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危ない女子会サークル その7
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智子ちゃんは鈴菜とは友達でもあり、同じ学校に通う仲。同年代でとても仲がいい。
その友香ちゃんが妊娠! それは由紀子さんから報告を受けたことだった。
「あのね、智子出来ちゃったみたいなの。まぁ智子もそれ承知の上で、やってたからなんとも言えないんだけどね」
「ええ、嘘! そうなの。智子ちゃん付き合っていた人いたんだ」
「それがさぁ、違うのよ。尚子さん。あの人のサークルにに参加していたみたいなの」
「ほんと?」
「うん、智子からちゃんと聞いたから確かだと思うし、尚子さんにも確認したら、白状したわよ」
その時大分前に、スイスクの更衣室で智子ちゃんと尚子さんが愛し合っていた光景が目に浮かんできた。
尚子さんから、内緒にしてね。と言われ、それを正直に守っていた私。でも本当のところは忘れていたというのが実際のところ。
「それって、前に聞いたあのサークルの事? 由紀子さんもやったことあるって言うやつでしょ」
「そうそう、この母親の血を濃く受けついじゃっているんだよねぇってマジに思ったわ」
孕ませ、妊娠目的のセックスサークル。
表ざたになればややこしい事態になるのは必至。だから影の外には知られない秘密のサークル。
「で、相手は?」
「それがさ、三人なんだって。だからその三人の誰の子かは分かんないていうことなんだよね」
「それで智子ちゃんはどうしてるの?」
「それがさぁ、なんかあっけらかぁんとしているていうのか、出来たんだぁていうのがうれしくているのかどうかは分かんないんだけど、いたって普通なんだよね。でね、母子手帳も見せられて、三か月目くらいだって」
「で、どうするつもりなの? おろすの?」
「うぅ―――ん。そこなんだよね。さすがに智子が妊娠してるの旦那にばれたらそれこそ騒ぎ立てられちゃうじゃない。尚子さん経由でおろす方が無難かなぁって思うんだけど」
「智子ちゃんはどうしたいって言っているの?」
「それがさぁ、おろすのはいいんだけど、出来ればおなかが少し膨らんで中に赤ちゃんがいる実感を感じてみたい。ていうんだよね。そうなればまだおろせないていうか、まだおろすことは考えていないって言う感じで言ってくるんだよね」
「でも本当は早い方が負担も軽くて済むから早い方がいいんじゃない」
「確かにね。でも今のこの時期に手術するって言うと、まぁどっちにしても大学受験には影響出るでしょうね」
「うーーーーーん。否定は出来ないかもね」
「まっ、智子は浪人覚悟しているみたいんだけど」
「はぁ、そうなんだ」
「私の事も尚子さんから聞いているみたいなんだよね。だから強くは言えないんだよねぇ」
「ああ、なんだろうね」
「そうなのよなんだろうねていうか、まったくと言うかさぁ。でも智子もいい年なんだから、あの子の人生なんだけど、たぶん私と同じで、遊び感覚なのかもしれないし。お金目的? かもしれないし。なんとも言えないんだよね」
「ふぅ」と一息ついて、話そうかどうか迷ったけど。
話しちゃった。
「あのね。私見ちゃったんだよね。智子ちゃんと尚子さんがしているところ」
「しているところって?」
「セックス。ていうかレズ。智子ちゃんと尚子さんが二人でしているところ。結構なれているというかかなり手慣れた関係だったように見えたんだけど」
「うわぁ、尚子さん、智子にまで手だしていたんだ。彼女性欲相当強いんだよねぇ。それに両党使いだし」
「もしかして由紀子さんも相手したことあるの?」
うーーーーーん。実はあるんだよね」
「ほんと?」
「まぁね」
「もうさすがと言うか、なんと言うか由紀子さんもすごいわね」
「それ誉め言葉としてもらっておくわ」
「それはそうとほんと智子ちゃんどうするの?」
「ま、なるようになるでしょ。智子とももっと向き合って相談してみるけどね」
「そうだね。智子ちゃんまだ若いんだから、無理することは無いと思うんだけど」
とはいうものの、その年頃の私はそう言う衝動に一番駆られていたのは事実だった。だから羨ましいって言う気持ちにもなっている自分がいた。
こんな会話だけで、ショーツがもうぐちゃぐちゃに濡れていた。
「鈴菜ちゃんももう知っているはずだから、それとなく話してみた方がいいと思うわよ」
「そうね、分かったわありがとう」
由紀子さんとの通話が切れてすぐに、スマホにメッセージが着信した。
夫からだった。
短いメッセージ。
「すまん。離婚してくれないか」
へっ?
