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今日は桃子の卒業式だ。
お祝いの花束と、二人ぶんの旅行鞄を車に載せて、農業大学の卒業式会場まで迎えに行った。
桃子はきれいに化粧して、シックなスーツを着こなし、すっかり大人の女性である。
花束を手に、彼女は嬉しそうに笑い、そしてはにかむ。
大人になっても相変わらずの仕草に僕は心を和ませ、誰が見ているのも構わず抱き寄せていた。
「今から旅行……って?」
帰り道とは別の方向へ車を走らせる僕に、きょとんとした顔で訊く。内緒にしていたのだから無理もない。
「いわゆる卒業旅行かな。おじさん達にも了解をもらってるよ」
おじさん達というのは、桃子の両親だ。
親同士の仲が良いとはいえ、嫁入り前の娘を勝手に外泊させるわけにはいかない。そう、いくら僕のところに嫁に来るといってもだ。
桃子は目を潤ませて、これまで忙しさにかまけ、ろくにデートもしてやれなかった僕を見上げた。
「卒業おめでとう、桃子」
「ありがとう……嬉しい、透さん!」
これは君へのおくりもの。
だけど、半分は自分のため。
なぜなら、僕も卒業したいから――
お祝いの花束と、二人ぶんの旅行鞄を車に載せて、農業大学の卒業式会場まで迎えに行った。
桃子はきれいに化粧して、シックなスーツを着こなし、すっかり大人の女性である。
花束を手に、彼女は嬉しそうに笑い、そしてはにかむ。
大人になっても相変わらずの仕草に僕は心を和ませ、誰が見ているのも構わず抱き寄せていた。
「今から旅行……って?」
帰り道とは別の方向へ車を走らせる僕に、きょとんとした顔で訊く。内緒にしていたのだから無理もない。
「いわゆる卒業旅行かな。おじさん達にも了解をもらってるよ」
おじさん達というのは、桃子の両親だ。
親同士の仲が良いとはいえ、嫁入り前の娘を勝手に外泊させるわけにはいかない。そう、いくら僕のところに嫁に来るといってもだ。
桃子は目を潤ませて、これまで忙しさにかまけ、ろくにデートもしてやれなかった僕を見上げた。
「卒業おめでとう、桃子」
「ありがとう……嬉しい、透さん!」
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