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第48話 あの子とこの娘とそして君もなの? ACT 14
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女ってほんとわかんねぇ―。
なんていう自分のふがいなさ。本当は杉村が一番気にしているのは、あの答えなんだ。
昨日の今日でその答えを出すのか? あの時ははっきりとした答えは出していない。
つまりはまだ数式は解かれていないということだ。そう、これは勉強のことだ。勉強を教えること。
そのことを意味しているんだよ……きっと。
『好きです』ていうのはさ、そのことを意味してのことを杉村が言っただけなんだよな。
―――――じゃぁ、あの……キスは……何?
あはははは、外国式のあいさつ? 杉村が? あの杉村がかよ!
そんな粋なことやるか? 杉村っておとなしくて、控えめで、恥ずかしがりやで……そうそういつも本読んでいる子。だよな。
そんな積極的なことを意味を込めてするような子じゃない。乃木満里奈のように意味不明な子じゃないよ。
あっ! 満里奈か。彼奴弁当受け取ってくれたかな?
まぁ、恵美が渡すもんなら何でも喜んで受け取るだろうけどな。
で、いったいどうすんだよ実際。
まったく自分でも意味不明なことを頭の中で浮かべては消して、また同じようなことを考え、消し去る。
「はぁ―」とため息を漏らしながら、教室の窓から外を眺めていた。
「笹崎、笹崎! おい笹崎!!」
「えっ、あ、はい」
ふと見上げれば僕の横に先生が立っていた。
「あのなぁ笹崎、お前にとって英語の授業なんて、退屈かもしれないと思うんだけど、それでも頼むよ。授業受けているふりだけでもいい、教科書くらいは出してほしいんだよな」
「あ、あっと……ええっと。すみません!」
授業始まっていたんだ。全然気が付かなかった。
マジやべぇ――。ポケッとなんか考え事していたらこんなことになっていた。
「くくくくっ!」と戸鞠が笑いをこらえている声が聞こえてくる。
だったら教えてくれよ。隣に座る杉村は、全くこっちを見ていない。
ぐっ! 杉村、無視……かよ!
なんか散々な一日のはじまりを迎えてしまったような気がする。
気を取り直そう、そう思うが意識はやっぱりどこに飛んでいた。
昼休み、またいつもの校舎裏のベンチに一人、弁当を食べにやってきた。
今日はとにかく一人になりたい。
ゆっくりと弁当でも食べて、気持ちを落ち着かせよう。昨日の夜になぜか淹れた珈琲。あの時気分的と言うか、何か胸のつかえがとれたように思えたのが、また溜まってる感が半端ない。
かといって、学校じゃ珈琲なんて淹れることなんてできない。いやいや、珈琲を淹れるることで癒されてどうするんだよ実際。
と、その時だ、やっぱりやってきた。あの姿は乃木満里奈だ。
「あ、やっぱりいましたね。せ・ん・ぱ・い」
「な、なんだよ。あ、そうだ弁当ちゃんと受け取ったんだろ。だったら今日はこの弁当は俺が食う」
「あははは、もしかして先輩、私にお弁当取られちゃうから、わざわざ作って恵美先輩に持たせたんですか? 大丈夫ですよ。私だってお弁当くらい作ってきますから」
「えっ、じゃ余計なことしたんだ」
「いえいえ、そんなこと言わないでくださいよ。せっかく料理上手で私の愛する笹崎先輩の手作りお弁当いただいたんですもの、ちゃんといただきましたよ」
「いただいたって……いつ食べたんだよ」
「朝にもらってすぐに。だから午前中はあのお弁当で私の心は先輩の愛で満たされていたんです」
「はぁ―、女子の早弁かよ!」
「あ、やだなぁ―早弁なんて、おなかすいてたから食べたんですよ。はい、これお返ししますね」
本当に食ったんだ。空になった弁当箱を手渡された。
で、これはお弁当のお返しです。
彼女の両手が肩に乗った。そして次の瞬間。
唇どうしが触れ合う。
今日はそれだけじゃなかった。つながった口の中にヌルっと押し込まれてくるものを感じた。ため込んでいたものをそのまま注ぎ込む。
離れた時に糸が引いた。その時だ、また彼女が僕の体をグイっと引き寄せまたキスをした。今度は唇が触れるだけだったが、同時に僕の脇でゴトっと音がした。
「んっ!」
強く抱きしめられ、耳元で満里奈が言う。
「最初のは恵美先輩との間接キスですよ。ちゃんと恵美先輩のうふふ、お届けしましたからね。それで次のはその上書きです。私の分」
「て、な、なんだ! 恵美との間接キスって?」
「そのままの意味ですよ。お昼の音楽準備室って誰も来ないんですよねぇ。しかも鍵内側からかけられるの知っています? あそこは私と恵美先輩の二人の秘密の場所なんですよ。それにね、部活が終わった後は気兼ねなくできる場所ですからね。言ったでしょ、私は恵美先輩のことも愛しているんだって。愛していればそう言う行為は当然ですよね……先輩」
えっ! マジ、恵美ってそっちにいっちゃっていたのか。
て、ことは……思わず想像するその世界は、ベッド下にある雑誌の世界が広がっている。
そして満里奈はグイっと抱きしめる力を強めた。
「感じます? 私の柔らかい部分。いつもはサイズ小さめのブラで抑えているんですけど、今はノーブラなんですよ。意外とあるんですから……私の―――――おっぱい」
ちょ、ちょっと待て―――――!! いつもながらこのままいくとここでこいつは裸になりかねないな。もしまたこんなところ―――――はっ!
「あのぉ――――、笹崎君。いったいあなたはこの子と。ここで何しているの?」
振り向く視界には、杉村の姿が
マジ―――――嘘だろ!
