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本編
ウサギンガーマイZ
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人や獣人が行き交う雑踏を眺めながら、ベンチに座って食べる恋人とのランチタイム。その幸せな逢瀬は、突然の大きな鳥声によって破られた。
「チビ助ここに居たであるか!」
声もでかけりゃ体も大きいクマタカの獣人ボグスィの登場である。
羽毛に覆われた身体は警邏隊の制服に包み込まれている。鋭い鳥目に尖った黒嘴と、どれも凶器にしか見えないけれど、頭の黒斑な冠羽だけは、ひょこひょこ揺れていて愛らしい。
彼が道行けば子供が「あ、怖いのいる」と指を差し、大人は「しっ、目を合わせるんじゃありません食べられますよ」と怯える。
今も彼が動けば人垣が割れ、大股でこちらへ来る彼の花道が自然と出来上がっていた。
天然の要注意人物とはこいつのことである。
おまわりさーん!と呼んだところで彼がこの街を守る警邏隊の隊長だから世も末だ。
ノエリオもまた怯えていた。基本、でかい声のでかい人物には畏怖する。なんせ小心兎ゆえ。
メンタル激弱な白兎は隣の黒猫に素早くくっついた。ビタッと。
「な、なななにボグスィの、おっちゃん…?」
びくびくしながらも一応は尋ねる。横に恋人がいるからこそ、ちょっと頑張ってみただけで内心では猛禽類の異様な雰囲気に取って食われるんじゃないかと怯えていた。
「おう。お前を探していたのである。ちょっと面ぁ貸すのである」
「ひいやあぁ俺なんもしてねえぞぉぉ?!」
警戒心剥き出しで怯えるノエリオへ、ボグスィの手が迫った。何を思ったかノエリオを捕まえようとしているようで、益々に縮こまった白兎はスカイに抱きついた。
恐怖からの行動でもあったが、何かあったらスカイをいち早く守る為でもある。
(防御、防御の魔法…!)
体中に魔力を滾らせて毛を逆立てた。フーッ!と威嚇までしてしまうのは兎の野生本能がなんだか頑張った結果だ。
「隊長、始末書40枚目になりますよ」
ボグスィの脅威を感じる行動を止めたのはモチヅキの声だった。でかいボグスィに隠れて見えなかったが、鳥影にモチヅキが居た。サラッとした黒髪を靡かせ、背筋もピンと美しいルックスのモチヅキであるが、正体は獣耳フェチのケモナーである。
「え。マジで? あかんやつであるか?」
「あかんやつですよ。ノエリオはすっかり怯えて魔力が暴走しそうです」
「なんとチビ助すまんかったである! 無理強いはしないから落ち着いておくれ。我輩たちとお話するのである」
手を引っ込めたボグスィ。彼は見た目怖い猛禽類だが中身は紳士なおじさんなのだ。
「話ってなんだよ?」と、スカイが尋ねる。
「詳しくはノエリオの保護者も交えて話そう。店でなら落ち着くかな。ノエリオ、それ以上は魔力高めないでくれ。君の魔力が暴走したら止めれる気がしない」
モチヅキに言われたが、昂った神経と共に魔力を落ち着かせる方法が当の本人──ノエリオには分からなかった。
抑えようとはしているけれど、ノエリオの魔力は千々に乱れ意思とは逆方向に。周囲へと溢れ出してきた。
どこか着地点を探しているかのように彷徨う魔力のオーラ。それは魔力保持者ならば目に見えてノエリオの体中から立ち昇るものだ。
「おい、ピノ…?」
立ち昇る魔力のオーラは魔力を持たないスカイには視えない。けれど胸に抱くノエリオの細い体は異常に熱く、呼吸も乱れているようだ。明らかに様子がおかしい。
「まずいな。これ以上は本当に、暴走するぞ」
「えーやばいである。よし、ここはショック療法で」
「あんたは引っ込んでてください隊長。あんたの姿見て怯えて魔法使ったからこそ、この状態なんですよ」
「おおう、そうであるな。チビ助しっかりするのである! 我輩が悪うございましたー!」
