男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

富士とまと

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エミリー視点

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 リリーとは婚約できればいい。
 結婚はきっとできない。私は心は女だし。もし皇太子を退けても王室の一員であることは間違いない。突然王室の一員になってほしいなんてとても言えない。男性アレルギーをもつリリー。リリーには何も苦労をさせたくない。
 ああ、やっぱり婚約しようなんて無理だったのかしら。
 二人で会いたいという、もっと会いたいという……そんな理由で。
 ううん。負けない。負けないわ。
 皇太子はやめて、リリーと婚約するの。
 結婚は、のらりくらりと先延ばしにして婚約者として仲良く過ごすわ。
 結婚しちゃうとリリーに色々と厄介ごとが発生するのなんて目に見えてるもの。リリーの家がどの程度の爵位の家なのかまだ確認してはいないけれど……。持参金だのなんだの……。王室とつながりを持つことで実家にすり寄ってくる貴族がいたり。
 きっとろくでもないことが起きるわ。
 もともと皇太子妃として名前が上がるような家柄であればよかったんだろうけど。
 リリーの名前は聞いたことがないもの。
「シェミリオール、王妃に相応しくないのであれば、予が相応しい立場を与えてやろう」
 びくりと体が震える。
 リリーに、誰かの元へ嫁がせるつもり?
 ……王命とあれば、リリーは逆らえない。……男性アレルギーがあるというのに、逆らえずに嫁がされてしまう!
 初めて会った時の、痛々しい手首を思い出す。
 白くて美しい肌が、真っ赤になり腫れあがっていた。
 手をつかまれただけであれほどのアレルギー症状が出てしまう相手のもとに嫁ぎ……もし、世継ぎをと望まれれば……。
「皇太子妃になるのであれば、予は何も言わぬ。多少の問題には目を瞑り、それなりに手を回そう。シェミリオール、お前が皇太子を降りることは何があっても認めぬ。この話はおしまいだ。もう一度、よくその女と話し合うことだな!」
 陛下が……父上が、固い表情のまま背を向けて部屋を出て行く。
「あなた……」
 その後を追おうとした母上が、足を止めて振り返った。
「シェミリオール、大丈夫よ。私が、力になってあげます。もし、あなたの愛する女性が、王妃になることを不安に思っているのであれば、話をしてあげるわ。大丈夫だと、安心してと。……ね?」
 何も分かっていない。
「兄上……僕もできる限り力になりますから。王妃の仕事とされていたことで、王弟が代われることは僕や僕の妻となる者で代わりますから」
 優しい家族。
 だけれど、何も分かっていない。
 私の心が女であることも。
 何も、許してもらえない。
 私が女として生きることも。
 ほんの少し……愛する人と一緒の幸せな時間を得ることも。
 愛する人……。
 リリー。
 私、リリーがいなければ、もう生きていても仕方がないって……。ただ自分を偽り続けるだけのこの世界にはもう戻れないわ……。

 ねぇ、リリー。私は貴方のためなら命をかけられるのよ。
 きっと、迎えに行くから。
 法典に書いてある「却下される要望」以外はどんな望みも陛下は叶えなければならない、そんな方法が一つだけあるの。
 私を、待っていてね……。



====================
さて、エミリー視点お終いです。
次から戻ります。


……ええ、ええ、不穏な感じがしますね。
こういうの、待っていてねなんて、いやなフラグ感たっぷりwww

にしても、もう、エミリーったら、リリー愛しすぎてるわよ。重いくらいよ。ぐふふのふ。
がんばれwww
負けるなwww
見えない力にあらがえwwww
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