セ○クスしないと出られない部屋にノンケ球児2人詰め込んでみました

とくち

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セ○クスしないと出られない部屋にノンケ球児2人詰め込んでみました〜1日目〜

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目が覚めたとき、まず感じたのは背中のじっとりした湿気だった。
なんかこう、布団とかじゃなくて、やたら柔らかくて広いベッドの上に寝てて、しかもそのベッドがありえないくらい清潔で真っ白で、でも俺の体だけが、やたら汚れてる感じがした。

目を開けると、天井が真っ白で、照明もあるようなないような、不思議な明るさで。
なんか、病院でもなくて、体育館でもなくて、ホテルでもない、妙に“何もない”空間。

そして俺は、野球のユニフォーム姿だった。
昨日の部活終わり、そのまま帰って風呂にも入らず寝ちまったのか?とか一瞬考えたけど──いや、違う。
そもそも俺、昨日の練習終わりはシャワー浴びたはずだし、帰ってから家でメシも食ってる。
んで、ベッドでスマホ見ながら寝落ちした……はずだった。

けど今、着てるユニは──

「くっさ……」

思わずつぶやいた。
汗と泥と、ちょっとカビっぽい匂い。

ベルトが食い込む。
インナーは汗で肌にぴったり貼りついてて、脇のあたりが乾ききらずにヌルヌルしてる。
土と草の混じった膝の汚れ、胸元の番号の隙間に乾いた汗の白い塩。

「マジでどゆこと……」

そして──隣で、誰かがいびきをかいてた。

「……っ!?」

ビクッとして、反射的に跳ね起きる。

見れば、そいつも同じようにユニフォーム姿。
こっちも土にまみれてて、シャツの背番号は……『4』。
ああ、見覚えあると思ったら、コイツ──駒沢康平だ。

低渋学園のセカンド。俺とは二遊間。
一応ポジション近いから連携も多いし、部内でも喋る機会はある。
けど、別に“仲良し”ってわけじゃない。普通に会話するだけ。
なんなら、ちょっと苦手なタイプ。軽いし、女子にもよく話しかけてるし。

それに、なんつーか……チャラい。
彼女いるって噂も聞いたことある。

「……おい、康平。起きろよ」

肘で軽く突っつく。
無反応。いびき継続。
仕方なく、もう少し強く──「おいって!」

「……ぅ、ん……あ~……んぁ? なんやねん……」

やっと目を開けた康平は、寝起きのクセにやたら声がダルそうで。
それでも、あたりを見回すと、すぐに顔が強張った。

「……は?」

「わけわかんねーよな、これ」

俺が言うと、康平は頭をガシガシかいて起き上がる。

「お前……勇人やんな? 高倉勇人」

「ああ」

「……おもろないドッキリ仕掛けられたんか思たわ、マジで」

「こんなドッキリあるかよ」

ベッドの端に並んで座って、ふたりで周囲を見渡す。
けど、やっぱり“何もない”。部屋は広い。ベッドがキングサイズなだけに、余計広く感じる。
けど、壁も天井も床も全部真っ白。窓もなければ、ドアも見当たらない。

「なんやこれ……倉庫?密室?わけわからん……」

「てか、スマホもねぇし。ポケットも空っぽ」

「同じくや。ユニとスパイクだけ。なんでスパイク履いたまま寝てんねん、俺ら……」

ふたりして立ち上がり、部屋の中を歩き回る。
トイレがあることには気づいた。
あと、端っこの壁に簡易な棚があって、水のペットボトルと、菓子パンが大量に。

「これ、俺ら、監禁されてんちゃうか……?」

「……そうだよな……」

そう答えながら、俺の手はある一点に向かって止まった。

「……あれ、紙?」

壁の一部に貼られていた。
B5サイズぐらいの真っ白な紙。中央に、たった一文だけ。

──『この部屋から出る方法はただひとつ。セックスを完了させること。』

「…………」

「……は?」

思わず、康平と同時に声が漏れた。

なんか、妙にタイミングがピッタリすぎて、逆に気持ち悪い。
けど、それどころじゃなかった。俺はその紙にもう一度目をやった。
そこにはやっぱり、たった一文だけが、はっきりと書いてある。

『この部屋から出る方法はただひとつ。セックスを完了させること。』

「……え、なに……これ……冗談?」

俺が言うと、康平も眉をひそめて、紙に近づいた。
どう見ても、ちゃんとしたプリンターで打ち出されたような整った文字。
ふざけてるとか、悪ノリとか、そういう空気は一切ない。
むしろ、すげえ無機質で、冷たくて、意味だけが突き刺さってくる。