モチヅキとボグスィがショートコントしてる間にもノエリオは自身でもコントロールできない魔力に怯えていた。猛禽類に怯え、自分の魔力暴走にも怯え、怯えに脅えが重なって、もうどうしたらいいか分からない。
魔力をいつもあるところへ抑えようとすればするほど、焦って空振りして魔力が漏れ出てくる。
その異常事態に道行く人々も、なんだなんだと足を止めていた。
先程、”赤牛の揚げ巻き”を買った店の主も、軒先から身を乗り出してこちらを凝視している。
「ピノ…ピノ…!」
スカイが名前を呼ぶ声は聞こえるけれど、どうしたらいいか…パニックだ。
とうとう「うえぇぇんんん」と子供みたいに泣いてしまったノエリオ。
泣きたいのはこっちだと、目の前で暴れ狂う魔力が視えるモチヅキは思った。
魔力の暴走なんて、そもそも暴走するだけの魔力を保持していないと限界点は越えないっつー話だ。
ノエリオ・ピノは才能ある魔法使い。将来は誰よりも偉大な魔法使いになるだろうと学校でも噂されていた。
モチヅキは学生時代に幾度となく目の当たりにしたノエリオの、精微で緻密な魔法を思い出していた。加えて、一部の生徒にちょっかいかけられて魔力コントロールを失う事態は学校でも多々あったことも思い出す。
「落ち着けってばノエリオ、君は魔術教師ポネル・カロスティンの孫だろう」
祖父のように、細微に操る魔法は誰よりも巧みだったはずだ。それこそノエリオの祖父ポネルくらいしか対抗できないくらいの、羨ましいくらいの才能だった。それを妬んで絡む奴らもいたが、そんなの極一部の生徒だ。大方の同級生はノエリオを優秀な魔法使いだと認めていた。
「じー様?」と、ノエリオが呟く。
精神的に未熟なのか、学校でも同じような事態に陥ったことはある。そんな時は、いつも祖父が近くにいた。今も近くにいるような気がしている。
そんなノエリオの呟き声に頷くものがあった。ノエリオの膝上にいたけれど、地面に落ちてしまっていたうさぎのぬいぐるみである。
うさぬいは起き上がった。むくりっとな。
「ふぅ、やれやれ。もう少し黙っていたかったけどなあ」と言葉を発しながら。
「じー様…」
「ピノや、私を抱き締めろ。 とう!」
勇ましい掛け声と共に飛び上がるうさぬい。
ベンチまでの高さ約30センチ。うさぬいの綿の筋力で飛べるのか疑問だが、うさぬいは軽くジャンプした。そしてノエリオの脇下へと頭を押し付け挟まり、「抱き締めろ!」とまた命じる。
ノエリオは脇がくすぐったくてスカイの腕の中で身を捩った。反射的に脇を広げ、うさぬいを懐に招き入れる。ふかっとした綿クッションがスカイの胸前にきた。
「ぬいぐるみだろこれ…なんで喋るんだ」
目の前で動いて喋って抱き締めろと主張するうさぎのぬいぐるみは、ピンク色の布に覆われただけの、ただのぬいぐるみのはずだ。だけどそれがもぞもぞ動いて、
「私を胸にぎゅっと抱き締めれば魔力をコントロールしてやれる。さあ、装備しろ」
とかなんとか言っている。ありえない。
「その声はカロスティン先生……ノエリオ、先生の言う通りに!」
モチヅキまでうさぬいの手助けとばかりに、ふわふわしいうさぎのぬいぐるみをスカイとノエリオの間にギュギュっと押し付けるではないか。
恋人同士を引き裂くような行為に、クマタカのボグスィだけは「おいおいモチヅキくん」と呆れた声を出したが、周囲を覆いつつあったノエリオの濃密な魔力が薄くなってきたことに気づいた。
「ふむ。まさかその縫いぐるみが魔力を吸い取っているのであるか…?」
ボグスィは訝し気に眉を寄せ、ノエリオが暴走させている魔力の流れを読む。一個隊の隊長なだけあってボグスィも多少の魔法は使える。といっても得意属性の風が主だが、魔力の流れを読むのは得意な方だ。
視ると、辺りを漂っていたオーラのような魔力の揺らぎが、うさぬい一点に向かい渦を巻いて収束していく。これは、うさぎのぬいぐるみが魔力を吸い取っているからだ。
