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第十三話 追跡者
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「トーストを~、焼きまして。目玉にベーコン乗っけます。コーヒーなんかを注いだら、あっという間に完成だっと」
竜也とのてんやわんやなデートを終えた翌日、早朝からご機嫌気分な奈々花は即興の歌を口ずさみながら朝食を作っていた。
メニューは歌詞の内容通り、ベーコンエッグトーストにコーヒーという簡単な洋食。本人はクロックムッシュ風なんて思っているが、両者は全くの別物である。こんな彼女ではあるが、黒墨を錬成していた頃に比べるとその成長ぶりは明らかだった。これも全ては竜也のため。上手くなったなと褒めてもらいたいがために頑張った乙女の成果なのである。
そんな努力の結晶であるコーヒーと丸皿に乗せたトーストをテーブルへと運び、地面へと腰を下ろした奈々花は、いただきますと両の手のひらを合わせる。それから、十四型液晶テレビのスイッチを入れ、朝のニュースへと目を通す。とは言え、政治や芸能ニュースなんかに興味のない彼女にとっては、静寂を紛らわすための環境音に過ぎないのだが。
「う~ん、美味しい」
聞き慣れたニュースキャスターの声を聞きながらトーストを一口、本日の朝食の出来栄えにほっぺを蕩けさせながら満足気に奈々花は呟く。
「今度タッツーにも作ってあげようかな~。こんだけ上手くなったんだもん、きっと泣いて喜ぶよね」
そう言いながら二口目、口の中に広がるベーコンとバターの濃厚なハーモニー。それを味わう間に昨日の買い物の風景、特に竜也の顔を思い浮かべていると次第に涙が頬を伝った。今まで人生に絶望し、悪いことを繰り返してきた自分がこんなに幸せでいいのだろうかという罪悪感に、不意に涙が溢れ出してしまったのだ。
「って、私が泣いてどうすんだろ。もう、ほんと泣き虫で嫌になっちゃう」
滲んで前が見えないぐらいに湧き出す水を、奈々花は急いで両手で拭う。
「でも、本当に楽しかったな。また行きたいな」
それでも残る歪んだフィルターを通して、彼女は部屋の隅に置かれた小さな金庫へと目を向けた。そこには、お金や通帳が入っているわけではなく、それ以上に大切な物、竜也に買ってもらったあの洋服が仕舞い込まれていた。
鋼鉄の殻に守られ実物は見えないというのに、それだけで照れる竜也の顔が頭をよぎりくすっと笑ってしまう。そんな感じに、ゆっくりと思い出に浸る彼女であったが、ふと目に入ったスマホの時間に慌てふためく。
「うわ、もうこんな時間。バイト遅刻しちゃうから泣いてる場合じゃないぞ私」
もう一度涙を拭い、奈々花は自分にそう言い聞かせると朝食を駆け足で口の中へと詰め込んでいく。最後の一口をコーヒーで流し込み、鏡の前で容姿をチェック。位牌に手を合わせ、カバンを掴み玄関を飛び出した。
「今日はお昼すぎに上がれるし、一回戻って、それからタッツーに会いに行こうかなぁ。あの服……」
本日の計画を立てながらウキウキ気分でアパートの外階段を降りきった瞬間、奈々花はある違和感に気がついた。
誰かが……見ている?
