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【第47話】 「触れられても、なにも感じなかった──それが一番こわかった」
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「今日は、触るな」
「ちゃんと、“ほんもの”のごほうびあげる」
そう言って、彼女は私の前に座った。
最近ではめずらしい言葉だった。
あれほど、「演じて」と命じていた彼女が、
「感じていい」と言ってくれている。
私は、素直に身体を預けた。
けれど──その直後、違和感が走った。
彼女の指が太ももに沿って滑る。
けれど、
いつものように、びくりと震える感覚が来ない。
「ん……?」
と自分でも思うほど、“何も起きない”身体がそこにあった。
次に、彼女の指が下着越しに触れる。
それでも、心が跳ねない。
呼吸も荒くならない。
「……あれ?」
私の中で、何かが抜け落ちていた。
彼女はふと、顔を止めた。
「ミオ……感じてへん?」
私は反射的に「ううん」と首を振った。
でも、それは反応じゃなかった。
拒絶でも虚偽でもなく、“戸惑い”そのものだった。
「ミオ、最近ずっと“見せるプレイ”ばっかやったやん」
「たぶん、あんたの身体、もう“演技の刺激”にしか反応できへんようになってる」
「……だから、ほんまの触れ方が、“足りない”ってなってるんやな」
私は言葉を失った。
でも、心のどこかでわかっていた。
“触れられる”ことより、
“命令される”こと。
“見られる”こと。
“剥奪される”こと。
そういう支配の演出ばかりが蓄積されて、
快感の**「中身」**を、すり減らしていた。
「このままやと、ミオ──
“わたし以外からの快楽”を、受けとれへんようになるかもな」
「ていうか、“快楽そのもの”が、なくなってしまうかもしれへん」
「それってさ……従ってるようで、
ほんまは、“壊れてきてる”んちゃう?」
私は、彼女の手をそっと握った。
そして、震える声で言った。
「……もう一回、“感じ方”を教えて」
「命令じゃなくて、
ちゃんと、“わたしに戻る方法”を……」
その夜、彼女は何も命じなかった。
ただ、時間をかけて、
指の温度だけで、私の皮膚の感覚を取り戻してくれた。
それは、
“ごほうび”ではなく──
“修復”だった。
「ちゃんと、“ほんもの”のごほうびあげる」
そう言って、彼女は私の前に座った。
最近ではめずらしい言葉だった。
あれほど、「演じて」と命じていた彼女が、
「感じていい」と言ってくれている。
私は、素直に身体を預けた。
けれど──その直後、違和感が走った。
彼女の指が太ももに沿って滑る。
けれど、
いつものように、びくりと震える感覚が来ない。
「ん……?」
と自分でも思うほど、“何も起きない”身体がそこにあった。
次に、彼女の指が下着越しに触れる。
それでも、心が跳ねない。
呼吸も荒くならない。
「……あれ?」
私の中で、何かが抜け落ちていた。
彼女はふと、顔を止めた。
「ミオ……感じてへん?」
私は反射的に「ううん」と首を振った。
でも、それは反応じゃなかった。
拒絶でも虚偽でもなく、“戸惑い”そのものだった。
「ミオ、最近ずっと“見せるプレイ”ばっかやったやん」
「たぶん、あんたの身体、もう“演技の刺激”にしか反応できへんようになってる」
「……だから、ほんまの触れ方が、“足りない”ってなってるんやな」
私は言葉を失った。
でも、心のどこかでわかっていた。
“触れられる”ことより、
“命令される”こと。
“見られる”こと。
“剥奪される”こと。
そういう支配の演出ばかりが蓄積されて、
快感の**「中身」**を、すり減らしていた。
「このままやと、ミオ──
“わたし以外からの快楽”を、受けとれへんようになるかもな」
「ていうか、“快楽そのもの”が、なくなってしまうかもしれへん」
「それってさ……従ってるようで、
ほんまは、“壊れてきてる”んちゃう?」
私は、彼女の手をそっと握った。
そして、震える声で言った。
「……もう一回、“感じ方”を教えて」
「命令じゃなくて、
ちゃんと、“わたしに戻る方法”を……」
その夜、彼女は何も命じなかった。
ただ、時間をかけて、
指の温度だけで、私の皮膚の感覚を取り戻してくれた。
それは、
“ごほうび”ではなく──
“修復”だった。
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