魔力を暴走させ、狂うような熱さに身の内が焦がされていく気分のノエリオ。本能のままに、胸前でもぞもぞしているうさぬいを腕に囲い込んで、魔力の安定を図った。
「そうだ。それでいい。私をぎゅっとしてハグするのだ! ゆくぞ、ウサギンガーマイZ☆スペシャルエディション!!」
謎の呪文を叫んだ瞬間、カッッッとうさぬいの瞳が開いた。ぬいぐるみの瞳は刺繍糸のはずだが、なぜか見開いたのだ。
そして魔力を勢いよく吸い込んでいく。ズゴオオオオオと音を立てて。凄まじい吸引力である。
おかげで、みるみるうちに辺りの魔力は安定を取り戻し、漏れ出ていた魔力も回収された。
異常な空気が収束し治まったことで周囲の雑踏は戻り、人々は安堵した表情で日常へと戻って行く。
屋台のおじちゃんも、もうこちらを気にする風もなく、客へと名物の揚げ巻きを手渡していた。
「おいピノ、大丈夫か?」
スカイの焦った声。
ノエリオは気を失っていた。
「しばらく休ませれば大丈夫だ。熱があるから冷やしてやるとよい」
気絶したノエリオの腕から、ひょこっと顔を出したうさぎのぬいぐるみの台詞である。偉そうな態度の割に、見た目が愛らしいウサギフォルムであるからして、威厳というものは皆無だ。
しかし、うさぬいの言うよう早急に冷やさねばいけないだろう。ノエリオの体は未だ熱く、汗が噴き出ていた。
一行は苔庭のイタチ亭へと、急ぎ帰るのだった。
*
「おーや、ポネル。やっと正体を現したんですか。で、どうして私の店に警邏隊が? これは一体、どういうことなんでしょうねえ?」
苔庭のイタチ亭の店主テオは、表情穏やかに不穏なオーラを蒔き散らかしていた。
目も口元も笑っているのに醸し出す空気が異常。と、店員ウィルが、ぼそっと呟く。
今日は休日であるのに、可愛がっている店員たちはデートへ行き、自分だってこれから愛しい水色兎と出掛けようとしていたのに、水を差す輩たちが揃いも揃ってやってくるとは…というのがテオの心境だった。
「店主、すみません。ノエリオのこともそうなんですが、我々が掴んだ情報に因りますと…」
と、モチヅキが懐から取り出したのは一枚の手配書だ。
モンスター討伐の依頼書にも似ているそれには、真ん中の似顔絵のところに見たことあるうさぎのぬいぐるみが描かれている。言わずもがなのポネルだ。
「おやポネル、賞金掛けられてるじゃないですか。これは丁度いい。今回のお騒がせ代として私がいただきましょう」
そう言ってにこやかに微笑みながらうさぬいの両耳をまとめて引っ掴むテオの目は本気だ。糸目でよく見えないけど。
「ま、まま、待つのだテオ。これには深いわけが…!」
「深いわけっていうより不快わけだと思う。テオにしたら、いきなり孫あずけられて本人行方不明で迷惑被ってるしさ。というわけで、俺にも半額おくれよ」
と、ウィルも真面目そうな顔で意見と要望を述べるが、次の瞬間には両手で顔を覆い「ふふふ…深いわけと不快いわけだって…ふふふ傑作……」なんて、ひたすら笑い始めてしまったので、そちらは気にしないことにしたモチヅキだった。
ノエリオはスカイが部屋まで運んで看病している。この場には居ない。
隊長ボグスィは行儀よく席について山林檎サイダーを飲んでいた。自由か。
モチヅキだけが真面目に用件を果たそうとしているわけだが、ウィルに混ぜっ返され早くもげんなりしてきたところだ。
(ここの店員は、やたらと個性が強いな…)とはモチヅキの心の声。
「では、深いわけとやらを聞いてあげましょう。一応、取り敢えず、三秒だけ」
「三秒しかないのか?! 私の人生を賭けたこのウサギンガーマイZ☆に関して三秒しか説明ができんというのか…!?」
「そういえばポネル背が縮みましたね。姿形も愛らしくなって、片手で捻り潰しやすそうです」
「あー! 相変わらずの鬼畜発言知ったかぶり食えないイタチ…! 知ってるくせにい!」
のたうち回って悔しがるうさぎのぬいぐるみ。誰も同情していなかった。
