危ない女子会サークル 不倫で孕ませられた私だけど……それは望んでなった結果。私も娘もなんですけど!

さかき原枝都は

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危ない女子会サークル その6 

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臨月が近づき、スイミングスクールに行く回数。今は、ほとんど行っていない状態が続いていた。
むすめの鈴菜が、大きくなったおなかをさすり。

「本当にこんなに大きくなるんだおなか。なんかすごいね」

と言いながら、愛おしそうに見つめている。
夫には自分の子であるというアリバイも成立しているし、自分の子であると信じているようだ……と思う。

夫が本当に自分の子であるかと言う事を本当に信じているということに私は少し違和感を感じている。
確かにこの年で妊娠して出産すると言うのは世間的には多少噂にもなる。
多分会社内でも、私が妊娠してもうじき出産することは伝わっているだろう。そのことについて、夫は一切私には話すことは無い。
何かしら話があってもいいと思うんだけど、一切会社での噂などは口にしない。

それにおなかがこんなに大きく目立っても、夫のそぶりはいつもと何も変わらない。妊娠していないときとおまったく同じ。
しいて言えば、裏付けでしたセックス。その時からずっと私たちは肌を触れ合わせることは無かった。
安定期に入っても何も求めてくることもなく、最も私からも求めることは無かったのだから、同罪と言えばそうかもしれない。

ただ、淳史あつしとのセックスは安定期に入ってからも続いていた。

由紀子さんが出産して生まれた子を見た時。一瞬罪悪感? 完全な罪悪感では無きにしろ、何か後ろめたいようなそんな気が少し目を出しているのに気が付いたが、すぐに、早く自分も淳史の子を産みたいという母性の欲情が全てを押し込んで言っていた。

夫ではない人の子。息子と言えるほど年の離れた男性の子。

一般世間から見れば、これはれっきとした浮気。その浮気相手の子を孕んでいる自分。
その子を早く産みたいと願う自分のこの感情は、どう理解してもらったらいいんだろうか?
由紀子さんは淳史の子を産むことが出来たから本当に幸せ。と言っていたが、私が産んだ時由紀子さんのように本当に喜ぶことが出来るんだろうか?

それと同時に夫は喜ぶのか?
実はすべてばれているのではないのか、と言う恐怖心もないとは言えない。

出産が出来た後、いきなり夫から離婚届けを出されてくるのではないかと言う事もいつも頭の中に漂っているのは事実。
でも、もし。そうなればそうなったで、もうここまでくればすべてを受け入れるしかないだろう。
淳史の母親からはもし私の家庭がこのことで崩壊してしまうことがあれば、その後の生活についてはすべて保証すると言ってくれていた。もちろん娘の鈴菜も一緒にだ。
だから何も心配しないで産んでほしいと言われている。

もちろん由紀子さんも同じことを淳史の母親から告げられていた。
しかし由紀子さんは、そんなへまはしませんと言っていた。
彼女の言う通り、由紀子さんの夫も、自分の子であるということを信じ切っているようである、ともに喜んで祝福してくれていた。

女と言うのは恐ろしい生き物かもしれない。そして男と言うのは可愛そうな生き物かもしれない。
女と言う生き物は恐ろしい。とは言え、その恐ろしいことを、高揚しながら生きがいを持って、今までとは違う世界を垣間見るかのように楽しんでいる自分がいることは時は事実だ。
スイスクのサークルの中には、二児と三児は夫の子ではないことを隠して、家族として生活している強者もいる。

そんなことを頭の中でゆらゆらと考えているうちに、いよいよ私も出産の時期が来た。
お腹、下の方から、なんとも言えない痛みを感じたと思った瞬間。一気に破水した。
予定日より一週間ほど早かった。

鈴菜の時は陣痛が始まって、出産と言うか自分のおなかから、子宮から出てくるまでかなりの時間がかかった。よっぽど、おなかの中の居心地がいいのか、なかなか出て来てはくれなかった。
かなり苦しい思いをしたという記憶はいまだに鮮明に残っている。

