お前のこと、猫ちゃんて呼んだろか!!

ぽんぽこ狸

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社交 その3

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 来客用の部屋なので、私のメイド達と城の使用人が軽くお茶の準備をしてくれる。
 ソファにかけると、挨拶もそこそこにノーラが切り出した。
 
「ロイネ様、どうか、アンジュの事を許してあげて欲しいのです」
 
 社交用のおっとりとした優しい笑みから、ノーラは表情を曇らせて言った。
 しっぽを下げて、不安げに視線を落とす。
 
 アンジュを……許す?どういう事だろう、音信不通になってしまった事だろうか。
 というかやはり、ノーラはアンジュのことを何か知っているらしい。
 
「ゆ、許すも何も、怒っていません。私、アンジュの様子だけでも知りたくて、ノーラとこうしてお話する機会が出来て、本当に安心しているんだけど……」
「……?ノーラは、アンジュから、打診されたのです、ロイネ様にアンジュの気持ちを伝えて欲しいって」
「気持ち?」
「はい、アンジュは……ロイネ姫様がだいすきと」
「直球……ですね」
「本当はもっと、長かったのですけど、結論はそれですから、いいの」
 
 アンジュと会った時の事を思い出したのか、ノーラは遠い目をして、はぁ、とため息をついた。
 私はその反応を見て、何となく、感情が昂って早口にまくし立てるアンジュが想像できた。
 
「しかし……変ですね、私、何回もお城に招待しているんです、どうして、返答が無いのかわかりますか?」
 
 基本的には、私から誘うと言ってあるし、そもそも、彼女の側から、一応、身分が上の私に誘いをかけるのは、気心の知れた仲でなければ、喜ばれるものではない。
 だから、ちゃんと誘っていたのだけど……?
 
 ノーラも首を傾げて、クエスチョンマークを浮かべる。
 
「いいえ、でも、アンジュは、共に孤児院に行った日から、一切音沙汰ななくて、酷く気持ちを乱してました」
「え、ほ、本当?」
「本当です!あの子、いつも困った時の話し相手にノーラとカミーユを呼ぶから、大変なの」
「それは、うん……大変そう」
 
 昔から、アンジュは主張強めの性格をしているらしい、うんざりということがヒシヒシと伝わってきた。
 
 私の手紙が届いていない?……そんなはずないと思うんだけど、やはり家族が関与している可能性を考える必要があるのだろう。
 そう言えば、すぐに話が聞けそうな、アンジュの家族が一人居た。ルカの付き人のエクトルだ。
 ただ、私は彼が苦手だ。……彼に接触するか、お義母さまに頼るかの二択だろう。
 
 うぅ、お義母さまには、一度、助力を断っている、何とか自分の力で解決したいが……エクトルか、怖そうなイメージがあって、近寄り難い。
 
 いや、背に腹は代えられないだろう、まず、ルカに話を通して、その後かな。
 
 あまり気の進まない仕事ができてしまって、気を紛らわせてお茶を飲む。
 
 まぁ、案外話してみると、悪い人じゃないかもしれないよ……頑張ろう。
 
 自分を慰めつつ、方向性を決めると、あとはノーラと二人きりの時間だ、大人のお茶会は、まだ時間がかかるだろうから、リラックスして二人で話が出来るのは、助かる。
 
「……とりあえず、アンジュには、私から再度誘いをかけるので、問題ありません。言伝ありがとう、ノーラ」
「はい、ノーラもアンジュに安心するように言います、ロイネ様」
「そうしてください。……さて、ノーラ、時間はたっぷりあるのですから、お話しましょう。きっと二人きりでのお茶会は、滅多に無いと思いますから」
 
 切り替えるように、私は、笑顔を作る。やっぱり、歳が近いと言うだけで、気軽に話題も選べるし、異文化交流の為にも会話は大事だ、何から話をしようか。
 
 
 
 
 
 
 
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