「セックスって……いやいや、どういうこと?」

「お前……まさか、意味わかってへんとか言わんよな?」

「え、意味って……セックスって、アレだろ?男と女が、する……その……えっちなやつ」

「いや……そらそうやけど……」

康平はため息まじりにこっちを見たあと、ちょっとだけ笑った。

「お前、あれやな。純粋すぎるやろ……ほんまに、○○生か?」

「はぁ!? いや、別に俺だって、知らんわけじゃねーし……セックスがどういうことかぐらい……」

「ほんならさ、この状況で“誰とするん?”って話やん。俺らしかおらん。つまり、男同士や」

「……だからって……男同士って、何すんだよ……セックスって男と女でする、やつなんだろ……」

「……いや、やからケツ使うんや、ケツ穴。アナルや」

「……っ……は? え、ケツって……」

マジで意味がわからなかった。
ケツって、あの、ウンコ出すとこじゃん。
そんなとこに、え、ちんこ入れるってこと? いやいやいや、ないないないないない。

「なんでお前そんな詳しいんだよ……」

俺がジト目で言うと、康平は鼻を鳴らして、

「兄貴おるからな。昔よう隠れてAV見とったんや」

「は?」

「で、ニューハーフもんとかあんねん、普通に。そん中でやっとったわ、ケツに。男のが、男に」

「ニューハーフって……なんかキモいな……」

「見ただけやし! 別に好きとかちゃうし! 興味本位や!」

康平がちょっとムキになって言い返してくるのが、逆にウケた。
でも、俺は未だに頭が追いついてない。

「つーか、そういうの、知ってるだけでヤバいっしょ……てか、え? なんでそんな、AVとか見てんの……」

「いや、お前……AVぐらい見るやろ? ○○生やぞ?」

「俺、見たことないし……」

「え、うっそやん……マジで?」

「……だって、俺のスマホにそういうの見れない設定だし……てか、そういうの見ていいの、大人になってからじゃねーの……」

「いやいやいやいや、お前、真面目すぎやろ、昭和か。なんなら、"見るだけ"じゃ終わらへんぞ」

康平が吹き出す。

「……ってことは、康平は……さ、そういうの……したこと、あんの?」

俺が少し間を置いて聞くと、康平はちょっとだけ目を細めて、ニヤリと笑った。

「……まぁな。中学んときから付き合っとる彼女おるし」

「え、マジで? 彼女いるって噂、本当だったの?」

「本当も何も、今も週一くらいで会うで。てか、わざわざ“したことある?”とか聞かんでも、分かるやろ」

「……不純異性交遊じゃん……」

「それ、真顔で言うやつ、初めて見たわ……」

康平がクッと笑いながら、俺の肩を小突いてくる。

「……じゃあ、お前は? セックス……あるわけないか」

「べ、別に……それが普通じゃね?」

「うっわ、ピッカピカの童貞やん」

「……うるせぇ」

顔が熱くなって、つい睨んでしまう。
でも、康平はぜんぜん悪びれずに笑ってた。

「じゃあ、オナニーは?そんぐらい、やったことあるやろ?」

「……ある……」

「何で抜いとん?」

「……手」

「いやそれは分かるけど、ネタやネタ。妄想? それともなんか、絵?」

「……たまにSNSとかで流れてくるグラビアとか……」

「うわっ、ピュア……いや、可愛い通り越して不安やわ……」

康平はやたら笑ってたけど、俺の中にはマジの驚きが渦巻いていた。
セックスって、“やっていいもの”なのか?
いや、やったことある人が、こんなに身近にいるっていうのが、まず信じられなかった。

てか、そんな康平が、“男同士のセックス”も知ってて、それを当たり前の知識みたいに話してるのが、なんか、怖かった。

「……で、マジで俺らにその……セックスを、男同士のを、やらせようとしてんのか、この部屋は……?」

俺の問いに、康平は肩をすくめて、

「知らん。けどな、少なくとも、何かせな出られん、てのはマジっぽいやん」

「……いや、無理だろ。ケツとか、絶対無理だし」

「俺も入れられたくはないわ。入れたいとも思わん」

「……じゃあ、終わりじゃん……」

「そやな……」

言葉が、ふたりとも出てこなかった。
部屋は静かだった。壁も白くて、床もツルツルしてて、何もない。
その中で、俺と康平の汗で汚れたユニフォームだけが、場違いなくらい、生々しく匂っていた。
この無機質すぎる白い空間に、泥と汗とスパイクのゴムのにおいだけが、浮いてるみたいに漂ってる。

「……腹、減ったなぁ」

康平がぽつりと呟いて、俺もうなずいた。
そういや、最後に飯食ったのって、昨日の夜……いや、昨日っていつだ?
もしかしてもう二日ぐらい経ってんじゃね?ってぐらい腹がペコペコだ。

壁の端、低い棚に置かれたパンに目が行く。
銀色の個包装。スーパーとかでよく見る安いやつ。ミルク蒸しパンと、チョコチップ入りのコッペパン。どっちも好きじゃないけど、今は何でもいい。

