが、町の中でしか生きてこなかったムトには、やけに鮮烈だった。
足元で砂利が鳴る――ジャリ、ジャリーー。
一歩踏み出すたび、地面が逃げていく感覚。
「噂には聞いてたけど……砂の上って、ほんとに歩きづらいんだな」
ムトはそうぼやきながら、もう一度足元を確かめるように歩き出した。
ムトたち一行は、仰々しい石造りの門をくぐり、セキア港の中へと足を踏み入れた。
「……おお……」
港、と聞いて――世間知らずのムトが思い浮かべていたのは、
せいぜい大きめの倉庫と、その脇にぽつんと停まった船くらいだった。
だが、現実はまるで違う。
ここは「港」というより、完全に港町だった。
人の波が絶えず行き交い、呼び声や笑い声がそこかしこから飛んでくる。
道沿いの店先には、今しがた水揚げされたばかりの魚がずらりと並び、
その生々しい匂いが、遠慮なくムトの鼻腔に刻み込まれる。
「うっ……」
思わず息を詰める。
かつて砂浜だった地面は、木板や石でしっかりと整備され、
人が行き交うための道が縦横に張り巡らされている。
足元は、もはや沈まない。
「……ようやく、俺のホームグラウンドが来たな」
ムトは胸を張った。
「整地された道なら、もう俺は無様をさらさない!」
「ふつうは、誰もさらしませんよ」
即座に、右から冷静な声。
「彼は何を言っているんだい」
間髪入れず、左から素朴な疑問。
二方向から飛んできた言葉に、ムトは一瞬きょとんとし――
「ひどくね!?」
結局、ボケの上塗りに、ムト自身が突っ込みを入れる羽目になり、
港の喧騒に紛れて小さな悲鳴を上げた。
それでも三人は、流れる人の波に押されるように、しばらく歩き続ける。
やがて、ひときわ目を引く大きな建造物が見えてきた。
下部は家屋のように横へ広がり、
そこから塔のような構造が、空へ向かって真っすぐに伸びている。
「あれが、この港の大灯台だね」
リエルが指をさす。
「あの下の部分に、船に乗るための受付があるはずだよ」
一行は灯台の一階、受付フロアへと足を踏み入れた。
先ほどまでの港町の喧騒とは打って変わり、
内部はひどく機械的で、どこか無機質な空気に満ちている。
入口の扉は近づくだけで音もなく開き、
中には“動く階段”なるものまで設置されていた。
その光景に、さすがのムトも、あっけにとられて言葉を失う。
「こんにちは。本日は、どのようなご用件でしょうか」
受付の女性が、よどみのない声で問いかけてくる。
さすがは港の大灯台勤務、その振る舞いには、どこかプロとしての威厳が感じられた。
「メルカトリア大陸、マキナ港までの便を取りたいのですが……」
アミは慣れた様子で、そう答える。
だが――
「申し訳ございません」
返ってきたのは、予想外の言葉だった。
「現在、マキナ港への便は停止しております」
「え……? どうしてですか?」
アミが聞き返す。
その声音には、わずかな焦りが混じり始めていた。
「今の時期、海が荒れておりまして、マキナ港までの定期便はすべて停止しております。
唯一、この荒波を越えられる技量を持ち、特別便を出せる船長も、現在行方不明となっておりまして……」
その言葉を聞いた瞬間、
アミの顔から、すっと血の気が引いていった。
「……行方不明、ですか」
アミの声は、さっきまでの落ち着きを失っていた。
わずかに震え、言葉の端が引っかかる。
「その……船長の方のお名前を、伺っても?」
受付の女性は、一瞬だけ端末に視線を落とす。
「はい。マキナ港行き定期船《オルド=ギア》号。
船長は――レイフ・オルカです」
その名が告げられた瞬間、
アミの肩が、ぴくりと跳ねた。
「……やっぱり」
絞り出すような声。
受付の女性が、申し訳なさそうに言葉を添えた。
「失踪したのは、1か月ほど前です。おそらくもう……」
「……船は?」
「係留されたままとなっています」
「ほかに、何か手がかりはありませんか?」
アミが問いかける。
その視線は、穏やかとは言えなかった。
彼女は少し悩むそぶりを見せたのち、ムトの方を向く。
――彼が、もしかすると“英雄”ではないかと、どこかで気づいたのだろう。
言葉を選ぶように、静かに続ける。
「……彼は、“ルーンベリーの森に用がある”
とだけ書き残して、姿を消しました。
私が知っているのは、それだけです。」
「なるほど、ありがとうございました。」
一行は灯台を出た。
その空気は入る前とは打って変わり、とてつもなく重くなっていた。
「……知り合いなのか?」
ムトがそう尋ねると、
アミはすぐには答えなかった。
唇を噛みしめ、視線を床へ落とす。
指先が、無意識に袖を強く握り締めている。
「……昔、何度か」
ようやく口を開いた声は、ひどく低かった。
「メルカトリア大陸へ渡るとき、
いつも、あの人の船に乗っていたんです」
「じゃあ、ただの船長じゃないんだね」
リエルが、静かに言う。
その声に、アミはわずかに首を振った。
「……あの人は」
一度、息を吸う。
「約束を破らない人、でした」
短い言葉だったが、そこには重みがあった。
「どんな嵐の日でも、
『必ず着く』と言った航路を、外したことがない」
それは、腕のいい船長の話であると同時に、
“そういう人間だった”ということを断言しているようにも聞こえた。
「そんな人が……行方不明になるなんて」
アミの声は、かすれている。
「ルーンベリーの森……」
アミが小さく繰り返し、考え込む。
その横で――
リエルが、わずかに眉をひそめた。
「私たちが、最初に出会った森のことだよ」
突然、リエルが口を開く。
「あそこには伝承があってね。
人の記憶を食らうオオカミが、棲んでいるって話だ」
それを聞き、一瞬、空気が冷える。
「それこそ――その人を人たらしめている“存在”ごと、ね」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?
無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。
どっちが稼げるのだろう?
いろんな方の想いがあるのかと・・・。
2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。
あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】
・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー!
十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。
そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。
その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。
さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。
柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。
しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。
人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。
そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる