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第十四話 失踪事件
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「これで……終わりだ! っと」
一方その頃、獅子上署へと戻った竜也は、自らのデスクへと座り書類整理を続けていた。
奈々花の身元引受人になってからというもの、まるで嫌がらせのように小さな事件を押し付けられ、来る日も来る日も難儀しているというのが彼の今の現状だった。昨日も奈々花を送り届け、その足で署へと戻り今の今までこの有様である。
そして今、積み上げられた紙束の最上段へと最後の一枚を叩きつけ、体をほぐすために大きく背伸びをした所であった。それと同時に、まるでタイミングを計ったかのように緑茶入りの湯呑が彼の前へと差し出される。
「先輩、お疲れ様っす。はい、お茶」
「おう、松木か。悪いな」
凝り固まった肩をボキボキとならし覇気の無い声で感謝を述べると、竜也は湯気立つ緑茶を一息で飲み干した。その姿を見ていた松木と呼ばれた後輩は、淹れたてのお茶を一息で飲み干すなんて舌の感覚おかしいんじゃないっすかね。などと思いつつ苦笑いを浮かべていた。
しかし、気遣いのできる彼はそれを悟らせまいと、すぐさま表情を笑顔へと切り替え竜也の肩を揉み始める。
「二日連続での徹夜っすからね。これぐらいはさせてくださいっすよ」
「お前だって、あー。徹夜みたいなもんだろうがぁー。忙しいんだろ? そっちも」
「先輩ほどじゃないっす。四時間は寝てますし」
「それなら俺も仮眠はした。一時間だけどな」
素人とは到底思えぬ松木の的確な揉みほぐし。その気持ちよさにうっとりとした表情を浮かべる竜也であったが、自分のこりと同様にほぐれていく松木の表情に、次第に気味の悪いものを感じていた。その、今すぐ聞いてくださいと言わんばかりの彼の笑い顔に、仕方なしにと竜也は尋ねる。
「……それで、さっきからなんだ。その不自然なまでにニヤついた顔は」
「いえいえ、昨日は奈々花ちゃんとどうだったのかな~、なんて思いましてね」
そして、呆れ返るような後輩の返答に竜也は大きく肩を落とした。
「松木。悪いが、お前の想像するようなことは何もないぞ。それ以前に、奈々花と俺で何かなんて起こるわけ無いだろうが」
「本当っすか? 先輩、真面目なようでむっつりじゃないっすか。守備範囲広いの知ってるんすよ?」
「知ってるねぇ。なら、全部説明してみろ。しっかりと聞いてやるから」
「しらばっくれなくても大丈夫っす。近所のおばあちゃんからその辺歩いてる小学生まで、いっつもいろんな女の子から声かけられて引っ張りだこじゃないっすか」
「……お前なぁ」
否定の言葉を聞いて尚、からかうことをやめない松木にその根拠を求めた竜也であったが、予想通りの的はずれな答えに、意味が違うだろと呆れた声を上げてしまう。
それでも、笑顔を崩さない松木を見てこれ以上は平行線だと考えた竜也は、思考を切り替え一昨日頼んでおいた仕事の話題を振ってみせた。
「いつまでもバカなこと言ってないで、頼んでおいた件はどうなった?」
「えっと、それがですね。やっぱり殺されてたのはロウの関係者、主にバイヤーでした」
「やっぱりプリズン絡みか」
竜也が松木に頼んでいたのは、ここ数週間頻繁に起きている失踪事件について。聞き覚えのある名前が並んでいたことにピンときての行動だったのだが、彼の予想通り被害者のほとんどがラブプリズンに関係のある人間だった。そんな松木の報告を聞き、悔しさからか竜也は無意識に親指の爪を噛んでしまう。
因みに、先程松木が言ったロウという単語、警察内で使われているラブプリズンの隠語なのだが、由来はプリズン、牢獄、ロウから来ている。そして、何故プリズンで定着しなかったのかというと、一般人が聞いてもすぐに理解できないようにという配慮らしいのだが、現実はプリなんて女々しい言葉を使っていられるか! と、お偉方がキレたからだとかなんだとか。ラブが許されなかったのもたぶん同じ理由であろう。
