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「報告を」
「はい、見張りに立っていた者は、厳しい試験を通り抜けた騎士たちですが新人騎士が任に当たっていました。毒蛙の被害が王都でも出ていて騒ぎになっていたころの記憶はほとんどない者たちでしょう」
「……指導する者がしっかり指導していたら防げたのか?」
「指導する側も、10年以上被害がなかったので厳しく指導していなかったと思われます」
「10年以上……か。正確にはいつからだ」
宰相が小さな声で答える。
「12年前です。聖女マリアージュが王都に住むようになってから」
皇太子が声を上げた。
「偶然だろ!浄化魔法が使えるって言っても、何もしてなかったじゃないか!」
宰相子息が悔しそうに口を開いた。
「小さな浄化魔法は使っていたと言っていた……が、王都の井戸すべてを浄化することが小さな浄化魔法か?とても小さいと表現できるとは思えない」
第二王子と第三王子が続けた。
「偶然だよきっと!」
「そうだよ、あんなクソ芋女に何かできるわけないよ!」
宰相がさらに口を開く。
「最初の被害は今日の朝、ちょうど卒業式が始まるころだったのですが……殿下たちに心当たりはございませんかな?」
正直者の騎士団長子息が口を開いた。
「婚約を破棄する出ていけと言ったころだ……だが、俺たちは学園を去れと言っただけで、あいつだ……侯爵のマリアージュの弟が家から出て行けと言ったから、帰る場所も無くなってしまった、あいつが悪いんだ!」
騎士団長子息の言葉に、すぐにマリアージュの義弟が呼ばれた。
すでに呼ばれるなんていう言葉では形容できず、手を後ろで拘束されて連行される形だ。
何があったのか説明を受けると、義弟が騒ぎ立てた。
「僕のせいじゃないっ!殿下が不敬だ死刑にしてやると言って、王子たちも、王族に不敬を働いたら死ぬしかないと……そのような者を侯爵家に籍をおいたままでは連座されては困りますから、だから……」
「何を言っている、死刑だと言う前から出ていけと言っていただろう!」
「そもそも侯爵家がちゃんと教育をしてもっとかわいげのある女にすれば婚約破棄することもなかったんじゃないの?」
「そうだよ、そもそも皇太子殿下の婚約者の扱いとしてろくでもない事してたの侯爵家でしょ?」
責任のなすりあいを始めた子供たちに陛下はいらだった。
「黙れ、宰相、その後の調査は終わったのか?」
宰相がやや青ざめた顔で報告書を読み上げる。
「12年前から、減ったことは、死者数です。冬場は風邪になる者が少なく命を落とす者が減りました。夏場はお腹を壊す者が少なく命を落とす……特に乳幼児の死亡が減りました。また、怪我をした者が怪我をした箇所から悪化して命を落とす者も減りました。死者が減ったばかりでなく命を落とすほどではない不調を訴える者も減っていると……。それからこれは眉唾なのですが、幽霊が居なくなったとも」
殿下が小刻みに震えながらも声を出す。
「偶然だ、そんなの、すべて偶然、聖女のあの女が何かしたおかげなわけはないっ!」
陛下がもう何度目になるか分からないため息をついた。
「……捕らえよ。お前は廃嫡だ。本来次の継承権を持つ第二王子第三王子お前たちも廃嫡」
それに続いて、宰相が口を開いた。
「息子も廃嫡します。いま、騒動を抑えようと動いている騎士団長からも息子だった者の処分はいかようにもしてくれと……」
「はい、見張りに立っていた者は、厳しい試験を通り抜けた騎士たちですが新人騎士が任に当たっていました。毒蛙の被害が王都でも出ていて騒ぎになっていたころの記憶はほとんどない者たちでしょう」
「……指導する者がしっかり指導していたら防げたのか?」
「指導する側も、10年以上被害がなかったので厳しく指導していなかったと思われます」
「10年以上……か。正確にはいつからだ」
宰相が小さな声で答える。
「12年前です。聖女マリアージュが王都に住むようになってから」
皇太子が声を上げた。
「偶然だろ!浄化魔法が使えるって言っても、何もしてなかったじゃないか!」
宰相子息が悔しそうに口を開いた。
「小さな浄化魔法は使っていたと言っていた……が、王都の井戸すべてを浄化することが小さな浄化魔法か?とても小さいと表現できるとは思えない」
第二王子と第三王子が続けた。
「偶然だよきっと!」
「そうだよ、あんなクソ芋女に何かできるわけないよ!」
宰相がさらに口を開く。
「最初の被害は今日の朝、ちょうど卒業式が始まるころだったのですが……殿下たちに心当たりはございませんかな?」
正直者の騎士団長子息が口を開いた。
「婚約を破棄する出ていけと言ったころだ……だが、俺たちは学園を去れと言っただけで、あいつだ……侯爵のマリアージュの弟が家から出て行けと言ったから、帰る場所も無くなってしまった、あいつが悪いんだ!」
騎士団長子息の言葉に、すぐにマリアージュの義弟が呼ばれた。
すでに呼ばれるなんていう言葉では形容できず、手を後ろで拘束されて連行される形だ。
何があったのか説明を受けると、義弟が騒ぎ立てた。
「僕のせいじゃないっ!殿下が不敬だ死刑にしてやると言って、王子たちも、王族に不敬を働いたら死ぬしかないと……そのような者を侯爵家に籍をおいたままでは連座されては困りますから、だから……」
「何を言っている、死刑だと言う前から出ていけと言っていただろう!」
「そもそも侯爵家がちゃんと教育をしてもっとかわいげのある女にすれば婚約破棄することもなかったんじゃないの?」
「そうだよ、そもそも皇太子殿下の婚約者の扱いとしてろくでもない事してたの侯爵家でしょ?」
責任のなすりあいを始めた子供たちに陛下はいらだった。
「黙れ、宰相、その後の調査は終わったのか?」
宰相がやや青ざめた顔で報告書を読み上げる。
「12年前から、減ったことは、死者数です。冬場は風邪になる者が少なく命を落とす者が減りました。夏場はお腹を壊す者が少なく命を落とす……特に乳幼児の死亡が減りました。また、怪我をした者が怪我をした箇所から悪化して命を落とす者も減りました。死者が減ったばかりでなく命を落とすほどではない不調を訴える者も減っていると……。それからこれは眉唾なのですが、幽霊が居なくなったとも」
殿下が小刻みに震えながらも声を出す。
「偶然だ、そんなの、すべて偶然、聖女のあの女が何かしたおかげなわけはないっ!」
陛下がもう何度目になるか分からないため息をついた。
「……捕らえよ。お前は廃嫡だ。本来次の継承権を持つ第二王子第三王子お前たちも廃嫡」
それに続いて、宰相が口を開いた。
「息子も廃嫡します。いま、騒動を抑えようと動いている騎士団長からも息子だった者の処分はいかようにもしてくれと……」
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