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特別編3:異世界
謎
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お祈りを済ませて特に神界に行くこともなかったのでそのまま教会から出る事に。
さっきの神父さん?は既にいなかった。
教会の事を色々と聞いてみたかったんだけどなぁ。
「帰る人には用はないって事かな?」
アンネさんは周りを見渡しながら呟いている。
「そうだね。ところでミナちゃん、お祈りして何か起こった?」
ほのかさんはアンネさんに答えながら私に聞いてくる。
「ええと、思った様な事は起こらなかったんですけど、何処からか知らない人の声が聞こえてきませんでした?」
「聞こえませんでしたね」
「同じく」「私もだよ」
3人ともあの声は聞こえなかったみたい。
…私にだけ聞こえた声の主は誰だったんだろう?
単純に考えるならこの世界の神様かな?
何やら否定的な事を言っていた様な感じだったけど…。
よく聞き取れなかったからなぁ。
私達が教会から出て丘を降りていくと、見かけの良い服装をした若い夫婦が登って来ている所に出会う。
「こんにちは」
「こんにちは。お祈りして来たのかい?偉いね」
奥さんが微笑みながら言ってくる。
「あの、私達この街に来たばかりで何も知らないのですけど、聖アドアリスというのは教会の中にある石像の方ですか?」
「聖アドアリスはこの街を作った人の名前だよ。祀られているのはファルシーネ様だよ」
旦那さんの方が説明してくれる。
ファルシーネ様というのはこの辺りで広く信仰されている神様で、大地の神様らしい。
「船乗りの多いこの街では特に信仰が厚いんだ」
「船乗りなら海の神様じゃないの?」
アンネさんが聞くと夫婦は顔を曇らせる。
「君達、もしかして邪教徒じゃないだろうね?海に神は居ないんだ。いるのは海の悪魔ラウト・オセアーン。彼は船乗り達を船ごと海の底に引き摺り込んでしまう恐ろしい悪魔だよ」
「そうだったんですね。私達神様についてあまり考えた事無くて…教会に祀られている神様にお祈りをすればいい位しか思ってなかったんです。ごめんなさい」
「いやいや、君達くらいの歳ならそんなものかもしれないね。でもこの街ではラウト・オセアーンの名前はあまり出さない方がいい。船乗りはその名前を聞くだけで縁起が悪いと怒り出すからね」
慌てて謝ると2人はすぐに穏やかな表情に戻ってアドバイスをしてくれて去っていった。
「海の悪魔ね。案外神様だったりして」
「ありえるかも。地球でも宗教の違いで神様になったり悪魔になったりするから」
アンネさんとほのかさんが話している。
こういう話はリオさんやユキさんが詳しいんだよね。
あの声はファルシーネ様のものだったのかな?天啓が発生しなかったのは、アスティアじゃないからか、私がこの世界の人じゃないからかな?
それなら誰かに話して…例えばリムちゃんに本当の事を話して、お祈りを手伝ってもらうとか。幸運にオーバーブーストを掛けて。
いやいや、仮にリムちゃんが神界に行ったとして、神様に何を話してもらうの?
それにリムちゃんに掛かる負担も考えなくちゃ。
うん、この案はボツだね。
みんなの意見も聞きたいし、歩きながら天啓について説明した。
「そういう事でしたか。私達の世界ではそう言った事象は聞いた事はありませんね」
「神様関連でアニエスが聞いた事ないなら多分私達の世界には無いと思う」
なるほど。アニエスさんとアンネさんの世界は天啓は無いと。
「他の神様にも祈ってみたらどうかな?」
「他の神様ですか…」
ほのかさんの言う事には賛成だよ。試してみる価値はある。
神様の名前が分かれば良いんだけど…。
その辺りの人に聞いて信仰の厚い人だったりしたらトラブルになるかもしれない。
「取り敢えず孤児院の子達に聞いてみようか」
「そうしましょう」
それがいいね。
帰り道、街の中心の広場を通りかかる。
そういえばこの広場に来るのって初めてだ。
広場には沢山露店が出ていて色々な食べ物が売っていた。
みんなに買っていってあげたいなあ。
「美味しそう…食べたい…」
「駄目ですよアンネさん。孤児院のみんなの事を考えてください」
アニエスさん偉いなぁ。ちゃんとアンネさんを引き止めてる。
「じゃあみんなの分も買っていけばいいよね?」
「まあ…それならいいですよ」
「じゃあ頼んでくる!」
そう言って近くの串焼き屋さんに行って「100本ください」と言ってお店のおじさんを驚かせていた。
焼き上がりをインベントリに入れてしまえばみんなに焼きたてを食べさせてあげられる。
かなり時間が掛かりそうなので広場を見て回る事にした。
お店の数も多いし賑やか良い雰囲気だ。
この街は色んな顔を持っている。
表の部分と裏の部分。
豊かな人がいれば貧しい人もいる。
みんなが平等に、豊かに暮らす事は出来ないのかな?
歩いていたら広場の中央に着いた。
そこには大きな石像が立っていた。
2人の女性の石像。1人は教会で見た神様ファルシーネ様。もう1人は誰だろう?
鑑定してみたら【聖アドアリス像】と出た。
街を作った人らしいけど、どんな人なんだろう?鑑定で調べられないかな?
【聖アドアリス レギュイラ半島を平定し街を建設した英雄】
おお…!スゴい!
じゃあ神様の事も何か分かるかな?
【ファルシーネ像 大地の神アイナフェヌアを隠蔽する為に創造された偽物の神の石像】
え…?偽物の神…?