「そうっす。……って、先輩は未だにプリズンって言うんすね。奈々花ちゃんの影響っすか?」
実際、獅子上署内でプリズンという呼称を使うのは竜也一人であり、奈々花の身元引受人となってからの最初の一週間は、プリズンは? プリが欲しい。なんてねだる彼女に困らされ、その影響で癖になってしまったという部分は確かにある。しかし、それを素直に認めらず、誤魔化す過程でまずいことを口走ってしまうのが東雲竜也という人間だった。
「ちげぇよ。その二文字の略し方に馴染めねぇだけだ。昨日もゲーセンで奈々花が……」
このように、余計なことまで喋ってしまい、途中でまずったなんて思った時には既に遅く、絶好の餌を見つけた松木は食いつくように彼へと迫っていた。
「なんすか、なんすか。ゲーセンなんて行ったんすか先輩。それもう完璧にただのデートじゃないっすか。ほんと隅に置けないっすよね~」
「ばっか、ちげぇよ。デートとかそんなんじゃねぇから。あと、その顔でそういう笑い方はやめろ。最近ただでさえ痩せこけてきて気持ち悪いんだから」
竜也が指摘する通り松木の顔立ちは少しばかりやせ細っている。しかし、気持ち悪いとまで言われたら、普段温厚な彼も流石に黙ってはいられない。敬愛する先輩に文句の一つも言ってやろうと声を荒げようとしたそんな時だった。彼の不満を遮るように一人の女性が割り込んで来たのは。
「なっ! 先輩、流石にそれは――」
「敏信の顔が気持ち悪いのは当然として、そんなこと言っていいのかしらね竜也。奈々花ちゃんが聞いたらまた泣いちゃうわよ」
一人の男の存在をこの世から突き落とすような発言、それをさも当前のように言いながら現れたクールビューティーは、冷たい微笑を浮かべながら竜也の前へと一束の資料を差し出した。
「当然って……田山先輩まで酷いっす」
田山と呼ばれた女性から紙の束を受け取った竜也は、しょぼくれる松木の表情に苦笑いを浮かべてしまう。
「稲美。またって、それじゃあ俺がいっつも奈々花のこと泣かしてるみたいじゃねぇか」
「あら、間違ってないと思うけど。竜也が素直にならないからたぶん奈々花ちゃん、心の中で毎日泣いてると思ううわ」
「……アホらしい」
奈々花の会話にも出てきた同僚で腐れ縁の稲美から渡された資料を、竜也は話半分に聞き流しながら目を通す。書面の内容は先程松木から聞いたプリズンの関係者、主にバイヤーのプロフィールで、殆どがこの数ヶ月でロスト、つまり殺されていた。
悪人とは言え数十の人間が殺されているという事実、それもプリズンの関係者という現実があまりにも気に入らず、竜也はその書類をデスクへと叩きつけた。そんな彼とは裏腹に、プライベートな話題を稲美は続けていく。
「ほんと強がっちゃって。それに、菜々花ちゃんの話になると、ばっか、ちげぇよ、じゃねぇって。が口癖になるとか、どこの小学生なんだか」
「はぁ? ばっかじゃねぇのか。昨日のはほんとにちげぇんだよ。お前だってわかってんだろ、俺達がそういう関係じゃねぇって」
「……本当っす。使ってるっす」
自分でも知らぬうちに使っていた口癖を松木にまで指摘され、バツの悪そうな表情を浮かべている竜也に更に稲美は追い打ちをかける。
「竜也がそう言うならそれでも良いんだけど、そんな関係じゃない二人がこんな写真取るのかしらね~」
「!? あっのバカ……」
懐から取り出した彼女のスマホ、その画面に写っていたのは昨日撮った奈々花との写真シール。そう、あの後奈々花は稲美へと写真を送っていたのだ。
このまま誤魔化した所で稲美に勝てないことを竜也は重々承知している。つまり、ここに居座るということは彼女の餌食になることと同義だった。瞬時にそれを見極めた竜也は松木に声をかけながら急いで席を立つ。
「ちょっと出てくる。松木、お前も来い」
「……あっ、はいっす!」
「なーに、逃げるわけ?」
「署内で事件が起きてるわけじゃないだろ? 書類整理も終わったし、俺は足でしか稼げないんだ」
挑発を仕掛けてくる稲美にもっともらしい理屈を付けると、松木を連れて竜也は署を後にした。
