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ルカの答え その2
しおりを挟む「ルカ、姉様に手紙を出していい?」
「……書ける事は、多くないんじゃない」
書いても良いのか。けれど、嫌そう。
ルカの耳が少し下がって、普段から抑揚のない声が、さらに感情を読み取りづらいものになる。
それに、ルカの言う通りだ、手紙を出すのが久しぶりすぎて何を書くのか、という事も迷うだろうし、検分されても良いようにすると、伝わりづらいものになってしまうと思う。
う、うーんでもな、今更ながら、そんなに寂しがってくれていると言うのなら、私はちゃんと姉様のことが、す、好きというか、嫌いじゃないと言うか。そういう物を伝えたい。
私が、悩んでいると、ルカが言った。
「君に、……その気があるなら、贈ってあげれば、いい……と思う」
「……ん?」
歯切れの悪い言葉に、私は首を傾げた。
するとルカは、少し不満そうにへの字に口を曲げて、答える。
「俺から、クルスに贈り物って事にすれば、クリスティナ女王だって、君の魔力に気がつくでしょ」
「??」
「だから……刺繍。それなら、好きに送っていい」
なるほど!妙案だ!というか、なぜ私は、思いを伝えたいと思っていながら、その手段が思い浮かば無かったのか謎なぐらいだ。
言葉にしなくとも、伝えられる事はある。
何だかんだ言って、優しいのがルカのいいところだ。
「ありがと!ルカ、私、頑張って作るよ」
「うん」
私が早速手紙を封筒に戻して、思い立ったら即行動、ということで、ソファーから立ち上がろうとすると、ルカは私の手から手紙をとる。
それから、私の肩に手を置いて立たせてくれない。
「……?」
「今日じゃなくてもいいでしょ。手紙の話は終わり、あとは、俺との時間だと思うんだけど」
「……う、うん」
そりゃ確かに、たまの休みであるし、二人で過ごす時間だって、私は大好きだが、特に何をするのでも無いのだ。
私は、タリスビアの娯楽が一緒に楽しめない。
……一緒に居てつまらないと思われるより、なにかしていたいと思ってたんだけど……。
手仕事でも手紙でも、何かしら話題の種があったらいいのかななんて。
思って……ね?
ルカに押さえられて、改めてソファーに座り直す。
私は今まで彼と一緒に居て、話題に困るような事はあまり無かった。それは、少し前まで私は、ルカにどう思われてもいいと思っていたからで、自分のペースで話題を決めたり、黙っていたりした。
でも、嫌われたくないなと色々、試行錯誤している中での二人きりというのは、少しだけ、難しい。
共通の話題と言えば、修道院とか孤児院とか結婚式とか!どれも仕事だ!
せっかくの休みだと言うのに、そんな事ばかり言っていたら、一緒に居て疲れる相手だと思われてしまう。
仕方ない、ここは背に腹は変えられないので、絶対にもう知っているであろう、遊猟会の話でも!
「……獣人が、恋人どうしてだけやる事って知ってる?」
私が妙な思考を巡らせていると、ルカは立ち上がりながら、そう言う。
それから、彼の書斎の方へと入って行って、すぐに出てきた。
答えはまったくわからなかったが、ルカから話題が振られたので喜んで飛びつく。
「全然、わかんない!」
「なんでそんなに自信ありげに答えるの……まぁ、いいか」
「人間なら、キスとか、お揃いの指輪交換とか、かな」
「そうだね。…………人間の君には、分からないだろうけど、色々、意味があるんだよ」
「うん……結局なんの、話?」
私が首を傾げると、ルカはソファーの上で猫ちゃんになった。
そばには、ヘアブラシが落ちている。
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