今やこのぬいぐるみは指名手配犯であり、ノエリオが倒れてしまった原因でもあるから、苔庭のイタチ亭メンバーにとったら金貰えるなら警邏隊に引き渡すべき対象でしかない。
「えーと、それでですね、この手配書になっている兎の縫いぐるみに関して訊きたくてノエリオを探していたところ、うちの隊長がノエリオを怖がらせてしまい魔力暴走。気絶までさせてしまい誠に申し訳ありませんでした。
ほら隊長、謝れ」
「うむ。大変申し訳無かったのである。ここの美味しい料理はこれからも食べたいので、チビ助が回復したら警邏隊一同全力でパーリーピーポーする所存である」
クマタカ様は羽毛いっぱいのふかふかな胸を張って「今後とも宜しくお願いしますなのだ」と改めて挨拶をした。
テオも「パーリーピーポーはいいですけど、ポネルは引き取って下さいよ」と返す。
「ああ、こちらで処理しておこう」
そうボグスィが快く頷いたところでテオが、よし、纏まったとばかりに柏手を打った。
大口予約が入り、金も手に入る。良いこと尽くしだ。
「待ってえええ待ってくれえええ私の言い分も聞いてくれえええええ」
うさぬいが叫んだ。心からの叫びだったからか、この声はモチヅキが拾ってくれた。
「隊長、説明も無しにそれはないです」
「そうだそうだその通りだ警邏隊の若いの、偉いぞ、君に花丸あげよう」
味方を得て、うさぬいは俄然張り切って語り出す。
「よいか? 私をその手配書通りにそいつに渡すと大変なことに」
「ならないでしょう。あちらさんは貴方を探してるんです。お金と引き換えに渡します」
しかしテオに一蹴されて希望を打ち砕かれる。
ポネルは、とある貴族に求婚されていた。そいつはしつこくてヤバくてなんかもう牙なんかもすごい獣人だしで、とにかくヤバイやつなのだ。猛アタックかけてくるから逃げたのが事の始まりだっだ。
「だって、だって、あいつは私の貞操を狙って…!」
「尻ぐらい差し出せば良いでしょう。貴方の尻一つで丸く治まるんですよ。喜んで差し出しなさい」
「ひいいん…!」
うさぬいは泣いた。ぬいぐるみのくせに涙が流せるとは生意気である。
いっぱい泣いてから目と鼻をぐしぐし擦って、とうとう諦めの境地に達したようだ。
「分かった…分かったからもう、そのことはいい。諦めたから、せめてノエリオのことだけでも…頼む」
お尻の貞操を諦めたうさぬいが語ることにゃ、ポネル本体は今、手配書を回した野郎から逃げて遠くにいること、うさぬいが本体ではないらしいこと、このうさぬいは逃げる時にノエリオが心配だったから残しただけで、ポネル本人は誰にも見つからない場所へ、隠れ住んでいるという。
これまで、うさぬいを通して孫の様子を窺っていたのだと語る。
逃げた理由はテオには説明しておらず今回が初めての吐露である。
「大ピンチ! 孫を匿ってくれ!」という緊急連絡のみで動いてくれたテオには感謝している済まないと陳謝した。
「まあ、ノエリオを預かるに至っては、なかなか高価な物品を頂戴しましたからね。人手も欲しかったですし」
その高価な物品というのはメルクマールのダイヤモンドと呼ばれるもので、雪牙象の牙を加工した宝玉である。
魔力が潤沢にある者にしか加工できない世にも珍しい貴重品だった。
「ありがとうありがとう! 引き続き孫を頼むよ。大事な人も出来たみたいだから、今、引き離すのは可哀相だろう」
ノエリオがスカイのことを憎からず想い、心寄せていることをポネルはうさぬいの体で視ていた。
孫は自分に似てなよっちくて変な男に引っかかる傾向があるから心配だったのだ。それが、初恋を叶えて楽しそうにデートしていた。爺、感無量である。
うさぬいは、しょっ引かれて行った。特に手錠とかお縄などはされてないが、ボグスィのふかふか胸毛羽毛にぎゅっとされてお持ち帰りされてしまった。
「最後に孫の顔を一目だけでも」と訴えてはいたが、「往生際悪いですよ」と兎耳を掴んでいたテオにそのまま引き渡されたのが、うさぬいじじいの最後の姿だ。
