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世界の復活 (アカイ53)
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俺は俺の死体を見ている。それはベットの上に横たわる前世の世界での俺の死体であろう。
階段から落ちて頭を打って死亡。虚無的な苦笑いをしながら俺は逝った。
そして来世の世界において願った。この世界の破滅を。俺を見捨てた世界の終わりを。愛を与えずまた愛を受け取らなかったクズみたいな世界の滅亡を。
思い出していると扉が開き誰かが入ってきた。見知らぬ誰かであるのに俺にはすぐにそれが誰かが分かった。母親であったもの。
俺を見捨てたこの世界そのものだ。
ずっと会わなかったのに分かるものだ。分からないはずがない。俺に似た……いや俺が似ているのだ。母親の顔や雰囲気が俺に。
鏡に映る自分を覗くたびに俺はあんたをたまに思い出したりもしたが、その醜く老けて人生に疲れ切っている顔に俺は嬉しさを覚えた。
不幸になったんだ。そうだ俺を捨てたものが幸せになってはならない。それだけが俺の祈りだ。お前は間違えた。俺を俺達の元から去ったのは誤りだったんだ。
逃げ出した先に幸福なんてなかった。ざまぁ見ろ。そのうえこれだ。どうだ俺が死んだぞ。どうだあんたはどう思う?
俺は俯く母親の表情を覗き込んだ。ご存じの無表情、だ。むしろ見下している。俺に対していつもそんな表情で眺めていた。
暗く冷たく無感動なその顔色。つまりはどこにも愛が、無い。
あんたはいつもそうだったな。俺と父親を軽蔑していた。一緒にいることも拒絶し、まるで俺が生まれてこなければよかったという態度でずっと接していた。
ここに来たのも義務的なものでその確認だろう。俺が死んだということの確認、そして俺の存在がなんだったのかという確認。
っで満足はしたか? 満足したのなら早く出て行け。あんたの顔なんて鏡の中以外で見たくはない。だからこの世界は滅んだほうが良かったんだ。
出てけよ……出て行け! と俺は叫ぶと、母親だったものが後ずさった。
なんで? と俺は呆然とする。なんだその反応は。声は聞こえないはずだ、なにも届かないはずなのに。俺と母親だったものはたぶん同じ表情をしている。俺にはそれがなんとなく分かった。
どうして声が、思いが、届いた? 思えば、と俺は母親に叫んだのは初めてだった。何をされても我慢していた。心を感情も何も伝えなかった。
壁と沈黙があり俺達は何も繋がっていなかった。だがここで初めて繋がった。
俺の死と憎しみによって……そうだ憎しみよ届け。あんたの心の中には俺の心の一部が入ったはずだ。
さっきの動揺が何よりの証拠で、いつの日にかそれが分かる時が来る。必ずだ、俺はそれを信じる。
俺というかけがえのない存在を蔑ろにしたことを。いつの時か再認識し自分の犯した罪を自覚し後悔するんだ。それは今でもいい最後の時でもいい、いつだっていい。
この世界があり続ける限り、その時は必ず訪れる。それだけが俺があんたに望むことの全てだ。
報いを受けろ、そう思うことで俺は報われる。
もう何も解決しなくていい、もう何も解決なんてできはしないんだ。
許しはなく救いもなく解決もなく全ては手遅れだ。全部遅いんだよ。俺とあんたの関係はもうやり直せない。
俺は死ぬ、だからあんたは生き続けその罪を全て背負い俺の憎しみと共にあれ。
ずっとあってくれ。そしていつかは気づけ、気づいてくれ。俺の死はそれで以って意味を持つんだ。
そうしたら……もう世界は滅びなくていい。ずっと……あり続けてくれ。
すると上空に光の輪が現れ俺は今度は抗わずにその輝きに包まれていった……
闇のなかで俺の感覚はシノブの腕から始まった。