すぐに通話した。
「ちょっと、どういうことなの?」
速攻一番私の問いに、夫は言葉を返すことが出来なかったようだ。
少しの沈黙の後。
「すまん」と一言。
「それだけじゃ分かんないんだけど」
「……じ、実は付き合っていた女性がいて……。そのなんだ。妊娠させてしまった」
「はぁ?」
思わず出た声。
「驚くのも無理がないと思う。でももう妊娠六か月なんだ。おろすことは出来ない」
「六か月って……もしかしてその人と一緒に今暮しているの?」
「まぁなんだそう言うことになる」
なんか一瞬にして頭がごちゃごちゃとして収集がつかなくなってきた。そして夫から言われた言葉で、私の心臓の鼓動は激しく高鳴る。
「お前もさ、そのなんだ……優奈。――――本当は俺の子じゃないんだろ。お前も付き合っている奴いるんだろ。その男の子を生んでいるんだろ」
頭が真っ白!! ああ、ばれていたんだ。
がっくりとそのまま、頭が下がった。
数分間私たちは無口のまま通話を続けていた。
そして。
「ごめんなさい。その通りです」と無意識にその言葉を私は発していた。
「別に責めたりはせん。今もその人とは続いているんだろ」
もうなんか一瞬にして覚悟が決まった感じがした。
「ええ、続いています」
「そうか、じゃぁ寂しくはないな。それに鈴菜もそのこと知っているんだろ」
「どうして? 鈴菜から聞いたの?」
「いや、なんとなくそんな気がしてたんだ」
「で、あなたはその人とは前から付き合っていたんだ」
「もう、隠すこともないから言うが付き合って三年になる」
「私と同じくらいの人?」
また間があいた。
「今、二十二になる」
一瞬聞き間違いかと思った。
「二十二歳? 三年まえからって十九歳の時から……なの?」
ちょっと待て、鈴菜とそんなに年変わんないじゃない。娘と同じ年頃の子と付き合っていた?
「実は妊娠したのは今回が初めてじゃないんだ、前にも妊娠しておろしているんだ。またおろすのはどうしてもいやだと彼女は言うし、俺も、彼女にこれ以上悲しい思いはさせたくはない。お前には今まで尽くしてもらった恩は計りえないくらい感謝している。だから、その家の権利はお前にやる。もうローンもあとわずかだ。その分は俺が責任をもって返済する。だが、俺もこれから生まれてくる子のこともあるから、お前に慰謝料を支払うだけの経済力は無いんだ。それにこんなことを言えば悪いがお互い様じゃないのか? それを踏まえて何とか、穏便に和解して離婚してくれないか。……頼む」
いきなりの事で、即座に”はい”そうですかと言えるほど、肝は座っていない。でも私も突っ込まれれば夫には勝てないのは当たり前。
「少し時間をもらえませんか」
「どれくらいだ」
「一週間くらい……」適当に一週間と言ったけど足りるだろうか?