「ふぐぅぅ…ピノやぁ、じいちゃんは、じいちゃんはお前の幸せを願っているよおぉ」
やっぱり泣いちゃったポネル爺さん、御年133歳。厄年のある日のことだった。
「チビ助ここに居たであるか!」
声もでかけりゃ体も大きいクマタカの獣人ボグスィの登場である。
羽毛に覆われた身体は警邏隊の制服に包み込まれている。鋭い鳥目に尖った黒嘴と、どれも凶器にしか見えないけれど、頭の黒斑な冠羽だけは、ひょこひょこ揺れていて愛らしい。
彼が道行けば子供が「あ、怖いのいる」と指を差し、大人は「しっ、目を合わせるんじゃありません食べられますよ」と怯える。
今も彼が動けば人垣が割れ、大股でこちらへ来る彼の花道が自然と出来上がっていた。
天然の要注意人物とはこいつのことである。
おまわりさーん!と呼んだところで彼がこの街を守る警邏隊の隊長だから世も末だ。
ノエリオもまた怯えていた。基本、でかい声のでかい人物には畏怖する。なんせ小心兎ゆえ。
メンタル激弱な白兎は隣の黒猫に素早くくっついた。ビタッと。
「な、なななにボグスィの、おっちゃん…?」
びくびくしながらも一応は尋ねる。横に恋人がいるからこそ、ちょっと頑張ってみただけで内心では猛禽類の異様な雰囲気に取って食われるんじゃないかと怯えていた。
「おう。お前を探していたのである。ちょっと面ぁ貸すのである」
「ひいやあぁ俺なんもしてねえぞぉぉ?!」
警戒心剥き出しで怯えるノエリオへ、ボグスィの手が迫った。何を思ったかノエリオを捕まえようとしているようで、益々に縮こまった白兎はスカイに抱きついた。
恐怖からの行動でもあったが、何かあったらスカイをいち早く守る為でもある。
(防御、防御の魔法…!)
体中に魔力を滾らせて毛を逆立てた。フーッ!と威嚇までしてしまうのは兎の野生本能がなんだか頑張った結果だ。
「隊長、始末書40枚目になりますよ」
ボグスィの脅威を感じる行動を止めたのはモチヅキの声だった。でかいボグスィに隠れて見えなかったが、鳥影にモチヅキが居た。サラッとした黒髪を靡かせ、背筋もピンと美しいルックスのモチヅキであるが、正体は獣耳フェチのケモナーである。
「え。マジで? あかんやつであるか?」
「あかんやつですよ。ノエリオはすっかり怯えて魔力が暴走しそうです」
「なんとチビ助すまんかったである! 無理強いはしないから落ち着いておくれ。我輩たちとお話するのである」
手を引っ込めたボグスィ。彼は見た目怖い猛禽類だが中身は紳士なおじさんなのだ。
「話ってなんだよ?」と、スカイが尋ねる。
「詳しくはノエリオの保護者も交えて話そう。店でなら落ち着くかな。ノエリオ、それ以上は魔力高めないでくれ。君の魔力が暴走したら止めれる気がしない」
モチヅキに言われたが、昂った神経と共に魔力を落ち着かせる方法が当の本人──ノエリオには分からなかった。
抑えようとはしているけれど、ノエリオの魔力は千々に乱れ意思とは逆方向に。周囲へと溢れ出してきた。
どこか着地点を探しているかのように彷徨う魔力のオーラ。それは魔力保持者ならば目に見えてノエリオの体中から立ち昇るものだ。
「おい、ピノ…?」
立ち昇る魔力のオーラは魔力を持たないスカイには視えない。けれど胸に抱くノエリオの細い体は異常に熱く、呼吸も乱れているようだ。明らかに様子がおかしい。
「まずいな。これ以上は本当に、暴走するぞ」
「えーやばいである。よし、ここはショック療法で」
「あんたは引っ込んでてください隊長。あんたの姿見て怯えて魔法使ったからこそ、この状態なんですよ」
「おおう、そうであるな。チビ助しっかりするのである! 我輩が悪うございましたー!」
モチヅキとボグスィがショートコントしてる間にもノエリオは自身でもコントロールできない魔力に怯えていた。猛禽類に怯え、自分の魔力暴走にも怯え、怯えに脅えが重なって、もうどうしたらいいか分からない。
魔力をいつもあるところへ抑えようとすればするほど、焦って空振りして魔力が漏れ出てくる。
