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「それだけじゃねぇよ?魔物に襲われている村に、依頼料に目がくらみ、イチかバチかで依頼を受けたものの途中で逃げ帰る冒険者を向かわせるわけにはいかねぇ。護衛依頼に、盗賊と裏で手を組んでいるような奴を知らずにあてがうわけにはいかねぇ」
確かに。
「飛び級がなく、鈍色から地味な依頼を数こなしてもらうのは、腕っぷしを見るためだけじゃない。むしろ、人間性を見るためだな。依頼への向き合い方。ギルド職員や他の冒険者との接し方。依頼者も、大きな依頼を指名するために鈍色から目をつけることもある」
なるほど。
大丈夫。私は学習したので、なるほどと思っても、もう口にしないよ。またギルド長になんでお前が知らないんだって言われるのもしゃくだし。
「すまなかった。軽々しく飛び級できるかなんて尋ねるのは間違っていた。どこかにおごりがあったのかもしれない……」
ギルド長がふっと表情を緩めた。
「いや、実力だけなら飛び級できただろうな。実績はまぁ、コツコツ積んでくれ」
「分かった」
ギルド長は再び私の頭に手をのせた。
「まぁ、依頼を受ける以外に、魔石や素材の買い取りもしているから、金は実力で稼げばいい」
そうだね。薬草採取の依頼を受けて、採取場所に出てきた魔物を倒して帰るとかね。
「シャリア、明日は新人教育だ。こいつを連れてダンジョンに行ってこい」
「え?私がですか?」
新人教育というのは、アイシャさんが一番初めに私にしたみたいなやつだ。
魔物を倒したことのない新人がどれだけ魔物を怖がらずに倒せるか見るやつ。……で、あってるよね?
アイシャさんは私に戦い方を教えてもくれた。殴れと。あれ?
「エディさんは魔物は倒したことがあるんですよね?だったら必要ないのでは?」
ギルド長がエディさんを見た。
「戦場では魔石はどうしていた?」
「回収する余裕はなかった」
「ってわけだ。シャリアが着いて行って、魔石の回収の仕方とか新人に説明してやれ。あと薬草の場所とか簡単に教えてやれ」
あー、そうか。そういう倒す以外の新人教育がいるんだった。なら、私で大丈夫か。
普通は、ベテランギルド職員の仕事。あと銀色級とかが依頼数稼ぎで新人教育するんだよね。戦い方教えるとかは、私じゃ無理だもん。
いまだに剣すら買えないんだよ……。
「万年鈍色級のシャリアなら、よく知ってるだろ?」
ギルド長がにやっと笑う。
「万年じゃないですっ!もう少しで銅色になりますっ!」
ぷんすこ。だいたい私は、リセットされてやり直してるんだし。ギルドの職員の仕事があるから依頼を受けられる日が少ないし。
「まぁ、登録してから3年鈍色だが、ちょうど、鈍色ってのがよくわかるはずだ。シャリア、ちゃんとこいつが一人できる限界までついてけよ」
「分かってます。アイシャさんに何度も指導されてますから。あれを真似すればいいんですよね?」
ギルド長がニヤニヤと笑う。
「そうだ。アレを、マネすりゃいい。あ、職員の仕事だが、特別に依頼扱いにしてやる。明日依頼達成で銅色だ」
「え?本当ですか?やった!ギルド長大好き!」
思わずギルド長に抱き着く。
「いや、いくら俺が好きでも、贔屓はしないぞ?」
「……なにそれ、単に喜びを表現しただけですけど?」
「おまえなぁ、子供じゃないんだから、喜びの表現で男に抱き着くんじゃない」
ギルド長が私をぺいっと引きはがして、頭を両手でがーっとかいた。
「ったく、じゃあ明日は頼んだぞ」
ギルド長がこんな時ばかりS級冒険者らしくものすごいスピードで立ち去った。
何よぉ。3年越しに念願の銅級になれるんだから、そりゃ嬉しくて仕方がないよ?
ぷーすか。
エディが冷たい声を出す。
「確か、シャリアさんは大切な人がいると言っていましたが、ギルド長のことですか?そうでなければずいぶんと、軽いですよね」
ありゃ?なんだかすごい冷気が。
「明日の新人教育別の人にしてもらえますか?」
あ、もしかして。モテすぎて嫌な目にあっていた経験上、私がギルド長に抱き着くような女だから嫌だと思ったのかな?
