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動き出した歯車
33話 ともと恐怖...?(3)
しおりを挟む「...っ!」
巨人はともが動き出す前にともに向かって剣先を向けた。ともは寒気がして、大きく後ろに飛び退く。
巨人の剣のそばに10本、岩剣が生成された。
その剣先はとても鋭く、ともへと向いていた。
岩剣がともの方へと一直線に放たれた。
ともはそれを横へと飛び避けて、巨人へと向かおう走り出したが、剣は壁にぶつかることなく急に曲がってともへ飛んでいく。
「痛っ...!」
ともは何とか反応して剣を防ぐが、想定していなかった剣の動きで反応が遅れていたせいで、防ぎきれずに剣が2本 ともの横腹と右足に深く刺さる。
ともはその場に膝をついて倒れる。剣が刺さった足から出血していた。横腹からはそれ以上に出血が酷かった。
あまりの痛さにともの目からは涙が溢れ、過呼吸になった。
しかし、頭だけはどこか冷静であった。
何故か冴えている頭で体をなんとか落ち着かせる。
だが巨人がともの回復を待ってくれるはずもなく、巨人の体の大きさから想像もできないようなスピードでともへと迫る。
ともはまだかすれた音がする呼吸をしながら、刀を地面について震えている足で立ち上がる。
ともはフラつきながら巨人へと歩みを進める。
少し進んだところで立ち止まった。魔纏を行い、身体強化も行う。
そして巨人の動きに集中した。
巨人は仕留めるなら今、と全力でともに剣を振り下ろした。ともは動かなかった。
巨人は勝ちを確信していた。
目の前のこの獣人を叩き切ったと。
「...今!」
だが、ともに剣が当たる直前にともは流れるような綺麗な動作で巨人の とも の何倍もの大きさのある剣に自分の刀を合わせるように当てて、剣の軌道を逸らす。剣はともの真横の地面に落ち、地面を大きく揺らす。
巨人は体勢を崩した。巨人は驚きを隠せなかった。
今にも倒れそうな獣人の女が自分の剣を受け止めた、いや流したからだ。全ての力を使って叩き潰せる。
そう確信していたからこそ隙ができた。強いがゆえの慢心。それが仇となった。
ともは冷静に無防備になった巨人の首の真上に飛ぶ。
ともは巨人の首の真上、空中で刀を上に振り上げて巨人の首へと刀を振り下ろす。
巨人はともが何かをしようとしているのは分かっていたが、抵抗する術はなかった。
ともの刀は紙を斬っているかのように、巨人の首を斬り落とした。巨人の切られた首の断面からは赤黒い血が吹き出した。
巨人はそこでやっと自分の首が斬られているということに気がついた。そして、その頃にはもう意識はなくなっていた。
「良かったぁ...上手くいったよ...」
ともは巨人の血で水溜まりができている地面に座り込む。出血と疲労で立っているのもきつかった。
今でも横腹の血は止まっていなかった。動いている間も絶えることなく出血していた。足もだ。
改めて自分の体を見ると巨人の返り血と自分の出血で血だらけになっていた。気持ち悪かった。
それに出血しすぎたせいだろうか、頭もクラクラする。
「一旦ログアウトしよっかな...」
色々あって頭がもう疲れていた。見た感じここは敵はいないし、大丈夫だろう。
ともはベッドから上半身を起こした。なんだか起きても目眩がし、頭がクラクラしていた。
なんとなく、違和感がしたお腹を見てみた。
横腹から出血していた。
気づいた瞬間、今までシャットダウンされていた痛みが脳に伝わってきた。
痛い...痛いよぉ...
「っ...」
ともは痛みで声も出せずに、今まで味わったことの無い痛みをこらえるようにベッドの上に丸まった。
真っ白だったシーツがともの真っ赤な血で赤色へと染まっていった。
ともはそのまま意識を失った。
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