魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど

富士とまと

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水の魔石

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 いや、そういう意味じゃないんだけど。
「でも、あの、このあたりで採れるやつのなかでは一番うまいやつで」
「そう、君は美味しいって感じるんだね?」
 それが聞きたかった答えだ。
「じゃぁ、半分こしましょ」
 コップを傾けもう一つのコップにサボテンの汁を注ぐ。
「え?で、でも……」
 戸惑う少年に半分の半分の量になったコップを一つ押し付ける。
 その少年のすぐ後ろに、ディラが立っていた。ああ、そうだ。忘れるところだった。
「お供えします、どうぞお召し上がりください」
『え?いいの?やった!』
 半透明のコップを持ち上げておいしそうにごくごくとサボテン汁を飲むイケメン幽霊。
『いやぁ、うまいなぁ。久しぶりだよ、この味!これの酒、シーマの好物だったよなぁ。ありがとう、うまかった』
 ディラが少年の頭をなでなでしている。
 うん、私も少年少年って心の中で言ってるけれど、たぶん18歳か19歳くらいで、痩せて体ができてないから若く見えてるけれど、もしかしたら20歳超えてるかもしれなくて。どちらにしても頭を撫でられるほど小さな子供ではないと思うよ。とは思ったものの、まぁ、少年は撫でられていることに気が付いていないし、見ている私の気持ちはホンワカするのでいいか。
「では、お下がりをいただきます」
 コップを手に、人生初のサボテン汁を口にする。
「あ、美味しい」
 ん?またちょっと霊力上がったような?って、気のせい気のせい。暑くてバテてたところに、飲み物飲んで元気になっただけだよね。
「ありがとう。じゃぁ、今度はこれ飲もう。まだ喉乾いてるよね?」
 小指の爪の先ほどの水の魔石とやらを指でつまんで持ち上げる。
 が、これ、どうすれば水が出るの?呪文とか知らないけれど……。えーっと。
「【水を出して】」
 水の魔石からジャーっと水が出てきてコップを満たした。
 おおお!おっと、こぼれるこぼれる。このまま少年のコップにも水を入れる。って、こぼれるこぼれる。
「【ストップストップ、もういいから】」
 で、水は止まった。なんだ、呪文じゃなくてお願いすればいいのか。
「さぁ、どうぞ」
 顔をあげると、少年がまた青ざめている。いや、だから、何で?
「魔力0と言ったのは……嘘……?」
 ああ、水を出したから?
「本当よ。今は、これ、水の魔石で水を出したの。私の力じゃないよ?」
 手の平に乗せて少年に見せる。
「水の……魔石?なんだそれ?」
 はい?
「えーっと……知らないの?」
 この世界の常識じゃないの?
 どういうこと?
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