全身を駆け抜ける悪寒、その感覚に従い後ろを振り向くも誰かが居る気配は感じられない。
「……気のせい……だよね。幸せ過ぎておかしくなっちゃったかな」
もしかしたら幻覚を見ているのではないかと思い、カバンから精神安定剤を取り出すと口の中へと放り込む。
「大丈夫。これで大丈夫」
こういうのは気の持ちようだ。そう言った竜也の言葉を思い出し、楽しくなれるようにと通勤ルートを鼻歌まじりに歩いてみたのだが、やはり何かがおかしい。
一度は消えたジリジリと焼け付くような気色の悪い感覚が、背中から一向に離れない。
だが、何度後ろを振り向いてみても人影なんて見当たらず、それどころか猫一匹居ないことに不安だけが募っていく。
「だ、だいじょうぶ大丈夫。お店に着いちゃえば気のせいだってわかるってば」
大丈夫。その言葉をお守り代わりに自分に言い聞かせ続けるも、湧き上がる恐怖心が消えることはない。その、あまりの気味の悪さに耐えきれず奈々花はゆっくりと歩調を上げた。すると、次の瞬間、カツーンと甲高い足音が後方から響き始める。
やっぱりいる。何かがいる。
この音は空耳なんかじゃない。後ろにいる何者かも奈々花の速度に合わせて早足で歩くようになったのだ。
奈々花はゆっくりと距離を詰められているような不快感に襲われ、呼吸が荒くなっていく。気持ち悪い。ゆっくりと押しつぶされていくような感覚にヤバイと感情が警笛を鳴らす。
そこでふと奈々花は思い立った。なんでタッツーに連絡しないんだろうと。彼なら助けてくれる、王子様ならこの酷い悪夢から私を覚ましてくれると。
しかし、この瞬間、彼女は驚愕の事実に気づくこととなる。
「……嘘」
無いのだ、今ここで彼と自分を繋ぐ唯一のアイテムが。バックの中身を全て漁っても目当てのものは見つからない。
つまり……彼女は忘れてしまったのだ。スマホを家に忘れてきてしまったのだ。
普段絶対にありえないのに、なんでこういう時に。そこで彼女はハッとする。忘れてしまった理由なんて一つしか無い。自分が浮かれきっていたからだと。大切な人から贈り物を貰えた。それだけで有頂天になった挙げ句の果てがこのざまである。
だからといって、ここでくよくよした所で状況に変化があるわけじゃない。公衆電話でもなんでも良いからとにかく連絡しないと。そう思いながら振り返ってみると……
居た、居たのだ。電柱の影に隠れる人影が、ポツリと一人。
まだ三月だというのに、半袖でいられるような今日のこの暑さのなか、全身をコートで覆い顔にはサングラス、口元にはマスクと如何にも変質者の典型を気取る不審者。
そのコートの人影は、奈々花が自分に気づいたことに気づくとマスクを半分だけずらし、ニヤリと笑った。次の瞬間、奈々花は走り出していた。何も考えずに全速力で走り出していた。すると、先程より後方からの足音は激しくなり、徐々に大きくなっていく。
近づいてる、近づかれてる。
捕まったら何をされるかわからないという恐怖に目の前が歪み、全てがぐしゃぐしゃのめちゃくちゃに崩れていった。
しかし、いくら走っても彼女の体に人影が触れることはなかった。
不審に思い後ろを振り向くと、コートは一定の距離を保ちながら奈々花の後ろを付いてきている。
何で? その疑問に彼女が速度を落とすと、再びコートが笑った気がした。そして、速度を上げる謎のコート。奈々花も顔をひきつらせて全速力で走り出す。それから数秒後、もう一度振り向くとコートの距離は一定の位置へと戻っていた。
(わたし、遊ばれてる!?)
そう、先程からコートの人物は奈々花に近づいては速度を緩め、離れては走るを繰り返していたのだ。何の意図があるのかは不明だが、奈々花の想像通り、コートの不審者は彼女のことをからかっている。しかし、これだけは確信があった。自分が手を抜いたらあいつは本気で捕まえにくると。だから、やつの目的が何だとかそんなことを気にしている余裕は彼女には全く無かったのである。
とにかく安全を確保したい。そのためにはタッツーに合わないと。だが、公衆電話を使っている余裕なんか無い。通信で連絡が取れない以上直接会いに行くしか無い。幸運なことに、獅子上の警察署と奈々花の家はそれほど遠くない位置にある。
