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隠し階段
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チャンスは今しかなかった。
このまま朱雀が紅茶を持ってこれば、また話しを続けなければいけない。
そんな事をしても情報はほとんどひた隠しにされている上、こちらの考えが読まれるかもしれない。
それなら
「、、、」
(いくなら、今!)
鏡は音を立てないように立ち上がり、朱雀に警戒しながら外に出る。
朱雀を一瞬でも戸惑わせる為に家を挟んで扉とは反対方向に進む。
10mほど進んだところで、後ろの家から扉の開く音が聞こえた。
逃げた事に気付かれた以上、もう静かに走る必要はなく、谷を越えてからの体力を温存しながら、谷の淵まで走る。
谷の淵に着いて確認の為に後ろを振り返った瞬間、鏡は思わず体が跳ねてしまった。
「っ!」
そこには、今の今まで一切の気配を感じなかった場所に朱雀がいた。
家から漏れる光に照らされて。
「近づかないでください!!」
咄嗟に上げた声に、朱雀は近付こうとする足を止める。
(なんで!と言うかいつの間に!いや、それよりも今は、)
朱雀は睨む事もなくただ鏡を見ていた。
鏡は眼鏡を外すと、手を伸ばして谷の上で眼鏡を持つ。
見えるのはボヤけた家と家からの逆光で、真っ黒な朱雀の影。
表情や小さな動きが分からないのは心理戦には痛かったが、今はとにかく谷を越えるのに必要不可欠な動きを優先する。
「この眼鏡のレンズはガラスでできています!もし落とせば粉々に砕けて、朱雀さんの言うガスの高温高湿度で採取は難しくなりますね!」
谷を渡る簡単な思いつき。それは脅迫。
眼鏡を欲している朱雀に最も効く人質は眼鏡。ならばその眼鏡と引き換えに谷を渡る。
おそらくガスの話も、あの光る壁を隠すための嘘なのだろう。
そして、それに気付いていたうえであえて焦った演技をする。
「早く谷の渡り方を教えて下さい!」
必死な演技をしている鏡を見て、朱雀もまた声を張り上げる。
「なんで眼鏡の為にそんなにするの!?」
いつもの鏡ならば、普通の生活が出来れば眼鏡など要らないと言うだろう。
こんな状況では、どんなに探究心、好奇心がある人でも、眼鏡を渡してしまう。
眼鏡を渡さないようなバカは、ただのバカか厨二病しかいない。
が、鏡はバカだった。
〈眼鏡の秘密〉と言う言葉がどうしても引っかかる。
もし、元の生活に戻れないと言う事が無ければ、鏡は迷いなく朱雀に協力していただろう。
しかし朱雀から逃げた後でも、鏡個人で眼鏡を、眼鏡の秘密を調べられるのではないかと考えていた。
今までもそうだったように。
朱雀は、谷を渡る為の演技を眼鏡を守る為〈だけ〉と勘違いをしているようで。
そしてその勘違いは、今の鏡にとっては好都合そのものだった。
「この眼鏡は唯一僕を理解してくれたおじいちゃんの形見です!!そんな物を、見ず知らずの人に渡せる訳ない!!」
(これは一か八かの賭け、、、全く、賭けをするなんて今の僕は本当に僕らしくないな。)
眼鏡を守る為に眼鏡を人質にする。
そんな矛盾だらけの演技は、もし逃げ切れなかった場合の〈信頼〉を。
そして騙しきれなかった時の〈必要性〉と言う保険を失う可能性がある賭け。
そしてそれに気付かせないようにするには、朱雀に考える暇を与えない、それだけ。
幸い、朱雀はどこか抜けている所があり、多少の矛盾や迷いは早口で話せばかき消せるだろう。
「そんな事をしても眼鏡を渡すか、協力するかの二択しかないし、もし眼鏡が大切なら協力すればいいだけ、じゃ、、、な。」
鏡は世界がボヤけていたが、朱雀が後ずさりしている事は音とシルエットで分かった。
「何をしているんですか!」
すると朱雀は鏡の上の方を指差した。
「鏡君!後ろ!」