「わかった。離婚届けはこっちで用意する。記名捺印もすべて記載した離婚届けを郵送するから、そのあと、済まないが処理をしてくれ。調停離婚になれば裁判所へ出向かないといけなくなる。俺も今北海道だ。お互いこの距離を移動するのは大変だろう。だから、お前の要望も出来るだけ聞き入れるように対処するから、そのまま受理させてくれ。頼む」
「……」
「まずはお前からの連絡を待つよ。一週間。勝手なことを言って済まない。それじゃ」
通話はなんか一方的に途切れた感じがした。
その友香ちゃんが妊娠! それは由紀子さんから報告を受けたことだった。
「あのね、智子出来ちゃったみたいなの。まぁ智子もそれ承知の上で、やってたからなんとも言えないんだけどね」
「ええ、嘘! そうなの。智子ちゃん付き合っていた人いたんだ」
「それがさぁ、違うのよ。尚子さん。あの人のサークルにに参加していたみたいなの」
「ほんと?」
「うん、智子からちゃんと聞いたから確かだと思うし、尚子さんにも確認したら、白状したわよ」
その時大分前に、スイスクの更衣室で智子ちゃんと尚子さんが愛し合っていた光景が目に浮かんできた。
尚子さんから、内緒にしてね。と言われ、それを正直に守っていた私。でも本当のところは忘れていたというのが実際のところ。
「それって、前に聞いたあのサークルの事? 由紀子さんもやったことあるって言うやつでしょ」
「そうそう、この母親の血を濃く受けついじゃっているんだよねぇってマジに思ったわ」
孕ませ、妊娠目的のセックスサークル。
表ざたになればややこしい事態になるのは必至。だから影の外には知られない秘密のサークル。
「で、相手は?」
「それがさ、三人なんだって。だからその三人の誰の子かは分かんないていうことなんだよね」
「それで智子ちゃんはどうしてるの?」
「それがさぁ、なんかあっけらかぁんとしているていうのか、出来たんだぁていうのがうれしくているのかどうかは分かんないんだけど、いたって普通なんだよね。でね、母子手帳も見せられて、三か月目くらいだって」
「で、どうするつもりなの? おろすの?」
「うぅ―――ん。そこなんだよね。さすがに智子が妊娠してるの旦那にばれたらそれこそ騒ぎ立てられちゃうじゃない。尚子さん経由でおろす方が無難かなぁって思うんだけど」
「智子ちゃんはどうしたいって言っているの?」
「それがさぁ、おろすのはいいんだけど、出来ればおなかが少し膨らんで中に赤ちゃんがいる実感を感じてみたい。ていうんだよね。そうなればまだおろせないていうか、まだおろすことは考えていないって言う感じで言ってくるんだよね」
「でも本当は早い方が負担も軽くて済むから早い方がいいんじゃない」
「確かにね。でも今のこの時期に手術するって言うと、まぁどっちにしても大学受験には影響出るでしょうね」
「うーーーーーん。否定は出来ないかもね」
「まっ、智子は浪人覚悟しているみたいんだけど」
「はぁ、そうなんだ」
「私の事も尚子さんから聞いているみたいなんだよね。だから強くは言えないんだよねぇ」
「ああ、なんだろうね」
「そうなのよなんだろうねていうか、まったくと言うかさぁ。でも智子もいい年なんだから、あの子の人生なんだけど、たぶん私と同じで、遊び感覚なのかもしれないし。お金目的? かもしれないし。なんとも言えないんだよね」
「ふぅ」と一息ついて、話そうかどうか迷ったけど。
話しちゃった。
「あのね。私見ちゃったんだよね。智子ちゃんと尚子さんがしているところ」
「しているところって?」
「セックス。ていうかレズ。智子ちゃんと尚子さんが二人でしているところ。結構なれているというかかなり手慣れた関係だったように見えたんだけど」
「うわぁ、尚子さん、智子にまで手だしていたんだ。彼女性欲相当強いんだよねぇ。それに両党使いだし」
「もしかして由紀子さんも相手したことあるの?」
うーーーーーん。実はあるんだよね」
「ほんと?」
「まぁね」
「もうさすがと言うか、なんと言うか由紀子さんもすごいわね」
「それ誉め言葉としてもらっておくわ」
「それはそうとほんと智子ちゃんどうするの?」
「ま、なるようになるでしょ。智子とももっと向き合って相談してみるけどね」
「そうだね。智子ちゃんまだ若いんだから、無理することは無いと思うんだけど」
とはいうものの、その年頃の私はそう言う衝動に一番駆られていたのは事実だった。だから羨ましいって言う気持ちにもなっている自分がいた。
こんな会話だけで、ショーツがもうぐちゃぐちゃに濡れていた。
「鈴菜ちゃんももう知っているはずだから、それとなく話してみた方がいいと思うわよ」
「そうね、分かったわありがとう」
由紀子さんとの通話が切れてすぐに、スマホにメッセージが着信した。
夫からだった。
短いメッセージ。
「すまん。離婚してくれないか」
へっ?
