男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

富士とまと

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エミリー視点

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「母上とは違います……」
 酷い男性アレルギーを持ったリリー。公務で外国の要人と接する場面でアレルギーが出ることもあるだろう。国のためにとリリーの性格なら熱を出そうとも息が苦しくなろうとも我慢してしまいそうだ。
 そんな苦労はさせたくない。
 それに……子供はまだかなんて言われることも出てくるはずだ。
 そんなこと言われても。言われたって。私とリリーの間に子供なんて……。
「……もしかして、家柄に問題があるということか?下級貴族……いや、もしかして侍女や下働きにでも惚れたか?」
 父上が難しい顔をした。
「大丈夫よ、シェミリオール!養女にしてしまえばいいわ。そうね、うちの実家に頼みましょう、きっとかわいいシェミリオールのためだもの、すぐに受け入れてくれるわ!」
 母上の言葉に、父上も表情を戻した。
「そうだな、養女として受け入れるだけではなく、淑女教育もしてもらえるだろう。婚約者として発表する前に、最低限の貴族らしさを身に着けてもらえば問題なかろう」
 問題よ、問題!だから、問題は何一つ解決してないわ!
「彼女は貴族として教育を受けています」
 リリーの様子を思い出す。あまりに可愛らしくて、かわいいしか感想が出てこなかったけれど、仕草はとても優雅で上品だったわ。
 あれは庶民ではなく、教育を受けた貴族のものよ。学園に通えてないにも関わらず、きちんと親御さんは教育したのだ。
「あら、じゃぁ、何の問題もないじゃないの?」
「いえ、そういう問題じゃなくて……もっと、その、問題があるんです!」
 男性アレルギーという体質的な問題。
 世継ぎの問題だって何にも解決してない。
 それに……リリーには王妃教育だとか苦労はさせたくない。
 いくら貴族として基本的な教育を受けていたとしても、王妃教育はとにかく厳しいものだと聞く。そりゃそうだろう。私も、王になるための教育を受けてきたけれど、それはもう大変の一言に尽きた。姉さんも、王女として厳しく教育されていた。最低でも3か国語は流暢に話せなければならない。各国の要人を招いて失礼が無いようにそれぞれの国の風習も頭に入れなければならない。婚約者候補に挙がるように家の令嬢であれば、小さなころから学んでいることもあるけれど。今から数年で学ぼとすればとても大変なことになる。
「な、なんだ、年齢的にその、かなり下だとか?いや、逆に上か?」
 父上の言葉に続けて弟が口を開く。
「もしかしたら、人妻?」
 それに続けて母親も口を開いた。
「もう、貴方たちったら、シェミリオールのことよ?王室に対する不満を持つ家の者っていう発想はないの?もしくは隣国のご令嬢だとか……そういう意味で問題だと思っているのかもしれないじゃない」
「おお、そうだな。不満を持つ家の者ならこれを機に親しくできるかもしれぬし、隣国との関係も」
 違う。違う。
「とにかく、彼女と結婚するために、僕は皇太子の地位を返上したい。彼女は、王妃としては幸せになれない。だから……」
 そこまで言うと父上が怒りだした。
「だったら、側室にでもすればよかろう!とにかく、お前が皇太子だ!それは譲れぬ!」
 側室?
「冗談じゃありません。彼女以外と結婚するつもりはない。正妃もいないのに側室などありえません」
「では形ばかりの正妃を迎えればよいではないか!」
「彼女以外と結婚する気はありません。側室にでもなんて、そんな失礼なこと二度と言わないでください」
 女を差別するような男の発言に虫唾が走る。
 父上は、母上一筋で女性を子供を産む道具のような扱いはしていなと……そう思っていたのに。
 結局は違ったのかと。悲しい想い出父の顔を見る。
「落ち着いて二人とも……シェミリオールも、あなたも……。その女性が王妃になると幸せになれないというのはどういうことなのか聞かせてちょうだい。そのうえで、対策を考えましょう」
 母上が私と父上の間に入る。
「王妃としての仕事をこなせないというのであれば、補佐官や秘書をつけて代わりに取り仕切ってもらえばいいわ。王妃としてのマナーが身についていないと言うのであれば、極力人前に出ないように行事を組めばいい。人との受け答えが上手くできないというのであれば、直接人と話さないように、これも補佐官に耳打ちして伝えてもらう形も取れるわ。どこかの国にありましたよ。そういう風習が。そうね、別の国では直接貴人の顔を見てはいけないと布越しの体面という風習がある国もあります」
 母上は思いつくだけのことを色々と口にしている。
「……色々と難しい対策を考えるよりも、弟が王位につけばそれで問題はなくなります」
 途中で言葉を返す。





================
感想ありがとうございます!大切に読ませていただいております。
なかなか感想を返す時間が取れなくて、中途半端に少しだけ返したりですが……。
選んで返してるわけでなく、その時の頭からなので……その、これには感想返すもんか!とかそういう意図は全くないです。すいません……ずびび……




なんていうかさぁ、心が女じゃなければ、リリーに男性アレルギーが無ければ、
めっちゃ、こう、平和な王家よね。
弟くんも兄思いのイイコだし。
父ちゃんも母ちゃんも息子思いだし。
息子は優秀だし。
そんでもって、婚約者候補筆頭(になったであろう)公爵令嬢も素敵だし。
きっとさぁ、男性アレルギーがあるって分かっても、親身にしてくれるよ。お母様優しそうだもん。きっと、いっぱい「辛かったわね」って抱きしめてくれるよ。
弟も気遣いできそうだから、適度に距離を保ちつつお姉様ってニコニコしてくれるよ。
お父様は、きっと、一人近づきたいけど近づけない感じで柱の陰から泣くタイプだよ……。
と、妄想膨らむ。
……まぁ、いつ、女性アレルギーのことを知るかは知らないけど。
そもそも、結婚どころか婚約すらハードル高いけど……

あと1回エミリーパートがあります。引き続きお願いします。
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