鏡はその怯えた声に一瞬戸惑ったが、すぐに演技の可能性を考えて落ち着きを取り戻す。
(危ない、危ない、危うく振り向く所だった。)
一応朱雀を警戒しながら、素早く後ろを確認する。
そこには、家の明かりで照らされている森の緑と数センチ後ろの黒い谷、谷の向こう側に少し大きな岩があるぐらいで、異常は一切なかった。
「何もないじゃないですか!!」
すると朱雀は指差す方向を鏡に変えた。
「め、眼鏡かけて!早く!」
鏡は不審に思いながらも、朱雀の焦りようが演技に見えず。
眼鏡をかける。
「後ろ!」
言われた通りに、かつ素早く後ろを振り向く。
それは、闇だった。
家の明かり、月明かりすらも吸い込み、まぶたを開いているのか閉じているのかも分からなくなるほどに、黒く、暗い闇。
「あれ?」
鏡が戸惑っていると、その闇は上下2つに割れ、中から体が吹き飛ばされそうなくらいの生暖かい風と骨の髄まで響く、黒板を爪で引っ掻いような甲高い音が鏡を襲った。
「っ!」
鏡が耳を塞ぎながら上に視線を移す。
そこには人間の物とも似た、鏡の頭と同じくらいの大きさをした2つの目玉がギョロリと鏡に向いた。
それを見た瞬間、鏡はこれが何かの生き物だと理解した。
まるで、目の前にある谷を覗き込んだような闇に浮かぶ目は、ただただ恐怖を掻き立てる物だった。
「ば、化け物。」
鏡は尻餅を着き固まっていると、後ろから朱雀の声が聞こえる。
「鏡君!!早く!!」
鏡は朱雀の声で我に返り、震えて力の入らない足を踏ん張り、朱雀の元まで走る。
家と谷の中間辺りで後ろを振り返ると、化け物は谷をまたぐように両前足を置いていたが動かず、ジッと鏡達を見つめるだけだった。
「何ですかアレ!!」
鏡が焦っていると、朱雀は落ち着いた様子で化け物を見ていた。
「なり損ない、なんで。」
「なり損ない!?早く逃げないと!!、、、玄武さん!!」
「鏡君、来て!」
朱雀は落ち着いた様子でそう言って家の中に入ると、か細い腕と全身を使って、鏡の座っていたソファーを押し始めた。
「何やってるんですか!」
「いいから手伝って!」
鏡は家の中から、開きっぱなしの扉の外を見ると、化け物はまだ谷を跨いだ状態でこちらを見ている。
「なんで来ないんだ?」
「そんなの、なり損ない対策の谷だから効果がなかったらダメでしょ!」
「だからなり損ないって何ですか!」
「いいから早く手伝って!!」
鏡はまだ化け物が谷の所にいる事を確認すると朱雀の横に立ち、ソファーを押し初めた。
ソファーは想像以上に重く、2人で全力で押しても数センチずつしか動かず。
気づけば化け物は谷を渡りゆっくりとこちらへ歩いて来ていた。
「玄武さん!化け物が!!」
「分かってる!いいから早く!!」
鏡は朱雀と息を合わせソファーを押すと、一気に1mほど動き、その下には床下収納の蓋のようなものが2枚並んでいた。
朱雀がその蓋を外すと、そこには石レンガの階段が暗闇へと続いていた。
(隠し、階段?)
「物を隠すなら、隠す対象の一番
の近くに、ってね。」
そう言って、こんな状況にも関わらず、朱雀はウインクをした。
朱雀は体を屈めながら隠し階段に入ると、石階段を歩く音を立て暗闇へと消えて行く。
ふと外を見ると、気づかないうちに化け物はすぐそこまで近づき、黒い体の割れ目からはさらに黒い闇が覗いていた。
暗闇に吸い込まれればどうなるのか、そんな恐怖で固まっていると、階段の下から朱雀の叫び声が聞こえる。
「早く!!」
急いで階段に入ると、同時、すぐ後ろで大きな崩壊音とともに瓦礫と砂埃が入って来た。
今一瞬でも遅ければ。
そう恐怖しながら、鏡は助かった喜びを噛み締めて暗い階段を降りて行った。
このまま朱雀が紅茶を持ってこれば、また話しを続けなければいけない。
そんな事をしても情報はほとんどひた隠しにされている上、こちらの考えが読まれるかもしれない。
それなら
「、、、」
(いくなら、今!)