ちょ、だからと言って別の人に替えてはない!
確かに。
「飛び級がなく、鈍色から地味な依頼を数こなしてもらうのは、腕っぷしを見るためだけじゃない。むしろ、人間性を見るためだな。依頼への向き合い方。ギルド職員や他の冒険者との接し方。依頼者も、大きな依頼を指名するために鈍色から目をつけることもある」
なるほど。
大丈夫。私は学習したので、なるほどと思っても、もう口にしないよ。またギルド長になんでお前が知らないんだって言われるのもしゃくだし。
「すまなかった。軽々しく飛び級できるかなんて尋ねるのは間違っていた。どこかにおごりがあったのかもしれない……」
ギルド長がふっと表情を緩めた。
「いや、実力だけなら飛び級できただろうな。実績はまぁ、コツコツ積んでくれ」
「分かった」
ギルド長は再び私の頭に手をのせた。
「まぁ、依頼を受ける以外に、魔石や素材の買い取りもしているから、金は実力で稼げばいい」
そうだね。薬草採取の依頼を受けて、採取場所に出てきた魔物を倒して帰るとかね。
「シャリア、明日は新人教育だ。こいつを連れてダンジョンに行ってこい」
「え?私がですか?」
新人教育というのは、アイシャさんが一番初めに私にしたみたいなやつだ。
魔物を倒したことのない新人がどれだけ魔物を怖がらずに倒せるか見るやつ。……で、あってるよね?
アイシャさんは私に戦い方を教えてもくれた。殴れと。あれ?
「エディさんは魔物は倒したことがあるんですよね?だったら必要ないのでは?」
ギルド長がエディさんを見た。
「戦場では魔石はどうしていた?」
「回収する余裕はなかった」
「ってわけだ。シャリアが着いて行って、魔石の回収の仕方とか新人に説明してやれ。あと薬草の場所とか簡単に教えてやれ」
あー、そうか。そういう倒す以外の新人教育がいるんだった。なら、私で大丈夫か。
普通は、ベテランギルド職員の仕事。あと銀色級とかが依頼数稼ぎで新人教育するんだよね。戦い方教えるとかは、私じゃ無理だもん。
いまだに剣すら買えないんだよ……。
「万年鈍色級のシャリアなら、よく知ってるだろ?」
ギルド長がにやっと笑う。
「万年じゃないですっ!もう少しで銅色になりますっ!」
ぷんすこ。だいたい私は、リセットされてやり直してるんだし。ギルドの職員の仕事があるから依頼を受けられる日が少ないし。
「まぁ、登録してから3年鈍色だが、ちょうど、鈍色ってのがよくわかるはずだ。シャリア、ちゃんとこいつが一人できる限界までついてけよ」
「分かってます。アイシャさんに何度も指導されてますから。あれを真似すればいいんですよね?」
ギルド長がニヤニヤと笑う。
「そうだ。アレを、マネすりゃいい。あ、職員の仕事だが、特別に依頼扱いにしてやる。明日依頼達成で銅色だ」
「え?本当ですか?やった!ギルド長大好き!」
思わずギルド長に抱き着く。
「いや、いくら俺が好きでも、贔屓はしないぞ?」
「……なにそれ、単に喜びを表現しただけですけど?」
「おまえなぁ、子供じゃないんだから、喜びの表現で男に抱き着くんじゃない」
ギルド長が私をぺいっと引きはがして、頭を両手でがーっとかいた。
「ったく、じゃあ明日は頼んだぞ」
ギルド長がこんな時ばかりS級冒険者らしくものすごいスピードで立ち去った。
何よぉ。3年越しに念願の銅級になれるんだから、そりゃ嬉しくて仕方がないよ?
ぷーすか。
エディが冷たい声を出す。
「確か、シャリアさんは大切な人がいると言っていましたが、ギルド長のことですか?そうでなければずいぶんと、軽いですよね」
ありゃ?なんだかすごい冷気が。
「明日の新人教育別の人にしてもらえますか?」
あ、もしかして。モテすぎて嫌な目にあっていた経験上、私がギルド長に抱き着くような女だから嫌だと思ったのかな?
ちょ、だからと言って別の人に替えてはない!
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