どういう事?
さっきの神父さん?は既にいなかった。
教会の事を色々と聞いてみたかったんだけどなぁ。
「帰る人には用はないって事かな?」
アンネさんは周りを見渡しながら呟いている。
「そうだね。ところでミナちゃん、お祈りして何か起こった?」
ほのかさんはアンネさんに答えながら私に聞いてくる。
「ええと、思った様な事は起こらなかったんですけど、何処からか知らない人の声が聞こえてきませんでした?」
「聞こえませんでしたね」
「同じく」「私もだよ」
3人ともあの声は聞こえなかったみたい。
…私にだけ聞こえた声の主は誰だったんだろう?
単純に考えるならこの世界の神様かな?
何やら否定的な事を言っていた様な感じだったけど…。
よく聞き取れなかったからなぁ。
私達が教会から出て丘を降りていくと、見かけの良い服装をした若い夫婦が登って来ている所に出会う。
「こんにちは」
「こんにちは。お祈りして来たのかい?偉いね」
奥さんが微笑みながら言ってくる。
「あの、私達この街に来たばかりで何も知らないのですけど、聖アドアリスというのは教会の中にある石像の方ですか?」
「聖アドアリスはこの街を作った人の名前だよ。祀られているのはファルシーネ様だよ」
旦那さんの方が説明してくれる。
ファルシーネ様というのはこの辺りで広く信仰されている神様で、大地の神様らしい。
「船乗りの多いこの街では特に信仰が厚いんだ」
「船乗りなら海の神様じゃないの?」
アンネさんが聞くと夫婦は顔を曇らせる。
「君達、もしかして邪教徒じゃないだろうね?海に神は居ないんだ。いるのは海の悪魔ラウト・オセアーン。彼は船乗り達を船ごと海の底に引き摺り込んでしまう恐ろしい悪魔だよ」
「そうだったんですね。私達神様についてあまり考えた事無くて…教会に祀られている神様にお祈りをすればいい位しか思ってなかったんです。ごめんなさい」
「いやいや、君達くらいの歳ならそんなものかもしれないね。でもこの街ではラウト・オセアーンの名前はあまり出さない方がいい。船乗りはその名前を聞くだけで縁起が悪いと怒り出すからね」
慌てて謝ると2人はすぐに穏やかな表情に戻ってアドバイスをしてくれて去っていった。
「海の悪魔ね。案外神様だったりして」
「ありえるかも。地球でも宗教の違いで神様になったり悪魔になったりするから」
アンネさんとほのかさんが話している。
こういう話はリオさんやユキさんが詳しいんだよね。
あの声はファルシーネ様のものだったのかな?天啓が発生しなかったのは、アスティアじゃないからか、私がこの世界の人じゃないからかな?
それなら誰かに話して…例えばリムちゃんに本当の事を話して、お祈りを手伝ってもらうとか。幸運にオーバーブーストを掛けて。
いやいや、仮にリムちゃんが神界に行ったとして、神様に何を話してもらうの?
それにリムちゃんに掛かる負担も考えなくちゃ。
うん、この案はボツだね。
みんなの意見も聞きたいし、歩きながら天啓について説明した。
「そういう事でしたか。私達の世界ではそう言った事象は聞いた事はありませんね」
「神様関連でアニエスが聞いた事ないなら多分私達の世界には無いと思う」
なるほど。アニエスさんとアンネさんの世界は天啓は無いと。
「他の神様にも祈ってみたらどうかな?」
「他の神様ですか…」
ほのかさんの言う事には賛成だよ。試してみる価値はある。
神様の名前が分かれば良いんだけど…。
その辺りの人に聞いて信仰の厚い人だったりしたらトラブルになるかもしれない。
「取り敢えず孤児院の子達に聞いてみようか」
「そうしましょう」
それがいいね。
帰り道、街の中心の広場を通りかかる。
そういえばこの広場に来るのって初めてだ。
広場には沢山露店が出ていて色々な食べ物が売っていた。
みんなに買っていってあげたいなあ。
「美味しそう…食べたい…」
「駄目ですよアンネさん。孤児院のみんなの事を考えてください」
アニエスさん偉いなぁ。ちゃんとアンネさんを引き止めてる。
「じゃあみんなの分も買っていけばいいよね?」
「まあ…それならいいですよ」
「じゃあ頼んでくる!」
そう言って近くの串焼き屋さんに行って「100本ください」と言ってお店のおじさんを驚かせていた。
焼き上がりをインベントリに入れてしまえばみんなに焼きたてを食べさせてあげられる。
かなり時間が掛かりそうなので広場を見て回る事にした。
お店の数も多いし賑やか良い雰囲気だ。
この街は色んな顔を持っている。
表の部分と裏の部分。
豊かな人がいれば貧しい人もいる。
みんなが平等に、豊かに暮らす事は出来ないのかな?
歩いていたら広場の中央に着いた。
そこには大きな石像が立っていた。
2人の女性の石像。1人は教会で見た神様ファルシーネ様。もう1人は誰だろう?
鑑定してみたら【聖アドアリス像】と出た。
街を作った人らしいけど、どんな人なんだろう?鑑定で調べられないかな?
【聖アドアリス レギュイラ半島を平定し街を建設した英雄】
おお…!スゴい!
じゃあ神様の事も何か分かるかな?
【ファルシーネ像 大地の神アイナフェヌアを隠蔽する為に創造された偽物の神の石像】
え…?偽物の神…?
どういう事?
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