鏡は音を立てないように立ち上がり、朱雀に警戒しながら外に出る。
朱雀を一瞬でも戸惑わせる為に家を挟んで扉とは反対方向に進む。
10mほど進んだところで、後ろの家から扉の開く音が聞こえた。
逃げた事に気付かれた以上、もう静かに走る必要はなく、谷を越えてからの体力を温存しながら、谷の淵まで走る。
谷の淵に着いて確認の為に後ろを振り返った瞬間、鏡は思わず体が跳ねてしまった。
「っ!」
そこには、今の今まで一切の気配を感じなかった場所に朱雀がいた。
家から漏れる光に照らされて。
「近づかないでください!!」
咄嗟に上げた声に、朱雀は近付こうとする足を止める。
(なんで!と言うかいつの間に!いや、それよりも今は、)
朱雀は睨む事もなくただ鏡を見ていた。
鏡は眼鏡を外すと、手を伸ばして谷の上で眼鏡を持つ。
見えるのはボヤけた家と家からの逆光で、真っ黒な朱雀の影。
表情や小さな動きが分からないのは心理戦には痛かったが、今はとにかく谷を越えるのに必要不可欠な動きを優先する。
「この眼鏡のレンズはガラスでできています!もし落とせば粉々に砕けて、朱雀さんの言うガスの高温高湿度で採取は難しくなりますね!」
谷を渡る簡単な思いつき。それは脅迫。
眼鏡を欲している朱雀に最も効く人質は眼鏡。ならばその眼鏡と引き換えに谷を渡る。
おそらくガスの話も、あの光る壁を隠すための嘘なのだろう。
そして、それに気付いていたうえであえて焦った演技をする。
「早く谷の渡り方を教えて下さい!」
必死な演技をしている鏡を見て、朱雀もまた声を張り上げる。
「なんで眼鏡の為にそんなにするの!?」
いつもの鏡ならば、普通の生活が出来れば眼鏡など要らないと言うだろう。
こんな状況では、どんなに探究心、好奇心がある人でも、眼鏡を渡してしまう。
眼鏡を渡さないようなバカは、ただのバカか厨二病しかいない。
が、鏡はバカだった。
〈眼鏡の秘密〉と言う言葉がどうしても引っかかる。
もし、元の生活に戻れないと言う事が無ければ、鏡は迷いなく朱雀に協力していただろう。
しかし朱雀から逃げた後でも、鏡個人で眼鏡を、眼鏡の秘密を調べられるのではないかと考えていた。
今までもそうだったように。
朱雀は、谷を渡る為の演技を眼鏡を守る為〈だけ〉と勘違いをしているようで。
そしてその勘違いは、今の鏡にとっては好都合そのものだった。
「この眼鏡は唯一僕を理解してくれたおじいちゃんの形見です!!そんな物を、見ず知らずの人に渡せる訳ない!!」
(これは一か八かの賭け、、、全く、賭けをするなんて今の僕は本当に僕らしくないな。)
眼鏡を守る為に眼鏡を人質にする。
そんな矛盾だらけの演技は、もし逃げ切れなかった場合の〈信頼〉を。
そして騙しきれなかった時の〈必要性〉と言う保険を失う可能性がある賭け。
そしてそれに気付かせないようにするには、朱雀に考える暇を与えない、それだけ。
幸い、朱雀はどこか抜けている所があり、多少の矛盾や迷いは早口で話せばかき消せるだろう。
「そんな事をしても眼鏡を渡すか、協力するかの二択しかないし、もし眼鏡が大切なら協力すればいいだけ、じゃ、、、な。」
鏡は世界がボヤけていたが、朱雀が後ずさりしている事は音とシルエットで分かった。
「何をしているんですか!」
すると朱雀は鏡の上の方を指差した。
「鏡君!後ろ!」
鏡はその怯えた声に一瞬戸惑ったが、すぐに演技の可能性を考えて落ち着きを取り戻す。
(危ない、危ない、危うく振り向く所だった。)
一応朱雀を警戒しながら、素早く後ろを確認する。