床にしゃがんで、そのパンを取る。包装ビニールがカサッと音を立てる。
背中のユニフォームが引きつれて、汗ばんだインナーがベリッと背中から剥がれる。

「……マジで、最悪だな」

ボソッと呟いて口にパンを放り込む。
ミルクの甘ったるさと、空腹のギャップで、逆に吐きそうになった。

康平は黙ってコッペパンの方を選んでて、やたら口を大きく開けて頬張ってた。
彼女とセックスしたとか言ってたけど、なんかこの食べ方、やたら子供っぽい。

「水、あるで」

康平がペットボトルを渡してきた。
口をつけると、ぬるい。冷たくない。ただの水。
でも、一気にゴクゴク飲み干した。

そのとき、ふと視界の端にあったボトルに気づいた。
床にポンと置かれた、オレンジ色のキャップのボトル。
形は筒状で、透明な中身がそこにある。

「……え、何これ」

「ん? ああ、それローションやろ」

「ローション? グラブの……あれ? ツヤ出すやつ?」

康平が一瞬ポカンとした顔になって、すぐに吹き出した。

「いや、ちゃうちゃう、そっちのローションちゃう。お前、マジで……マジでなんも知らんねんな……」

「……な、なに?」

「いいか、説明してやるわ。このローションっていうのは、ええか、こう……」

康平はボトルを手に取り、振ってみせた。
とろみのある液体が、中でぐにゃぐにゃ動く。なんか、見たことない質感。

「男のアナルって、女みたいに勝手に濡れたりせえへんの。せやから、こういうローション使って、滑りよくしてから、入れるんや」

「……っ!? えっ!? えっと、つまり、女って、あそこからローション出てくんの!?」

「違う違う違う違う! そういうことやない!」

康平が思いっきりツッコんできた。
いや、でも、俺としてはマジで初耳だった。

「てかさ、お前ほんまにどこまで知らんの?性教育どうなってんねん、うちの学校……」

「いや、授業はお前だって、同じの受けてるじゃん……」

「いやいやいや……お前、仮にも〇〇生やで……それで、童貞で、セックス知らんくて、ローションがグラブの話と思ってて……うーわ……」

康平がローションを元の位置に戻して、膝抱えて笑い出した。
なんかイラッとする。イラッとするけど、反論できない。

「……くそ」

菓子パンのゴミをまとめて棚に置いて、水をもう一口飲む。
口の中に残る甘ったるさと、ローションの見た目と、康平の笑い声。
どれもこれも、気持ち悪い。

「……とりあえず、出る方法ないか、探してみね?」

俺が言うと、康平は「せやな」って言って立ち上がった。

ふたりで部屋をくまなく見てまわる。
壁を叩いてみたり、天井の隅を見上げたり、トイレの中まで覗いてみたり。
けど、マジで何もなかった。

部屋の広さは、感覚的に言えば……球場のインフィールドぐらいか?
端から端まで全力で走ったら4秒ぐらいで壁にぶつかる。
真っ白な空間。天井も高い。でも窓はない。ドアもない。
ベッド、トイレ、棚。菓子パンと水と、ローション。
それ以外、なにひとつ存在しない。

「……無理やな」

康平がぽつりと呟く。

「だな……」

俺も、ベッドに戻って腰を下ろす。
もう、意味が分かんなすぎて、考える気力もなかった。

「……も、寝ちまうか」

「……そうするしかあらへんなぁ」

「てかさ、お前、寝る前にその汚れたユニぐらい脱げよ。……ベッド汚れるし」

「……え、勇人くん、ウチのこと、脱がせてどうする気なん?」

言いながら、康平はニヤニヤした顔で、ゆるゆるとベルトを外し始めた。
完全に茶化してるのがわかるけど、こっちが真面目なぶん、腹立つっていうか、なんか、むずがゆかった。

「は? ふざけんな、さっさと脱げ。マジで汚いから。つか、くせぇし」

「へーい、へーい……」

康平はめんどくさそうに立ち上がって、上から順にユニを脱ぎ始めた。
汗でくっついたインナーが、背中から剥がれる音がして、空気に汗臭がふわっと広がる。
そのままズボンも、スパッと脱いで、ボクサーパンツだけになった康平は、躊躇もなくベッドに戻ってゴロンと寝転がった。

「……は~~……やっぱ、ベッド広いってええわ。贅沢やわ~」

康平の裸足がベッドの上でダラッと伸びて、パンツ一丁の状態で平然としている姿に、なんかこう……目のやり場に困る。

「お前もさっさと脱げや。汚れるやろ?」

「……わかってるよ」

俺も渋々、ベルトを外して、上着を脱いだ。
肌に貼りついていたインナーが、音を立てて剥がれる。
その瞬間、汗と体臭がふわりと立ちのぼって、思わず顔をしかめる。

スパイクを脱ぎ、ズボンを下ろし、トランクスだけになる。
そのままベッドの反対側に滑り込むと、シーツがさらっとしてて、変に気持ちよかった。

「……なぁ、これ、地味にホテルとかのベッドよりでかくね?」

「キングサイズやろな。ふたりで寝ても、余裕やわ」

康平がくつくつ笑いながら、背中をこちらに向けて寝返りを打つ。
俺も背中を向けて、なるべく距離を取って横になった。
ふたりの間に広がるシーツには、まだ汗の湿り気が残っている気がした。

目を閉じると、白い天井が瞼の裏にも残ってる。
なんもない。誰もいない。
けど、俺と康平だけが、やたら生々しく、この部屋に放り込まれている──そんな感覚だけが、じわじわと胸にのしかかってきて。

しばらくして、康平の寝息が聞こえはじめた頃、俺もようやく、
汗をまとったままの体で、静かに眠りに落ちていった。
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