【完結】婚約破棄された公爵令嬢 アンジェリカ様

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「そうだな
分はこちらにあるだろうな
考えてごらん
塩はうちが握っている
アンナ嬢の公爵家は

エリーゼ嬢の侯爵家は
技術
ソフィア嬢の伯爵家は
官僚
そしてこの国の武力は
うちとアンナ嬢の両公爵家が
ダントツ強い
独立しても
やれるだろう
するかどうかは まだわからんがな」

「お父様の言われる通りですわね
申し訳ありません
王太子様をキチンと導くことが
出来なかったばっかりに 
このような事になってしまって」

「アンジェリカ
そんな事を考えているのかい?
アンジェリカのせいじゃない
なるべくしてなったのだよ
早いか遅いかのどっちかだ
早く分かって良かったじゃないか
臣下の中でも 
王太子に相応しくないという声はあった
それが 明るみに出て
 皆も考える機会になった
良かったのだよ」

「お父様……」

「さぁ もう我が家につく
慣れした親しんだ家だが
暫く留守にするか……または……
とにかく
荷造りをして 早朝に……
いや
夜の闇に紛れて出るか
では 少し仮眠しておきなさい」

「はい 分かりましたわ
お手紙を書いて 少し眠ります」

「そうだね」


そして 馬車を降り
自分の部屋へ

「荷造りは 任せても良いかしら マリア」

「はい 空にとのことでしたが
馬車3台位の荷物になりますので
大事なものだけに いたしましょう」

「えぇ それでいいわよ
手紙を書き終えたら 頼むわね」

「畏まりました お届けいたしますわ
ご安心くださいませ」

「ありがとう」

マリアは 隣の部屋にいき
荷造りを始めた


屋敷中が 慌ただしく
ただ 外には 王家の見張りもいることなので
 動きが読まれないように
静かに急いで 準備を行っている

こんな事になって申し訳ないと思うが
自分自身は お妃教育と実務から
解放されて 肩の荷がおりたのだ
10年ぶりに

「仮眠だけど ぐっすり眠れそう ふふふ」

そして………
やはり ぐっすり眠れた





「お嬢様 お嬢様」
お嬢様って 呼ばれてる?
夢よね…………
スヤスヤ

「お嬢様 アンジェリカお嬢様」

は!

ガバッと 令嬢らしくない
そもそも 令嬢らしいおきかたが 分からないけれど 起きた!

「お嬢様 起きられました?」

「ああ マリア ホントに熟睡していたわ
起こしてくれてありがとう
ふぅ まだドキドキするわ」


「大丈夫ですか?
今までのお疲れが出たんですね
ご夕飯も 取られないで 
おねむりしておりました
旦那様が 起こさないで良いと言われたので
起こさなかったのですけれども
まだ ねむいでしょうが
出発の時間が 近くなりました
準備なさいませんと」

「そう そんなに眠っていたのね
出発が近いのね
さぁ 着替えましょう」

「はい こちらに準備しておりますわ」

着替えを済ませて
下に降りていくと
お父様とジアンお兄様がいらっしゃった

「おはようございます?
お父様 お兄様」

「ああ アンジェリカ 起きたかい?
眠かっただろうね」

「アンジェリカ
おはよう ふふ
 おいで」
ジアンお兄様に手を差しのべられて
おはようの?チュ!

「解放されて気が緩んだのでしょうか
眠っておりました
皆さんが 準備をされているのに
申し訳ありません
お父様達は 睡眠はとれましたの?」

「ああ 大丈夫だよ
ちゃんと寝たから
軽く食事をとりながら 説明しよう」

「はい」




食堂で食べるのも これが 最後かもしれないわ
そう思いながら
軽くつまめる 
サンドイッチをいただきながら

「これを食べたら出発になる
この屋敷の使用人は
領地に向かうもの
取り敢えず 王都に留まるものに分かれる
領地に向かうものには
我々とは別に行くようにする
路銀は たっぷり渡してるよ
慌てて行く必要がないからね
この屋敷には 留まる者はいない
王都に留まり 
他の主人を探すものも出るだろうから
推薦状を渡して支度金を渡すようにしている
どちらにせよ
朝迄には 屋敷は空にする
家具はそのままにしておくよ

大事なものだけ 運び出して馬車に積んである

二人とも荷物は作ったかい?」

「ええ 僕とバイス兄さんの分は
余りないですから 直ぐに作れましたよ
アンジェリカは 結構あったんじゃないか?」

「マリアが作ってくれましたが
お母様の形見の物とお友達から
貰ったもの位でしょうか」

「そうか 
馬車には アンジェリカ マリア
他の使用人に乗ってもらう
馬に乗れるものは 馬で行くことにする
出発は 30分後に
いいかい?」

「「はい!」」

軽食の後に 自分の部屋へ行くと
マリアが最後の?お掃除をしていた

「マリア 何してるの!
着替えて 準備しないと」

「大丈夫です
着替えるのなんて 直ぐですし
荷物もあまりありませんし
それより お世話になったこの部屋
お掃除してあげないと…」

「マリア」
そっと抱きしめ
「優しいマリアが大好き」

「お嬢様ったら」

二人で少し ここを離れる余韻に浸りながら
出発までの時間を過ごした


コンコン
「入って」


「お嬢様 出発になります」

「そう ありがとう
マリアいきましょうか」

「はい お嬢様」


馬車に乗り込み
16年住んだ 屋敷を後にした
















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