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【第51話】 「“並ぶって言ったくせに、また従いたくなる”──そんな夜もあるやろ?」
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「ミオがそう言ってくれたの、めっちゃ嬉しかったよ」
翌朝、彼女はあのメモを握りしめながらそう言った。
でもその瞳の奥には、
“迷い”の色が浮かんでいた。
彼女にとっても、
“従わせる関係”のほうが、
扱いやすかったんだと思う。
「一緒に並ぶってことは、
お互いに“決める”ってことやん?」
「今までみたいに、“わたしが言えばミオが従う”んやなくて──
“ミオの意見も、わたしに影響する”ってことやろ?」
「……それって、ちょっと怖いよな」
夕方、ふたりで出かけた先で、
小さな意見の食い違いが起きた。
私は「こっちがいい」と言い、
彼女は「そっちは人多いし、やめとこ」と返した。
以前なら、私は黙って彼女に従っていただろう。
でも今は、少しだけ言い返してしまった。
その直後の空気の重さが、
想像以上に、胸にのしかかった。
「……あ、ごめん」
「やっぱり、従うわ」
その言葉を出した自分に、
私は驚いた。
自分で選んだのに。
“並ぶ関係”に進むって、決めたばかりなのに。
なのに、また、“命令されていた頃”のほうが楽だったと思ってる自分がいた。
帰り道、沈黙が続いた。
彼女が小さくつぶやいた。
「ミオ……並ぶの、苦しい?」
私は言えなかった。
“うん”とも、“ううん”とも。
でも代わりに、ポケットからあのメモを出した。
自分で書いたはずの言葉を、
もう一度、自分で読み直す。
「並ぶことで、隣にいたい」──
その一行が、やけに遠く感じられた。
夜、彼女がポツリとつぶやいた。
「……今日のミオ、“また従うほうが楽やのにな”って顔してた」
「でもな、それって悪いことちゃうで」
「“並ぶって言ったくせに、また従いたくなる”──
そんな夜もあるやろ?」
「揺れててもええよ。
ミオが戻ってくるとき、わたしはいつでも居場所あけとくから」
私はその夜、
彼女の肩に頭を預けて、
ただ黙って目を閉じた。
並ぶことも、従うことも、
選び続けることは簡単じゃない。
でも、
“どちらを選んでも、見ていてくれる人がいる”という事実が、
私の一番深い安心だった。
翌朝、彼女はあのメモを握りしめながらそう言った。
でもその瞳の奥には、
“迷い”の色が浮かんでいた。
彼女にとっても、
“従わせる関係”のほうが、
扱いやすかったんだと思う。
「一緒に並ぶってことは、
お互いに“決める”ってことやん?」
「今までみたいに、“わたしが言えばミオが従う”んやなくて──
“ミオの意見も、わたしに影響する”ってことやろ?」
「……それって、ちょっと怖いよな」
夕方、ふたりで出かけた先で、
小さな意見の食い違いが起きた。
私は「こっちがいい」と言い、
彼女は「そっちは人多いし、やめとこ」と返した。
以前なら、私は黙って彼女に従っていただろう。
でも今は、少しだけ言い返してしまった。
その直後の空気の重さが、
想像以上に、胸にのしかかった。
「……あ、ごめん」
「やっぱり、従うわ」
その言葉を出した自分に、
私は驚いた。
自分で選んだのに。
“並ぶ関係”に進むって、決めたばかりなのに。
なのに、また、“命令されていた頃”のほうが楽だったと思ってる自分がいた。
帰り道、沈黙が続いた。
彼女が小さくつぶやいた。
「ミオ……並ぶの、苦しい?」
私は言えなかった。
“うん”とも、“ううん”とも。
でも代わりに、ポケットからあのメモを出した。
自分で書いたはずの言葉を、
もう一度、自分で読み直す。
「並ぶことで、隣にいたい」──
その一行が、やけに遠く感じられた。
夜、彼女がポツリとつぶやいた。
「……今日のミオ、“また従うほうが楽やのにな”って顔してた」
「でもな、それって悪いことちゃうで」
「“並ぶって言ったくせに、また従いたくなる”──
そんな夜もあるやろ?」
「揺れててもええよ。
ミオが戻ってくるとき、わたしはいつでも居場所あけとくから」
私はその夜、
彼女の肩に頭を預けて、
ただ黙って目を閉じた。
並ぶことも、従うことも、
選び続けることは簡単じゃない。
でも、
“どちらを選んでも、見ていてくれる人がいる”という事実が、
私の一番深い安心だった。
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