それからシノブの体温とその匂いと共に世界の光に包まれているのを感じつつ、俺は自分がここに帰ってきたことを、復活したことが分かった。
階段から落ちて頭を打って死亡。虚無的な苦笑いをしながら俺は逝った。
そして来世の世界において願った。この世界の破滅を。俺を見捨てた世界の終わりを。愛を与えずまた愛を受け取らなかったクズみたいな世界の滅亡を。
思い出していると扉が開き誰かが入ってきた。見知らぬ誰かであるのに俺にはすぐにそれが誰かが分かった。母親であったもの。
俺を見捨てたこの世界そのものだ。
ずっと会わなかったのに分かるものだ。分からないはずがない。俺に似た……いや俺が似ているのだ。母親の顔や雰囲気が俺に。
鏡に映る自分を覗くたびに俺はあんたをたまに思い出したりもしたが、その醜く老けて人生に疲れ切っている顔に俺は嬉しさを覚えた。
不幸になったんだ。そうだ俺を捨てたものが幸せになってはならない。それだけが俺の祈りだ。お前は間違えた。俺を俺達の元から去ったのは誤りだったんだ。
逃げ出した先に幸福なんてなかった。ざまぁ見ろ。そのうえこれだ。どうだ俺が死んだぞ。どうだあんたはどう思う?
俺は俯く母親の表情を覗き込んだ。ご存じの無表情、だ。むしろ見下している。俺に対していつもそんな表情で眺めていた。
暗く冷たく無感動なその顔色。つまりはどこにも愛が、無い。
あんたはいつもそうだったな。俺と父親を軽蔑していた。一緒にいることも拒絶し、まるで俺が生まれてこなければよかったという態度でずっと接していた。
ここに来たのも義務的なものでその確認だろう。俺が死んだということの確認、そして俺の存在がなんだったのかという確認。
っで満足はしたか? 満足したのなら早く出て行け。あんたの顔なんて鏡の中以外で見たくはない。だからこの世界は滅んだほうが良かったんだ。
出てけよ……出て行け! と俺は叫ぶと、母親だったものが後ずさった。
なんで? と俺は呆然とする。なんだその反応は。声は聞こえないはずだ、なにも届かないはずなのに。俺と母親だったものはたぶん同じ表情をしている。俺にはそれがなんとなく分かった。
どうして声が、思いが、届いた? 思えば、と俺は母親に叫んだのは初めてだった。何をされても我慢していた。心を感情も何も伝えなかった。
壁と沈黙があり俺達は何も繋がっていなかった。だがここで初めて繋がった。
俺の死と憎しみによって……そうだ憎しみよ届け。あんたの心の中には俺の心の一部が入ったはずだ。
さっきの動揺が何よりの証拠で、いつの日にかそれが分かる時が来る。必ずだ、俺はそれを信じる。
俺というかけがえのない存在を蔑ろにしたことを。いつの時か再認識し自分の犯した罪を自覚し後悔するんだ。それは今でもいい最後の時でもいい、いつだっていい。
この世界があり続ける限り、その時は必ず訪れる。それだけが俺があんたに望むことの全てだ。
報いを受けろ、そう思うことで俺は報われる。
もう何も解決しなくていい、もう何も解決なんてできはしないんだ。
許しはなく救いもなく解決もなく全ては手遅れだ。全部遅いんだよ。俺とあんたの関係はもうやり直せない。
俺は死ぬ、だからあんたは生き続けその罪を全て背負い俺の憎しみと共にあれ。
ずっとあってくれ。そしていつかは気づけ、気づいてくれ。俺の死はそれで以って意味を持つんだ。
そうしたら……もう世界は滅びなくていい。ずっと……あり続けてくれ。
すると上空に光の輪が現れ俺は今度は抗わずにその輝きに包まれていった……
闇のなかで俺の感覚はシノブの腕から始まった。
それからシノブの体温とその匂いと共に世界の光に包まれているのを感じつつ、俺は自分がここに帰ってきたことを、復活したことが分かった。
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