“新しい主”が、私を欲しがる夜

nana

文字の大きさ
49 / 87

【第49話】 「“他の人に触られてるミオ”を、私が見守るだけの夜」

しおりを挟む
「今夜、ちょっと預けるね」
彼女はそう言って、ひとりの男の名前を口にした。

知っている人ではなかった。
でもそれは重要じゃない。
大事なのは、“彼女が見ている”という一点だった。

「触らせるけど、ミオはちゃんと覚えててな」
「“誰に快感もらってるか”やなくて──
 “誰に許されて、それを味わってるか”が、
 いちばん大事やから」

部屋には、彼と彼女と私だけがいた。

緊張感はなかった。
むしろ、“予定されたプレイ”の静けさが支配していた。

彼は無言で、私の指先に触れた。
そしてゆっくり、膝を割るように促してくる。

私は、彼ではなく──
部屋の奥でじっと見ている“彼女の目”に従っていた。

「ミオ、感じてるふりでもええよ」
「でも、絶対に忘れたらあかん。
 その身体は、“今もわたしの持ち物”やから」

彼女の声がそう告げた瞬間、
男の手が胸元に這った。

でも私の目は──
彼じゃなく、彼女の視線に向けられたままだった。

男の指が下着を押し上げる。
その摩擦に、少しだけ息が漏れる。

けれどその吐息は、
「触れられている快感」じゃなかった。

“彼女の目に応えたい”という緊張が、
身体を勝手に昂らせていった。

彼が私の中に指を入れようとした瞬間、
彼女が口を開いた。

「……そこで止めて」
「中までは、まだ早い」
「ミオの奥に触れていいのは、“わたしの指”だけって決めてるから」

男は手を止めた。
私は、内心ほっとした。
でも同時に──

**“彼女だけが、わたしの奥を知ってる”**というその感覚に、
じんわりと濡れていく自分がいた。

プレイが終わったあと、
彼女は私にそっと近づいてきて、耳元で言った。

「ミオ、偉かったね」
「ちゃんと、“誰のものか”忘れてなかった」
「ほかの人に触れられてる姿──すごく綺麗やったよ」

私は、震える声で答えた。

「……誰が触ってもいい。
 でも、“誰のものか”だけは、絶対に忘れたくない」

彼女は微笑んで、
その夜、自分の指で私を何度も貫いた。

それは、「確認」だった。
“私の奥”を知っているのは、
この人だけなんだ──という証明。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

処理中です...