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しおりを挟むダンジョンを出るとギルドには戻らず4人で王都に向かう馬車に乗った。
「いろいろありがとうございます」
頭を下げると師匠が私の背中をさすってくれた。
「ジャンはワシにとっても大事な孫……いやひ孫みたいなもんじゃ」
「師匠……」
ギルド長が頷く。
「俺にとっても息子……」
ギルド長はエディをちらりと見て言い直した。
「俺にとって、かわいい甥っ子のようなもんだ」
「甥っ子?」
ギルド長が私の頭を大きな手で撫でてくれる。
「妹の子供は甥だろう?」
「ギルド長大好きっ」
馬車の向かい側に座るギルド長にとびつく。
ジャンも絶対に喜ぶよ。そんな風に思ってくれていたなんて。
「僕からもお礼を言いますよギルド長。僕の息子のためにありがとうございます」
エディが私をギルド長から引き離し、椅子に戻した。
馬車の中でちゃんと座っていなさいということかな?
「お前の息子じゃないだろう、エディ」
「ジャンは僕のことパパと呼んでくれていますよ」
ギルド長が驚いた顔を見せ私の顔を見た。
「ち、違うのよ、エディも。ジャンを息子のようにかわいがってくれていることには感謝するわ。あの、ジャンがパパが欲しいってなくから、エディにはパパ代理ということで、パパではなくパパしゃんと呼んでいて、えっと……」
「なんだ、要約すると、父親づらした他人じゃないか」
ギルド長の言葉にディがふんっと鼻を鳴らしてどや顔をする。
「ジャンと一緒に町を歩いていれば、何も言わなくてもパパとお出かけかいいねぇと声をかけられますよ?そう、僕は父親面ができるんです。ジャンと一緒の髪の色をしていますし?」
「あ……疲れていたんだろうね。寝ちまったよ……」
みんなの声が遠くなっていく。
「さて、まずはどこの貴族がジャンを連れ去ったのか調べないとね」
王都へ入り、王都のギルドの部屋を借りた。
随分立派な部屋に通され、もてなされている。
「本当にギルド長はS級冒険者のすごい人だったんですね……それから師匠も有名なんですね……」
うんうんと頷くとギルド長は胸を反らした。
「そうだぞ。見直したか?」
それから、気になるのはエディだ。
「もしかして、エディも結構名の知れた騎士だったりします?フードをかぶって顔を見られないようにしてますけど」
エディがあははと小さく笑った。
「うん、まぁ……連れ戻そうというやつに見つかるとめんどくさいからね。念のため」
そっか。連れ戻されたら……。ジャンが戻ってきても、今度はエディがいなくなっちゃうんだ。
「騒ぎ立てて、逆に隠されたりすると厄介だからねぇ。秘密裏に調べたたいが」
エディが手を挙げて提案を始める。
「北の戦線で息子を亡くした貴族という線から調べてみます。僕も戦争に行っていましたから。参加者の名簿を見ることもできると思いますし」
「そうだな、俺は……」
ギルド長が頭を下げた。
「下手に動くと目立っちまうよなぁ。ギルドで情報を集めるよ。ジャンを連れての移動なら誰かが見ているかもしれない。移動手段護衛そのほか依頼が出されていなかったかも確認しておこう。もしかしたら王都ではなく領地へ移動している可能性もあるから他の支部にも情報が入り次第伝えるように手配もしておこう」
「私は……」
ぐっとこぶしを握り締める。
「クリスの家に行こうと思います。クリスのことを何か知っているかもしれません。そして、クリスに会ってジャンをどこへ連れて行ったのか捕まえて聞きます」
「ワシが付いていこう。シャリア一人じゃ心配じゃからの」
師匠が私の肩をポンポンとたたいた。
そうだね。私はクリスに2度も騙された。また言いくるめられて騙されてしまう可能性がある。
……私に嘘の情報を伝え、その間にジャンを別の場所へ連れていくなんてことも考えられるわけだ。
ギルドで別れてそれぞれの行動に移した。
「しかし、クリスは家にいるとは思えんがのぉ。それほどバカじゃあるまい」
そうだよねとは思うけれど。
「……シャリアが訪ねて行ったんじゃ、出てこぬかもしれんのぉ。ワシが行ってやろうかの」
クリスの実家である子爵家の門をたたく。いや、門番に師匠が声をかけた。
「ふむ。すぐに会えるそうじゃよ」
「え?本当ですか?どんな魔法を使ったんですか?」
平民が貴族を突然訪ねたら追い返されるだけだろうと思ったのに。
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