(完結保証)大好きなお兄様の親友は、大嫌いな幼馴染なので罠に嵌めようとしたら逆にハマった話

のま

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 翌朝ミラベルが目を覚ますと、何年も感じたことのない様なとてもスッキリとした目覚めだった。
 なぜだか分からないけれど、成人するのはこういう気分になるのかと軽く動きながらも寝返りをうつと、隣にはデシールがいた。
 危うく大声を出しそうになったが、昨夜のことを思い出して、口を押さえる。
 結局ミラベルは失敗して自分も香を吸ってじったのだ。
 隣に眠るデシールの顔は、長いまつ毛に透き通る肌、寝顔とは思えないほど美しく、元々憎いだけで好みの顔ではあった為にまじまじと眺めてしまう。
 そしてなぜか昨日の夜からデシールの顔が輝いて見える。

 不思議ではあるが、ここで時間をかけている場合ではない、侍女が呼びにくる時間は迫っていた。
 事後っぽく見せる為には肌を出しておくべき?

 そんなことを考えていたら隣のデシールが目を覚ましていることに気付いた。

「おはようミラベル、昨日は可愛い寝顔に見惚れちゃっていたら眠気に襲われちゃったんだけど、こんなに寝つきが良いのは珍しいんだよね。なんでか分かるかな??」
 笑顔で伝えてきてはいるが、どう見ても目が笑ってはいない。
 どうやらお香のことはバレバレらしくどうつ言い訳しようかと思っていたら、
「きゃー!!!お嬢様!!!」

 ドアはもう開いていて侍女が入ってきていた。








「2人には婚約してもらう」
 着替えを済ませて応接間に集められた所で父がミラベルとデシールへ向かって伝えた。
「どういうことですか?!いやです!!」
 ミラベルは信じられないといった感じだが、

「未婚の男女が朝まで過ごしたんだ、お互い嫌いあってるわけでもあるまいし、婚約を結ぶのが普通だろう。」

 父は当然といった感じだ。

 解せないのはデシールも当然だという顔をしている点で、何もなかったと普通に言い訳すると思っていたのに、父と当たり前の様に婚約前提で話を進めている。

 ちょっとイタズラして我が家を出禁にしてもらうつもりが、自分が家を追い出される(嫁)ほうだと気付いた時には後の祭り、婚約の下地はあっという間に整ってしまっている。

「待ってください、こんな婚約は双方にとってよくないでしょう、嫌いあってるんだから私達!」
 ミラベルは立ち上がって信じられないと言う気持ちで叫ぶ。

「デシールまだ何も伝えていないのかね?」
「はい、お義父様。昨日はそれどころじゃなくて。」
「とりあえずまあ2人での話し合いが必要だということは分かった。この部屋で落ち着いて話し合いなさい。」

 そういって父は応接室を出て行ってしまう。

 残されたミラベルとデシールだったが、なんだか昨日の夜からデシールに見つめられるとどうしても素直になんでも話してしまいそうになる仕様のミラベルは、
 隠し事などできず昨日の真の計画を洗いざらい話してしまった。



「ずっと一緒にいたいと思ってくれていたのは嬉しいけど、君は兄が誰かと結婚してもいいと思っていたの?」
「お兄様の為になるなら私の気持ちなんて些細なことでしょう。」
「ミラベル、、、」
なぜか潤んだ瞳で見つめるデシールに、ミラベルはドキドキしてしまい、その度頭を振って、こいつは天敵!!!!!!!と心で繰り返した。


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