一方その頃、獅子上署へと戻った竜也は、自らのデスクへと座り書類整理を続けていた。
奈々花の身元引受人になってからというもの、まるで嫌がらせのように小さな事件を押し付けられ、来る日も来る日も難儀しているというのが彼の今の現状だった。昨日も奈々花を送り届け、その足で署へと戻り今の今までこの有様である。
そして今、積み上げられた紙束の最上段へと最後の一枚を叩きつけ、体をほぐすために大きく背伸びをした所であった。それと同時に、まるでタイミングを計ったかのように緑茶入りの湯呑が彼の前へと差し出される。
「先輩、お疲れ様っす。はい、お茶」
「おう、松木か。悪いな」
凝り固まった肩をボキボキとならし覇気の無い声で感謝を述べると、竜也は湯気立つ緑茶を一息で飲み干した。その姿を見ていた松木と呼ばれた後輩は、淹れたてのお茶を一息で飲み干すなんて舌の感覚おかしいんじゃないっすかね。などと思いつつ苦笑いを浮かべていた。
しかし、気遣いのできる彼はそれを悟らせまいと、すぐさま表情を笑顔へと切り替え竜也の肩を揉み始める。
「二日連続での徹夜っすからね。これぐらいはさせてくださいっすよ」
「お前だって、あー。徹夜みたいなもんだろうがぁー。忙しいんだろ? そっちも」
「先輩ほどじゃないっす。四時間は寝てますし」
「それなら俺も仮眠はした。一時間だけどな」
素人とは到底思えぬ松木の的確な揉みほぐし。その気持ちよさにうっとりとした表情を浮かべる竜也であったが、自分のこりと同様にほぐれていく松木の表情に、次第に気味の悪いものを感じていた。その、今すぐ聞いてくださいと言わんばかりの彼の笑い顔に、仕方なしにと竜也は尋ねる。
「……それで、さっきからなんだ。その不自然なまでにニヤついた顔は」
「いえいえ、昨日は奈々花ちゃんとどうだったのかな~、なんて思いましてね」
そして、呆れ返るような後輩の返答に竜也は大きく肩を落とした。
「松木。悪いが、お前の想像するようなことは何もないぞ。それ以前に、奈々花と俺で何かなんて起こるわけ無いだろうが」
「本当っすか? 先輩、真面目なようでむっつりじゃないっすか。守備範囲広いの知ってるんすよ?」
「知ってるねぇ。なら、全部説明してみろ。しっかりと聞いてやるから」
「しらばっくれなくても大丈夫っす。近所のおばあちゃんからその辺歩いてる小学生まで、いっつもいろんな女の子から声かけられて引っ張りだこじゃないっすか」
「……お前なぁ」
否定の言葉を聞いて尚、からかうことをやめない松木にその根拠を求めた竜也であったが、予想通りの的はずれな答えに、意味が違うだろと呆れた声を上げてしまう。
それでも、笑顔を崩さない松木を見てこれ以上は平行線だと考えた竜也は、思考を切り替え一昨日頼んでおいた仕事の話題を振ってみせた。
「いつまでもバカなこと言ってないで、頼んでおいた件はどうなった?」
「えっと、それがですね。やっぱり殺されてたのはロウの関係者、主にバイヤーでした」
「やっぱりプリズン絡みか」
竜也が松木に頼んでいたのは、ここ数週間頻繁に起きている失踪事件について。聞き覚えのある名前が並んでいたことにピンときての行動だったのだが、彼の予想通り被害者のほとんどがラブプリズンに関係のある人間だった。そんな松木の報告を聞き、悔しさからか竜也は無意識に親指の爪を噛んでしまう。
因みに、先程松木が言ったロウという単語、警察内で使われているラブプリズンの隠語なのだが、由来はプリズン、牢獄、ロウから来ている。そして、何故プリズンで定着しなかったのかというと、一般人が聞いてもすぐに理解できないようにという配慮らしいのだが、現実はプリなんて女々しい言葉を使っていられるか! と、お偉方がキレたからだとかなんだとか。ラブが許されなかったのもたぶん同じ理由であろう。
「そうっす。……って、先輩は未だにプリズンって言うんすね。奈々花ちゃんの影響っすか?」