その異常事態に道行く人々も、なんだなんだと足を止めていた。
先程、”赤牛の揚げ巻き”を買った店の主も、軒先から身を乗り出してこちらを凝視している。
「ピノ…ピノ…!」
スカイが名前を呼ぶ声は聞こえるけれど、どうしたらいいか…パニックだ。
とうとう「うえぇぇんんん」と子供みたいに泣いてしまったノエリオ。
泣きたいのはこっちだと、目の前で暴れ狂う魔力が視えるモチヅキは思った。
魔力の暴走なんて、そもそも暴走するだけの魔力を保持していないと限界点は越えないっつー話だ。
ノエリオ・ピノは才能ある魔法使い。将来は誰よりも偉大な魔法使いになるだろうと学校でも噂されていた。
モチヅキは学生時代に幾度となく目の当たりにしたノエリオの、精微で緻密な魔法を思い出していた。加えて、一部の生徒にちょっかいかけられて魔力コントロールを失う事態は学校でも多々あったことも思い出す。
「落ち着けってばノエリオ、君は魔術教師ポネル・カロスティンの孫だろう」
祖父のように、細微に操る魔法は誰よりも巧みだったはずだ。それこそノエリオの祖父ポネルくらいしか対抗できないくらいの、羨ましいくらいの才能だった。それを妬んで絡む奴らもいたが、そんなの極一部の生徒だ。大方の同級生はノエリオを優秀な魔法使いだと認めていた。
「じー様?」と、ノエリオが呟く。
精神的に未熟なのか、学校でも同じような事態に陥ったことはある。そんな時は、いつも祖父が近くにいた。今も近くにいるような気がしている。
そんなノエリオの呟き声に頷くものがあった。ノエリオの膝上にいたけれど、地面に落ちてしまっていたうさぎのぬいぐるみである。
うさぬいは起き上がった。むくりっとな。
「ふぅ、やれやれ。もう少し黙っていたかったけどなあ」と言葉を発しながら。
「じー様…」
「ピノや、私を抱き締めろ。 とう!」
勇ましい掛け声と共に飛び上がるうさぬい。
ベンチまでの高さ約30センチ。うさぬいの綿の筋力で飛べるのか疑問だが、うさぬいは軽くジャンプした。そしてノエリオの脇下へと頭を押し付け挟まり、「抱き締めろ!」とまた命じる。
ノエリオは脇がくすぐったくてスカイの腕の中で身を捩った。反射的に脇を広げ、うさぬいを懐に招き入れる。ふかっとした綿クッションがスカイの胸前にきた。
「ぬいぐるみだろこれ…なんで喋るんだ」
目の前で動いて喋って抱き締めろと主張するうさぎのぬいぐるみは、ピンク色の布に覆われただけの、ただのぬいぐるみのはずだ。だけどそれがもぞもぞ動いて、
「私を胸にぎゅっと抱き締めれば魔力をコントロールしてやれる。さあ、装備しろ」
とかなんとか言っている。ありえない。
「その声はカロスティン先生……ノエリオ、先生の言う通りに!」
モチヅキまでうさぬいの手助けとばかりに、ふわふわしいうさぎのぬいぐるみをスカイとノエリオの間にギュギュっと押し付けるではないか。
恋人同士を引き裂くような行為に、クマタカのボグスィだけは「おいおいモチヅキくん」と呆れた声を出したが、周囲を覆いつつあったノエリオの濃密な魔力が薄くなってきたことに気づいた。
「ふむ。まさかその縫いぐるみが魔力を吸い取っているのであるか…?」
ボグスィは訝し気に眉を寄せ、ノエリオが暴走させている魔力の流れを読む。一個隊の隊長なだけあってボグスィも多少の魔法は使える。といっても得意属性の風が主だが、魔力の流れを読むのは得意な方だ。
視ると、辺りを漂っていたオーラのような魔力の揺らぎが、うさぬい一点に向かい渦を巻いて収束していく。これは、うさぎのぬいぐるみが魔力を吸い取っているからだ。
魔力を暴走させ、狂うような熱さに身の内が焦がされていく気分のノエリオ。本能のままに、胸前でもぞもぞしているうさぬいを腕に囲い込んで、魔力の安定を図った。
「そうだ。それでいい。私をぎゅっとしてハグするのだ! ゆくぞ、ウサギンガーマイZ☆スペシャルエディション!!」