とは言え、この先には奈々花にとって最大の難所が待ちかまえている。警察署に辿り着くには人混みの多いビル街を抜けていかなければならないからだ。
人混みに弱く、神経をすり減らされた状態の今の彼女が、果たしてたどり着くまでの間耐えられるであろうか。不安しか無い状況ではあるが、それでもやるしか無かった。
それから、ビルが見えてくるに連れ人の数も増え始める。進めば進むほど増していく人波に、黒の悪意が押し寄せてくるような錯覚を覚え怖いと足がすくみかける。それでもと、彼女は懸命に人混みの中を駆け抜けていく。
慣れない状況と人並以下の運動神経のせいで、幾度となくスーツ姿の男女にぶつかってしまう奈々花。当然中には罵声を浴びせる者もおり、その声が更に彼女を追い込んでいく。
動く迷路と響く怒号、二つのプレッシャーに奈々花は疲弊し、遂には意識が薄れ始めた。
(苦しい、苦しい! もうだめ……視界が……歪んで)
もう限界と鉛のように重くなった足を引きずって、小さな網目から強引に飛び出した奈々花は、足をもつれさせたまま路地裏近くの電柱めがけて無様に倒れ込む。体に走る痛み以上に、精神的疲労が彼女の呼吸を乱し、立ち上がろうという意志を刈り取っていく。
消え往く意識の中、最後の力を振り絞り彼女は弱々しい声で最愛の人の名前を呼んだ。
「……たっつー、たすけて」
少女の瞳から一粒の涙が零れ落ちた。
竜也とのてんやわんやなデートを終えた翌日、早朝からご機嫌気分な奈々花は即興の歌を口ずさみながら朝食を作っていた。
メニューは歌詞の内容通り、ベーコンエッグトーストにコーヒーという簡単な洋食。本人はクロックムッシュ風なんて思っているが、両者は全くの別物である。こんな彼女ではあるが、黒墨を錬成していた頃に比べるとその成長ぶりは明らかだった。これも全ては竜也のため。上手くなったなと褒めてもらいたいがために頑張った乙女の成果なのである。
そんな努力の結晶であるコーヒーと丸皿に乗せたトーストをテーブルへと運び、地面へと腰を下ろした奈々花は、いただきますと両の手のひらを合わせる。それから、十四型液晶テレビのスイッチを入れ、朝のニュースへと目を通す。とは言え、政治や芸能ニュースなんかに興味のない彼女にとっては、静寂を紛らわすための環境音に過ぎないのだが。
「う~ん、美味しい」
聞き慣れたニュースキャスターの声を聞きながらトーストを一口、本日の朝食の出来栄えにほっぺを蕩けさせながら満足気に奈々花は呟く。
「今度タッツーにも作ってあげようかな~。こんだけ上手くなったんだもん、きっと泣いて喜ぶよね」
そう言いながら二口目、口の中に広がるベーコンとバターの濃厚なハーモニー。それを味わう間に昨日の買い物の風景、特に竜也の顔を思い浮かべていると次第に涙が頬を伝った。今まで人生に絶望し、悪いことを繰り返してきた自分がこんなに幸せでいいのだろうかという罪悪感に、不意に涙が溢れ出してしまったのだ。
「って、私が泣いてどうすんだろ。もう、ほんと泣き虫で嫌になっちゃう」
滲んで前が見えないぐらいに湧き出す水を、奈々花は急いで両手で拭う。
「でも、本当に楽しかったな。また行きたいな」
それでも残る歪んだフィルターを通して、彼女は部屋の隅に置かれた小さな金庫へと目を向けた。そこには、お金や通帳が入っているわけではなく、それ以上に大切な物、竜也に買ってもらったあの洋服が仕舞い込まれていた。
鋼鉄の殻に守られ実物は見えないというのに、それだけで照れる竜也の顔が頭をよぎりくすっと笑ってしまう。そんな感じに、ゆっくりと思い出に浸る彼女であったが、ふと目に入ったスマホの時間に慌てふためく。
「うわ、もうこんな時間。バイト遅刻しちゃうから泣いてる場合じゃないぞ私」
もう一度涙を拭い、奈々花は自分にそう言い聞かせると朝食を駆け足で口の中へと詰め込んでいく。最後の一口をコーヒーで流し込み、鏡の前で容姿をチェック。位牌に手を合わせ、カバンを掴み玄関を飛び出した。
「今日はお昼すぎに上がれるし、一回戻って、それからタッツーに会いに行こうかなぁ。あの服……」
本日の計画を立てながらウキウキ気分でアパートの外階段を降りきった瞬間、奈々花はある違和感に気がついた。
誰かが……見ている?
