【完結】呪いのせいで無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになりました。

里海慧

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48話 ライオネル様が容赦ありませんわ!!①


「殿下」
「うっ……なんだ、ライオネル」

 ライル様の追及は終わらない。今度は王太子殿下に視線を向けた。

「頼んでいたものは用意できてますか?」
「ああ、もちろんだ。ローザ、テオフィル、もうよい。こちらへ」
「「御意」」

 マリアン様の取り巻きだったローザ様とテオフィル様が、王太子殿下のもとで跪く。それを見たマリアン様はこれでもかと両目を見開いていた。ゆるゆると首を振り真っ青な顔で震えている。

「マリアン、お前はやり過ぎた。これ以上は私が許さない。覚悟はいいな?」
「……っ! ~~っ!」
「ああ、口を塞いだままだった」

 ライオネル様がパチンと指を鳴らすとマリアン様にかかった魔法が解けて、自由になったそばからわめき散らした。

「お、お兄様! 違うの! 私はただ、みなさんのためにやったことなのよ!!」
「言い訳は不要だ。ローザ、映像水晶を」

 王太子殿下の指示でローザ様が手にしていた水晶に魔力を込めると、なにもない空間に映像が流れ始めた。
 映像にはドリカさんが映っていて、キラキラとした瞳でマリアン様を見つめている。

『いい? 思いっきり憎い相手を思い浮かべて魔力を流すのよ。そうしたらこの古代の魔道具が貴女の望みを叶えてくれるわ』
『それでは、思い浮かべる相手は、ハーミリアですね!』
『今日はタイミングが悪いから、明日の朝にしてほしいの』
『はい、承知しました!』
『そうね、明日の朝に生徒会室の鍵を開けておくから、そこで試すといいわ』
『はい、任せてください! 必ず成功させてみせます!』

 あれはマリアン様が仕向けたことだったの……確かにやり過ぎですわね!
 お陰さまでライル様と相思相愛だと知ることができましたけど!

 次に流れてきたのは、生徒会室の映像だった。この流れだと、あの日マリアン様が相談があると言ってライル様を連れていった後のようだ。

『これは?』
『王家が所有する禁断の魔道具ですわ。ある装置につけると魔物を呼び寄せる効果がありますの。石の大きさによって呼び寄せる魔物の強さも変わるものですわ』
『うっかり落としてきてしまうかもしれませんわね。例えば、東の川の向こう側とか』
『だが、そんなことをすれば多くの民に被害が出てしまいます』
『ライオネル様が私の婚約者になれば、民に被害が出ることはございませんわ』

 こんなことがあったなんて……東の川の向こうって、マルグレンの領地ではないの! ライル様はわたくしの実家の領地まで守ってくださったのね。本当に愛しさが止まりませんわ!

  その他にもと、ローザ様とテオフィル様から次々とマリアン様の悪事の証拠が明らかにされていった。

「ちょっと! もうやめて!! お父様、お兄様を止めてくださいませ!」
「マリアン……それは無理だ」
「どうしてですの!?」
「これ以上ライオネル様に逆らえば、この国は滅びる」
「そんなの大袈裟ですわっ!」

 マリアン様がどんなに叫んでも泣き喚いても、もう手を差し伸べる者はいなかった。
 静かに王太子殿下が諭すように言葉を続けた。

「マリアン、マジックエンペラーを敵に回すということは魔法連盟を敵にするということだ。世界中のトップクラスの魔道士たちを敵にして生き残る道はない」
「嘘よ……嘘……こんな……」

 マリアン様は真っ青な顔で床に座り込んだまま、項垂れている。そんな彼女に王太子殿下が最後の沙汰を言い渡した。



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