実際、獅子上署内でプリズンという呼称を使うのは竜也一人であり、奈々花の身元引受人となってからの最初の一週間は、プリズンは? プリが欲しい。なんてねだる彼女に困らされ、その影響で癖になってしまったという部分は確かにある。しかし、それを素直に認めらず、誤魔化す過程でまずいことを口走ってしまうのが東雲竜也という人間だった。
「ちげぇよ。その二文字の略し方に馴染めねぇだけだ。昨日もゲーセンで奈々花が……」
このように、余計なことまで喋ってしまい、途中でまずったなんて思った時には既に遅く、絶好の餌を見つけた松木は食いつくように彼へと迫っていた。
「なんすか、なんすか。ゲーセンなんて行ったんすか先輩。それもう完璧にただのデートじゃないっすか。ほんと隅に置けないっすよね~」
「ばっか、ちげぇよ。デートとかそんなんじゃねぇから。あと、その顔でそういう笑い方はやめろ。最近ただでさえ痩せこけてきて気持ち悪いんだから」
竜也が指摘する通り松木の顔立ちは少しばかりやせ細っている。しかし、気持ち悪いとまで言われたら、普段温厚な彼も流石に黙ってはいられない。敬愛する先輩に文句の一つも言ってやろうと声を荒げようとしたそんな時だった。彼の不満を遮るように一人の女性が割り込んで来たのは。
「なっ! 先輩、流石にそれは――」
「敏信の顔が気持ち悪いのは当然として、そんなこと言っていいのかしらね竜也。奈々花ちゃんが聞いたらまた泣いちゃうわよ」
一人の男の存在をこの世から突き落とすような発言、それをさも当前のように言いながら現れたクールビューティーは、冷たい微笑を浮かべながら竜也の前へと一束の資料を差し出した。
「当然って……田山先輩まで酷いっす」
田山と呼ばれた女性から紙の束を受け取った竜也は、しょぼくれる松木の表情に苦笑いを浮かべてしまう。
「稲美。またって、それじゃあ俺がいっつも奈々花のこと泣かしてるみたいじゃねぇか」
「あら、間違ってないと思うけど。竜也が素直にならないからたぶん奈々花ちゃん、心の中で毎日泣いてると思ううわ」
「……アホらしい」
奈々花の会話にも出てきた同僚で腐れ縁の稲美から渡された資料を、竜也は話半分に聞き流しながら目を通す。書面の内容は先程松木から聞いたプリズンの関係者、主にバイヤーのプロフィールで、殆どがこの数ヶ月でロスト、つまり殺されていた。
悪人とは言え数十の人間が殺されているという事実、それもプリズンの関係者という現実があまりにも気に入らず、竜也はその書類をデスクへと叩きつけた。そんな彼とは裏腹に、プライベートな話題を稲美は続けていく。
「ほんと強がっちゃって。それに、菜々花ちゃんの話になると、ばっか、ちげぇよ、じゃねぇって。が口癖になるとか、どこの小学生なんだか」
「はぁ? ばっかじゃねぇのか。昨日のはほんとにちげぇんだよ。お前だってわかってんだろ、俺達がそういう関係じゃねぇって」
「……本当っす。使ってるっす」
自分でも知らぬうちに使っていた口癖を松木にまで指摘され、バツの悪そうな表情を浮かべている竜也に更に稲美は追い打ちをかける。
「竜也がそう言うならそれでも良いんだけど、そんな関係じゃない二人がこんな写真取るのかしらね~」
「!? あっのバカ……」
懐から取り出した彼女のスマホ、その画面に写っていたのは昨日撮った奈々花との写真シール。そう、あの後奈々花は稲美へと写真を送っていたのだ。
このまま誤魔化した所で稲美に勝てないことを竜也は重々承知している。つまり、ここに居座るということは彼女の餌食になることと同義だった。瞬時にそれを見極めた竜也は松木に声をかけながら急いで席を立つ。
「ちょっと出てくる。松木、お前も来い」
「……あっ、はいっす!」
「なーに、逃げるわけ?」
「署内で事件が起きてるわけじゃないだろ? 書類整理も終わったし、俺は足でしか稼げないんだ」
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※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
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