全身を駆け抜ける悪寒、その感覚に従い後ろを振り向くも誰かが居る気配は感じられない。
「……気のせい……だよね。幸せ過ぎておかしくなっちゃったかな」
もしかしたら幻覚を見ているのではないかと思い、カバンから精神安定剤を取り出すと口の中へと放り込む。
「大丈夫。これで大丈夫」
こういうのは気の持ちようだ。そう言った竜也の言葉を思い出し、楽しくなれるようにと通勤ルートを鼻歌まじりに歩いてみたのだが、やはり何かがおかしい。
一度は消えたジリジリと焼け付くような気色の悪い感覚が、背中から一向に離れない。
だが、何度後ろを振り向いてみても人影なんて見当たらず、それどころか猫一匹居ないことに不安だけが募っていく。
「だ、だいじょうぶ大丈夫。お店に着いちゃえば気のせいだってわかるってば」
大丈夫。その言葉をお守り代わりに自分に言い聞かせ続けるも、湧き上がる恐怖心が消えることはない。その、あまりの気味の悪さに耐えきれず奈々花はゆっくりと歩調を上げた。すると、次の瞬間、カツーンと甲高い足音が後方から響き始める。
やっぱりいる。何かがいる。
この音は空耳なんかじゃない。後ろにいる何者かも奈々花の速度に合わせて早足で歩くようになったのだ。
奈々花はゆっくりと距離を詰められているような不快感に襲われ、呼吸が荒くなっていく。気持ち悪い。ゆっくりと押しつぶされていくような感覚にヤバイと感情が警笛を鳴らす。
そこでふと奈々花は思い立った。なんでタッツーに連絡しないんだろうと。彼なら助けてくれる、王子様ならこの酷い悪夢から私を覚ましてくれると。
しかし、この瞬間、彼女は驚愕の事実に気づくこととなる。
「……嘘」
無いのだ、今ここで彼と自分を繋ぐ唯一のアイテムが。バックの中身を全て漁っても目当てのものは見つからない。
つまり……彼女は忘れてしまったのだ。スマホを家に忘れてきてしまったのだ。
普段絶対にありえないのに、なんでこういう時に。そこで彼女はハッとする。忘れてしまった理由なんて一つしか無い。自分が浮かれきっていたからだと。大切な人から贈り物を貰えた。それだけで有頂天になった挙げ句の果てがこのざまである。
だからといって、ここでくよくよした所で状況に変化があるわけじゃない。公衆電話でもなんでも良いからとにかく連絡しないと。そう思いながら振り返ってみると……
居た、居たのだ。電柱の影に隠れる人影が、ポツリと一人。
まだ三月だというのに、半袖でいられるような今日のこの暑さのなか、全身をコートで覆い顔にはサングラス、口元にはマスクと如何にも変質者の典型を気取る不審者。
そのコートの人影は、奈々花が自分に気づいたことに気づくとマスクを半分だけずらし、ニヤリと笑った。次の瞬間、奈々花は走り出していた。何も考えずに全速力で走り出していた。すると、先程より後方からの足音は激しくなり、徐々に大きくなっていく。
近づいてる、近づかれてる。
捕まったら何をされるかわからないという恐怖に目の前が歪み、全てがぐしゃぐしゃのめちゃくちゃに崩れていった。
しかし、いくら走っても彼女の体に人影が触れることはなかった。
不審に思い後ろを振り向くと、コートは一定の距離を保ちながら奈々花の後ろを付いてきている。
何で? その疑問に彼女が速度を落とすと、再びコートが笑った気がした。そして、速度を上げる謎のコート。奈々花も顔をひきつらせて全速力で走り出す。それから数秒後、もう一度振り向くとコートの距離は一定の位置へと戻っていた。
(わたし、遊ばれてる!?)
そう、先程からコートの人物は奈々花に近づいては速度を緩め、離れては走るを繰り返していたのだ。何の意図があるのかは不明だが、奈々花の想像通り、コートの不審者は彼女のことをからかっている。しかし、これだけは確信があった。自分が手を抜いたらあいつは本気で捕まえにくると。だから、やつの目的が何だとかそんなことを気にしている余裕は彼女には全く無かったのである。
とにかく安全を確保したい。そのためにはタッツーに合わないと。だが、公衆電話を使っている余裕なんか無い。通信で連絡が取れない以上直接会いに行くしか無い。幸運なことに、獅子上の警察署と奈々花の家はそれほど遠くない位置にある。
とは言え、この先には奈々花にとって最大の難所が待ちかまえている。警察署に辿り着くには人混みの多いビル街を抜けていかなければならないからだ。
人混みに弱く、神経をすり減らされた状態の今の彼女が、果たしてたどり着くまでの間耐えられるであろうか。不安しか無い状況ではあるが、それでもやるしか無かった。
それから、ビルが見えてくるに連れ人の数も増え始める。進めば進むほど増していく人波に、黒の悪意が押し寄せてくるような錯覚を覚え怖いと足がすくみかける。それでもと、彼女は懸命に人混みの中を駆け抜けていく。
慣れない状況と人並以下の運動神経のせいで、幾度となくスーツ姿の男女にぶつかってしまう奈々花。当然中には罵声を浴びせる者もおり、その声が更に彼女を追い込んでいく。
動く迷路と響く怒号、二つのプレッシャーに奈々花は疲弊し、遂には意識が薄れ始めた。
(苦しい、苦しい! もうだめ……視界が……歪んで)
もう限界と鉛のように重くなった足を引きずって、小さな網目から強引に飛び出した奈々花は、足をもつれさせたまま路地裏近くの電柱めがけて無様に倒れ込む。体に走る痛み以上に、精神的疲労が彼女の呼吸を乱し、立ち上がろうという意志を刈り取っていく。
消え往く意識の中、最後の力を振り絞り彼女は弱々しい声で最愛の人の名前を呼んだ。
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※もちろんフィクションです。
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