なんていう自分のふがいなさ。本当は杉村が一番気にしているのは、あの答えなんだ。
昨日の今日でその答えを出すのか? あの時ははっきりとした答えは出していない。
つまりはまだ数式は解かれていないということだ。そう、これは勉強のことだ。勉強を教えること。
そのことを意味しているんだよ……きっと。
『好きです』ていうのはさ、そのことを意味してのことを杉村が言っただけなんだよな。
―――――じゃぁ、あの……キスは……何?
あはははは、外国式のあいさつ? 杉村が? あの杉村がかよ!
そんな粋なことやるか? 杉村っておとなしくて、控えめで、恥ずかしがりやで……そうそういつも本読んでいる子。だよな。
そんな積極的なことを意味を込めてするような子じゃない。乃木満里奈のように意味不明な子じゃないよ。
あっ! 満里奈か。彼奴弁当受け取ってくれたかな?
まぁ、恵美が渡すもんなら何でも喜んで受け取るだろうけどな。
で、いったいどうすんだよ実際。
まったく自分でも意味不明なことを頭の中で浮かべては消して、また同じようなことを考え、消し去る。
「はぁ―」とため息を漏らしながら、教室の窓から外を眺めていた。
「笹崎、笹崎! おい笹崎!!」
「えっ、あ、はい」
ふと見上げれば僕の横に先生が立っていた。
「あのなぁ笹崎、お前にとって英語の授業なんて、退屈かもしれないと思うんだけど、それでも頼むよ。授業受けているふりだけでもいい、教科書くらいは出してほしいんだよな」
「あ、あっと……ええっと。すみません!」
授業始まっていたんだ。全然気が付かなかった。
マジやべぇ――。ポケッとなんか考え事していたらこんなことになっていた。
「くくくくっ!」と戸鞠が笑いをこらえている声が聞こえてくる。
だったら教えてくれよ。隣に座る杉村は、全くこっちを見ていない。
ぐっ! 杉村、無視……かよ!
なんか散々な一日のはじまりを迎えてしまったような気がする。
気を取り直そう、そう思うが意識はやっぱりどこに飛んでいた。
昼休み、またいつもの校舎裏のベンチに一人、弁当を食べにやってきた。
今日はとにかく一人になりたい。
ゆっくりと弁当でも食べて、気持ちを落ち着かせよう。昨日の夜になぜか淹れた珈琲。あの時気分的と言うか、何か胸のつかえがとれたように思えたのが、また溜まってる感が半端ない。
かといって、学校じゃ珈琲なんて淹れることなんてできない。いやいや、珈琲を淹れるることで癒されてどうするんだよ実際。
と、その時だ、やっぱりやってきた。あの姿は乃木満里奈だ。
「あ、やっぱりいましたね。せ・ん・ぱ・い」
「な、なんだよ。あ、そうだ弁当ちゃんと受け取ったんだろ。だったら今日はこの弁当は俺が食う」
「あははは、もしかして先輩、私にお弁当取られちゃうから、わざわざ作って恵美先輩に持たせたんですか? 大丈夫ですよ。私だってお弁当くらい作ってきますから」
「えっ、じゃ余計なことしたんだ」
「いえいえ、そんなこと言わないでくださいよ。せっかく料理上手で私の愛する笹崎先輩の手作りお弁当いただいたんですもの、ちゃんといただきましたよ」
「いただいたって……いつ食べたんだよ」
「朝にもらってすぐに。だから午前中はあのお弁当で私の心は先輩の愛で満たされていたんです」
「はぁ―、女子の早弁かよ!」
「あ、やだなぁ―早弁なんて、おなかすいてたから食べたんですよ。はい、これお返ししますね」
本当に食ったんだ。空になった弁当箱を手渡された。
で、これはお弁当のお返しです。
彼女の両手が肩に乗った。そして次の瞬間。
唇どうしが触れ合う。
今日はそれだけじゃなかった。つながった口の中にヌルっと押し込まれてくるものを感じた。ため込んでいたものをそのまま注ぎ込む。
離れた時に糸が引いた。その時だ、また彼女が僕の体をグイっと引き寄せまたキスをした。今度は唇が触れるだけだったが、同時に僕の脇でゴトっと音がした。
「んっ!」
強く抱きしめられ、耳元で満里奈が言う。
「最初のは恵美先輩との間接キスですよ。ちゃんと恵美先輩のうふふ、お届けしましたからね。それで次のはその上書きです。私の分」
「て、な、なんだ! 恵美との間接キスって?」
「そのままの意味ですよ。お昼の音楽準備室って誰も来ないんですよねぇ。しかも鍵内側からかけられるの知っています? あそこは私と恵美先輩の二人の秘密の場所なんですよ。それにね、部活が終わった後は気兼ねなくできる場所ですからね。言ったでしょ、私は恵美先輩のことも愛しているんだって。愛していればそう言う行為は当然ですよね……先輩」
えっ! マジ、恵美ってそっちにいっちゃっていたのか。
て、ことは……思わず想像するその世界は、ベッド下にある雑誌の世界が広がっている。
そして満里奈はグイっと抱きしめる力を強めた。
「感じます? 私の柔らかい部分。いつもはサイズ小さめのブラで抑えているんですけど、今はノーブラなんですよ。意外とあるんですから……私の―――――おっぱい」
ちょ、ちょっと待て―――――!! いつもながらこのままいくとここでこいつは裸になりかねないな。もしまたこんなところ―――――はっ!
「あのぉ――――、笹崎君。いったいあなたはこの子と。ここで何しているの?」
振り向く視界には、杉村の姿が
マジ―――――嘘だろ!
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