謎の呪文を叫んだ瞬間、カッッッとうさぬいの瞳が開いた。ぬいぐるみの瞳は刺繍糸のはずだが、なぜか見開いたのだ。
そして魔力を勢いよく吸い込んでいく。ズゴオオオオオと音を立てて。凄まじい吸引力である。
おかげで、みるみるうちに辺りの魔力は安定を取り戻し、漏れ出ていた魔力も回収された。
異常な空気が収束し治まったことで周囲の雑踏は戻り、人々は安堵した表情で日常へと戻って行く。
屋台のおじちゃんも、もうこちらを気にする風もなく、客へと名物の揚げ巻きを手渡していた。
「おいピノ、大丈夫か?」
スカイの焦った声。
ノエリオは気を失っていた。
「しばらく休ませれば大丈夫だ。熱があるから冷やしてやるとよい」
気絶したノエリオの腕から、ひょこっと顔を出したうさぎのぬいぐるみの台詞である。偉そうな態度の割に、見た目が愛らしいウサギフォルムであるからして、威厳というものは皆無だ。
しかし、うさぬいの言うよう早急に冷やさねばいけないだろう。ノエリオの体は未だ熱く、汗が噴き出ていた。
一行は苔庭のイタチ亭へと、急ぎ帰るのだった。
*
「おーや、ポネル。やっと正体を現したんですか。で、どうして私の店に警邏隊が? これは一体、どういうことなんでしょうねえ?」
苔庭のイタチ亭の店主テオは、表情穏やかに不穏なオーラを蒔き散らかしていた。
目も口元も笑っているのに醸し出す空気が異常。と、店員ウィルが、ぼそっと呟く。
今日は休日であるのに、可愛がっている店員たちはデートへ行き、自分だってこれから愛しい水色兎と出掛けようとしていたのに、水を差す輩たちが揃いも揃ってやってくるとは…というのがテオの心境だった。
「店主、すみません。ノエリオのこともそうなんですが、我々が掴んだ情報に因りますと…」
と、モチヅキが懐から取り出したのは一枚の手配書だ。
モンスター討伐の依頼書にも似ているそれには、真ん中の似顔絵のところに見たことあるうさぎのぬいぐるみが描かれている。言わずもがなのポネルだ。
「おやポネル、賞金掛けられてるじゃないですか。これは丁度いい。今回のお騒がせ代として私がいただきましょう」
そう言ってにこやかに微笑みながらうさぬいの両耳をまとめて引っ掴むテオの目は本気だ。糸目でよく見えないけど。
「ま、まま、待つのだテオ。これには深いわけが…!」
「深いわけっていうより不快わけだと思う。テオにしたら、いきなり孫あずけられて本人行方不明で迷惑被ってるしさ。というわけで、俺にも半額おくれよ」
と、ウィルも真面目そうな顔で意見と要望を述べるが、次の瞬間には両手で顔を覆い「ふふふ…深いわけと不快いわけだって…ふふふ傑作……」なんて、ひたすら笑い始めてしまったので、そちらは気にしないことにしたモチヅキだった。
ノエリオはスカイが部屋まで運んで看病している。この場には居ない。
隊長ボグスィは行儀よく席について山林檎サイダーを飲んでいた。自由か。
モチヅキだけが真面目に用件を果たそうとしているわけだが、ウィルに混ぜっ返され早くもげんなりしてきたところだ。
(ここの店員は、やたらと個性が強いな…)とはモチヅキの心の声。
「では、深いわけとやらを聞いてあげましょう。一応、取り敢えず、三秒だけ」
「三秒しかないのか?! 私の人生を賭けたこのウサギンガーマイZ☆に関して三秒しか説明ができんというのか…!?」
「そういえばポネル背が縮みましたね。姿形も愛らしくなって、片手で捻り潰しやすそうです」
「あー! 相変わらずの鬼畜発言知ったかぶり食えないイタチ…! 知ってるくせにい!」
のたうち回って悔しがるうさぎのぬいぐるみ。誰も同情していなかった。
今やこのぬいぐるみは指名手配犯であり、ノエリオが倒れてしまった原因でもあるから、苔庭のイタチ亭メンバーにとったら金貰えるなら警邏隊に引き渡すべき対象でしかない。
「えーと、それでですね、この手配書になっている兎の縫いぐるみに関して訊きたくてノエリオを探していたところ、うちの隊長がノエリオを怖がらせてしまい魔力暴走。気絶までさせてしまい誠に申し訳ありませんでした。