すぐに通話した。
「ちょっと、どういうことなの?」
速攻一番私の問いに、夫は言葉を返すことが出来なかったようだ。
少しの沈黙の後。
「すまん」と一言。
「それだけじゃ分かんないんだけど」
「……じ、実は付き合っていた女性がいて……。そのなんだ。妊娠させてしまった」
「はぁ?」
思わず出た声。
「驚くのも無理がないと思う。でももう妊娠六か月なんだ。おろすことは出来ない」
「六か月って……もしかしてその人と一緒に今暮しているの?」
「まぁなんだそう言うことになる」
なんか一瞬にして頭がごちゃごちゃとして収集がつかなくなってきた。そして夫から言われた言葉で、私の心臓の鼓動は激しく高鳴る。
「お前もさ、そのなんだ……優奈。――――本当は俺の子じゃないんだろ。お前も付き合っている奴いるんだろ。その男の子を生んでいるんだろ」
頭が真っ白!! ああ、ばれていたんだ。
がっくりとそのまま、頭が下がった。
数分間私たちは無口のまま通話を続けていた。
そして。
「ごめんなさい。その通りです」と無意識にその言葉を私は発していた。
「別に責めたりはせん。今もその人とは続いているんだろ」
もうなんか一瞬にして覚悟が決まった感じがした。
「ええ、続いています」
「そうか、じゃぁ寂しくはないな。それに鈴菜もそのこと知っているんだろ」
「どうして? 鈴菜から聞いたの?」
「いや、なんとなくそんな気がしてたんだ」
「で、あなたはその人とは前から付き合っていたんだ」
「もう、隠すこともないから言うが付き合って三年になる」
「私と同じくらいの人?」
また間があいた。
「今、二十二になる」
一瞬聞き間違いかと思った。
「二十二歳? 三年まえからって十九歳の時から……なの?」
ちょっと待て、鈴菜とそんなに年変わんないじゃない。娘と同じ年頃の子と付き合っていた?
「実は妊娠したのは今回が初めてじゃないんだ、前にも妊娠しておろしているんだ。またおろすのはどうしてもいやだと彼女は言うし、俺も、彼女にこれ以上悲しい思いはさせたくはない。お前には今まで尽くしてもらった恩は計りえないくらい感謝している。だから、その家の権利はお前にやる。もうローンもあとわずかだ。その分は俺が責任をもって返済する。だが、俺もこれから生まれてくる子のこともあるから、お前に慰謝料を支払うだけの経済力は無いんだ。それにこんなことを言えば悪いがお互い様じゃないのか? それを踏まえて何とか、穏便に和解して離婚してくれないか。……頼む」
いきなりの事で、即座に”はい”そうですかと言えるほど、肝は座っていない。でも私も突っ込まれれば夫には勝てないのは当たり前。
「少し時間をもらえませんか」
「どれくらいだ」
「一週間くらい……」適当に一週間と言ったけど足りるだろうか?
「わかった。離婚届けはこっちで用意する。記名捺印もすべて記載した離婚届けを郵送するから、そのあと、済まないが処理をしてくれ。調停離婚になれば裁判所へ出向かないといけなくなる。俺も今北海道だ。お互いこの距離を移動するのは大変だろう。だから、お前の要望も出来るだけ聞き入れるように対処するから、そのまま受理させてくれ。頼む」
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