しかし、この子はとても良い子だ。
破水してすぐに病院医行くと、そのまま分娩室に。確かに出産の時の痛みはあるが、鈴菜の時に感じた痛みとは比べ物にと言うか、なんだろう、するっとあっさりと生まれて来てくれた。
ほとんど苦痛もない。出産の痛みがこれほど軽度なものなのかと思うほど、ラクダと言う表現がいいのかどうかは分からないが、私のおなかの中で育てた子はへその緒を切られ、一人の人間としてこの世に存在したのだ。

出産時に付き添ってくれたのは娘の鈴菜。
夫は連絡を受け、駆けつけた時には私も生まれた赤ちゃんも、もう落ち着いた状態の時だった。
そして、夫が一言私に「ご苦労さん」とだけ言った。

母子ともに問題はなかった。高齢で産むということになるが、今ではそんなに珍しいことではない。と、主治医の医師からも事前に説明は受けていた。
退院し、自宅に戻ると、育児に追われる日々がやってくる。幸い鈴菜が率先して面倒を見てくれたおかげで、苦をすることもなかった。

名前は優奈ゆうなとなずけた。女の子だからだ。
由紀子さんが産んだ子も女の子。名前は亜香里あかり

日ごとにその表情はいろんな顔を見せ、由紀子さんそっくりな美人な顔立ちの子だ。
優奈も私に似てくれたのか鈴菜と良く似ている。
まさかほかの男性の子だということは、疑われることは無いというくらい鈴菜とそっくりだ。

鈴菜も優奈のことをかわいがり、まるで自分が産んだ子のように接している。
「ああ、私も早く赤ちゃん産みたいなぁ」なんて最近はよく口癖のように言う。
優奈もだいぶ成長し落ち着いたあたりに、突然のように家庭変化が訪れた。
夫が転勤になったのだ。
転勤先は北海道。

北の方にはまったく縁のなかった私だ。夫から辞令が来たと言われ、ああ、北海道か……。と未開の地への不安感を募らせたが、夫から「北海道には俺一人で行くよ」と単身赴任で行くことを告げられた。
「でもそれじゃあなたが大変でしょ。家族で移住しましょ」と私から提案したが、夫は「いや俺一人で行った方が何かと自由が利きそうだ。向こうは向こうで俺一人でも生活に困るということは無いようだし、お前たちもまだ、小さい子を連れて寒い地に行くのも大変だろう。それにお前はこっちにいる方が何かといいと思う」

最後に夫が言ったその言葉が何か引っかかったが、大丈夫だというのであれば私としては淳史と別れることがなく生活ができることに安心した。

そして一週間後、夫は一人北海道へと向かった。
そう、名目上夫のいない生活が始まったのだ。

当然のことながら淳史を家に呼ぶ回数も増えたのは言うまでもないこと。
自分の子の面倒も淳史自身も出来るようになったのだ。
由紀子さんの方は、由紀子さんが、私の家に亜香里を連れて来たり、淳史の家に連れてきたりと、由紀子さんの家に、淳史が入り込んでいくことは、ほとんどなくなっていた。
しかし、自分の子ではあるがゆえに亜香里、優奈共々淳史はとても可愛がっていた。もちろん淳史の母親も自分の孫と言う事になるわけだが、孫と言うよりは母親のような感じを持っているのは感覚的に感じていた。でも私たちの子供の育児に口を出すことは無く。ただ、自分がなしえなかったことが代わりに私と由紀子さんがやってくれたという感謝の念があふれているのはよくわかる。

淳史の母親は私達と年はさほど変わらない。されど、その性格はりはつで、明るく。見た目はかなり若く見られる。私達二人の方がおばさんって言うのがにじみ出ている感じは否めない。

もし、淳史がこの人の子でなければ、たぶんこの人は淳史の子を生んでいたんだろうな。なんて言うのをつい考えてしまう。血の繋がった親子であるがゆえに、その恋は許されなかった。
だからその代わりに私たちが、彼女の願いを聞き入れたのだということになっている。
でも実際は、私は淳史に夢中と言うか、この体はもう淳史のものになっている。

由紀子さんはどこまでが本当に淳史のことを受け入れているのかは、不明な部分はあるが。あの人はそう言うところがあるのは確か。でも、今はほかに目移りするような感じは受けていない。


そんな中、事件? と言うべきか? そうではないと言えばそうかもしれない。これは私たちの中での事なんだけど。


由紀子さんの娘。智子ともこちゃんが妊娠したのだ。
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