そこには、家の明かりで照らされている森の緑と数センチ後ろの黒い谷、谷の向こう側に少し大きな岩があるぐらいで、異常は一切なかった。
「何もないじゃないですか!!」
すると朱雀は指差す方向を鏡に変えた。
「め、眼鏡かけて!早く!」
鏡は不審に思いながらも、朱雀の焦りようが演技に見えず。
眼鏡をかける。
「後ろ!」
言われた通りに、かつ素早く後ろを振り向く。
それは、闇だった。
家の明かり、月明かりすらも吸い込み、まぶたを開いているのか閉じているのかも分からなくなるほどに、黒く、暗い闇。
「あれ?」
鏡が戸惑っていると、その闇は上下2つに割れ、中から体が吹き飛ばされそうなくらいの生暖かい風と骨の髄まで響く、黒板を爪で引っ掻いような甲高い音が鏡を襲った。
「っ!」
鏡が耳を塞ぎながら上に視線を移す。
そこには人間の物とも似た、鏡の頭と同じくらいの大きさをした2つの目玉がギョロリと鏡に向いた。
それを見た瞬間、鏡はこれが何かの生き物だと理解した。
まるで、目の前にある谷を覗き込んだような闇に浮かぶ目は、ただただ恐怖を掻き立てる物だった。
「ば、化け物。」
鏡は尻餅を着き固まっていると、後ろから朱雀の声が聞こえる。
「鏡君!!早く!!」
鏡は朱雀の声で我に返り、震えて力の入らない足を踏ん張り、朱雀の元まで走る。
家と谷の中間辺りで後ろを振り返ると、化け物は谷をまたぐように両前足を置いていたが動かず、ジッと鏡達を見つめるだけだった。
「何ですかアレ!!」
鏡が焦っていると、朱雀は落ち着いた様子で化け物を見ていた。
「なり損ない、なんで。」
「なり損ない!?早く逃げないと!!、、、玄武さん!!」
「鏡君、来て!」
朱雀は落ち着いた様子でそう言って家の中に入ると、か細い腕と全身を使って、鏡の座っていたソファーを押し始めた。
「何やってるんですか!」
「いいから手伝って!」
鏡は家の中から、開きっぱなしの扉の外を見ると、化け物はまだ谷を跨いだ状態でこちらを見ている。
「なんで来ないんだ?」
「そんなの、なり損ない対策の谷だから効果がなかったらダメでしょ!」
「だからなり損ないって何ですか!」
「いいから早く手伝って!!」
鏡はまだ化け物が谷の所にいる事を確認すると朱雀の横に立ち、ソファーを押し初めた。
ソファーは想像以上に重く、2人で全力で押しても数センチずつしか動かず。
気づけば化け物は谷を渡りゆっくりとこちらへ歩いて来ていた。
「玄武さん!化け物が!!」
「分かってる!いいから早く!!」
鏡は朱雀と息を合わせソファーを押すと、一気に1mほど動き、その下には床下収納の蓋のようなものが2枚並んでいた。
朱雀がその蓋を外すと、そこには石レンガの階段が暗闇へと続いていた。
(隠し、階段?)
「物を隠すなら、隠す対象の一番
の近くに、ってね。」
そう言って、こんな状況にも関わらず、朱雀はウインクをした。
朱雀は体を屈めながら隠し階段に入ると、石階段を歩く音を立て暗闇へと消えて行く。
ふと外を見ると、気づかないうちに化け物はすぐそこまで近づき、黒い体の割れ目からはさらに黒い闇が覗いていた。
暗闇に吸い込まれればどうなるのか、そんな恐怖で固まっていると、階段の下から朱雀の叫び声が聞こえる。
「早く!!」
急いで階段に入ると、同時、すぐ後ろで大きな崩壊音とともに瓦礫と砂埃が入って来た。
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そう恐怖しながら、鏡は助かった喜びを噛み締めて暗い階段を降りて行った。
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