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回想~本編だと思った?いいえ、回想です。~(製作者2名も本編だと思っていた件について)
エリス
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「……う……あぁ……婆さん」
頭や身体から文字通り噴き出している、と言ってもいいくらい血を滝のように流している。これを薄ら涙を滲ませるだけで、耐えている。流石、トップクラスの魔法使い……て、関係あるのか?
「はい」
語尾の怒りマークが、目で確認出来てしまいそうなくらい怒気がこもっている。
「……あの~……すみません、とてつもなく痛いのですが……」
トップクラスの魔法使いと言うかそもそも、お爺さんの威厳がない。叱られた後の仔犬のように、小さくなっている。
「自業自得だろう。あーいう事は無理にやる事じゃない。知りたくなったら知ればいい」
お爺さんは口を尖らせ、ボソボソと返した。
「そろそろ知ってもいい歳じゃと思うのに。サタンも、もうじゅうよ……」
チャキ……
「何か言ったかい? ん~? 」
「いえ。なんでもございません」
「……そ? ならいいや」
視認できない程の速さでお婆さんは、お爺さんの首元にフォークを突きつけていた。あまりに速すぎて私がその事実に気づいたのは会話が終わったあとだった。
私は何食わぬ顔でご飯を食べる。
朝ご飯が一段落した時、やっと話を切り出す。
「お婆さん。朝からいるこの女の子は誰? 」
「ん? あぁ。この娘はエリス。サタンの従兄弟だ」
エリスはペコっと一礼し、
「お姉ちゃんて呼んでもいいよ? 」
「はぁ……」
他にお姉ちゃんと呼ぶ人もいないから紛らわしくなることもないし、本人がそう呼べって言うなら……。
「まぁ、私は皿洗いして来るかね」
お婆さんはそう言って、行ってしまう。
「俺は盆栽でも見てくるか」
お爺さんも行ってしまった。
また2人きりだ。……………無言はやっぱり気まずいなぁ。
「あ、あの! 」
「んん~? 」
「『エリス』って聞いたことないけど本当は何ですか?」
空気が凍りついた。これは聞いちゃダメだったかな?
「あたしね、本当は『ルサルカ』って言うの。『ルサルカ』は溺死した乙女の霊が集まって存在しているの。溺れる前の記憶だけならいいんだけど溺れてる時の死ぬまでの記憶、感覚が全部私の中に入ってくるの。時々耐えられなくなる時があって、その時ヴァルキリーお婆ちゃんに『お前がその魂の分しっかり生きればいいんだ』って言われて、その時に新しい名前をあげるから気持ちを切り替えろってこの名前を貰ったの。だからあたしは『エリス』」
「そうだったんだ────」
私がぽそっと答えた。
「サタンよ! 修行を付けてやるぞーー! 」
大声を出すお爺さん。相変わらずの雰囲気ぶち壊しのお爺さんがログイン。
「は、はぁ」
とても気の抜けた返事になってしまった。
「もっと気合い入れろ~! 」
といつにも増して上機嫌なお爺さん。さっきの血だらけなお爺さんはどこへ行ったやら。
まぁ、そんなお爺さんは置いといて
「じゃ、行ってくるよ」
「あ、あたしも行くー」
そんな会話をエリスとしつつ外へ出た。
「うーんと。じゃあまずこれを出来るようになってもらおうかの」
すると右肘を曲げ、体の前に構えると火と言うか、炎の玉が現れたかと思うと手の平を上にして振りかぶり、カタパルトよろしく投げつけてきた。避ける間もなくものすごい速さで私に向かってき…………
「あっ、ちょっま、えっ……あ゙っっ」
頭や身体から文字通り噴き出している、と言ってもいいくらい血を滝のように流している。これを薄ら涙を滲ませるだけで、耐えている。流石、トップクラスの魔法使い……て、関係あるのか?
「はい」
語尾の怒りマークが、目で確認出来てしまいそうなくらい怒気がこもっている。
「……あの~……すみません、とてつもなく痛いのですが……」
トップクラスの魔法使いと言うかそもそも、お爺さんの威厳がない。叱られた後の仔犬のように、小さくなっている。
「自業自得だろう。あーいう事は無理にやる事じゃない。知りたくなったら知ればいい」
お爺さんは口を尖らせ、ボソボソと返した。
「そろそろ知ってもいい歳じゃと思うのに。サタンも、もうじゅうよ……」
チャキ……
「何か言ったかい? ん~? 」
「いえ。なんでもございません」
「……そ? ならいいや」
視認できない程の速さでお婆さんは、お爺さんの首元にフォークを突きつけていた。あまりに速すぎて私がその事実に気づいたのは会話が終わったあとだった。
私は何食わぬ顔でご飯を食べる。
朝ご飯が一段落した時、やっと話を切り出す。
「お婆さん。朝からいるこの女の子は誰? 」
「ん? あぁ。この娘はエリス。サタンの従兄弟だ」
エリスはペコっと一礼し、
「お姉ちゃんて呼んでもいいよ? 」
「はぁ……」
他にお姉ちゃんと呼ぶ人もいないから紛らわしくなることもないし、本人がそう呼べって言うなら……。
「まぁ、私は皿洗いして来るかね」
お婆さんはそう言って、行ってしまう。
「俺は盆栽でも見てくるか」
お爺さんも行ってしまった。
また2人きりだ。……………無言はやっぱり気まずいなぁ。
「あ、あの! 」
「んん~? 」
「『エリス』って聞いたことないけど本当は何ですか?」
空気が凍りついた。これは聞いちゃダメだったかな?
「あたしね、本当は『ルサルカ』って言うの。『ルサルカ』は溺死した乙女の霊が集まって存在しているの。溺れる前の記憶だけならいいんだけど溺れてる時の死ぬまでの記憶、感覚が全部私の中に入ってくるの。時々耐えられなくなる時があって、その時ヴァルキリーお婆ちゃんに『お前がその魂の分しっかり生きればいいんだ』って言われて、その時に新しい名前をあげるから気持ちを切り替えろってこの名前を貰ったの。だからあたしは『エリス』」
「そうだったんだ────」
私がぽそっと答えた。
「サタンよ! 修行を付けてやるぞーー! 」
大声を出すお爺さん。相変わらずの雰囲気ぶち壊しのお爺さんがログイン。
「は、はぁ」
とても気の抜けた返事になってしまった。
「もっと気合い入れろ~! 」
といつにも増して上機嫌なお爺さん。さっきの血だらけなお爺さんはどこへ行ったやら。
まぁ、そんなお爺さんは置いといて
「じゃ、行ってくるよ」
「あ、あたしも行くー」
そんな会話をエリスとしつつ外へ出た。
「うーんと。じゃあまずこれを出来るようになってもらおうかの」
すると右肘を曲げ、体の前に構えると火と言うか、炎の玉が現れたかと思うと手の平を上にして振りかぶり、カタパルトよろしく投げつけてきた。避ける間もなくものすごい速さで私に向かってき…………
「あっ、ちょっま、えっ……あ゙っっ」
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