ほら隊長、謝れ」
「うむ。大変申し訳無かったのである。ここの美味しい料理はこれからも食べたいので、チビ助が回復したら警邏隊一同全力でパーリーピーポーする所存である」
クマタカ様は羽毛いっぱいのふかふかな胸を張って「今後とも宜しくお願いしますなのだ」と改めて挨拶をした。
テオも「パーリーピーポーはいいですけど、ポネルは引き取って下さいよ」と返す。
「ああ、こちらで処理しておこう」
そうボグスィが快く頷いたところでテオが、よし、纏まったとばかりに柏手を打った。
大口予約が入り、金も手に入る。良いこと尽くしだ。
「待ってえええ待ってくれえええ私の言い分も聞いてくれえええええ」
うさぬいが叫んだ。心からの叫びだったからか、この声はモチヅキが拾ってくれた。
「隊長、説明も無しにそれはないです」
「そうだそうだその通りだ警邏隊の若いの、偉いぞ、君に花丸あげよう」
味方を得て、うさぬいは俄然張り切って語り出す。
「よいか? 私をその手配書通りにそいつに渡すと大変なことに」
「ならないでしょう。あちらさんは貴方を探してるんです。お金と引き換えに渡します」
しかしテオに一蹴されて希望を打ち砕かれる。
ポネルは、とある貴族に求婚されていた。そいつはしつこくてヤバくてなんかもう牙なんかもすごい獣人だしで、とにかくヤバイやつなのだ。猛アタックかけてくるから逃げたのが事の始まりだっだ。
「だって、だって、あいつは私の貞操を狙って…!」
「尻ぐらい差し出せば良いでしょう。貴方の尻一つで丸く治まるんですよ。喜んで差し出しなさい」
「ひいいん…!」
うさぬいは泣いた。ぬいぐるみのくせに涙が流せるとは生意気である。
いっぱい泣いてから目と鼻をぐしぐし擦って、とうとう諦めの境地に達したようだ。
「分かった…分かったからもう、そのことはいい。諦めたから、せめてノエリオのことだけでも…頼む」
お尻の貞操を諦めたうさぬいが語ることにゃ、ポネル本体は今、手配書を回した野郎から逃げて遠くにいること、うさぬいが本体ではないらしいこと、このうさぬいは逃げる時にノエリオが心配だったから残しただけで、ポネル本人は誰にも見つからない場所へ、隠れ住んでいるという。
これまで、うさぬいを通して孫の様子を窺っていたのだと語る。
逃げた理由はテオには説明しておらず今回が初めての吐露である。
「大ピンチ! 孫を匿ってくれ!」という緊急連絡のみで動いてくれたテオには感謝している済まないと陳謝した。
「まあ、ノエリオを預かるに至っては、なかなか高価な物品を頂戴しましたからね。人手も欲しかったですし」
その高価な物品というのはメルクマールのダイヤモンドと呼ばれるもので、雪牙象の牙を加工した宝玉である。
魔力が潤沢にある者にしか加工できない世にも珍しい貴重品だった。
「ありがとうありがとう! 引き続き孫を頼むよ。大事な人も出来たみたいだから、今、引き離すのは可哀相だろう」
ノエリオがスカイのことを憎からず想い、心寄せていることをポネルはうさぬいの体で視ていた。
孫は自分に似てなよっちくて変な男に引っかかる傾向があるから心配だったのだ。それが、初恋を叶えて楽しそうにデートしていた。爺、感無量である。
うさぬいは、しょっ引かれて行った。特に手錠とかお縄などはされてないが、ボグスィのふかふか胸毛羽毛にぎゅっとされてお持ち帰りされてしまった。
「最後に孫の顔を一目だけでも」と訴えてはいたが、「往生際悪いですよ」と兎耳を掴んでいたテオにそのまま引き渡されたのが、うさぬいじじいの最後の姿だ。
「ふぐぅぅ…ピノやぁ、じいちゃんは、じいちゃんはお前の幸せを願っているよおぉ」
やっぱり泣いちゃったポネル爺さん、御年133歳。厄年のある日のことだった。
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