姉から始まる魔法少女

大崎 狂花

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第六話 2人と瑠璃①

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金髪に碧眼、滑らかな白い肌の美少女が、肩出しのニットに短めのスカートで駅前の芸術っぽい像の前に立っていた。キョロキョロと辺りを見渡し、誰かを探しているような様子から、待ち合わせをしているものと思われる。

本人としては、ただ待ち人を待っているだけなので放っておいてほしいところだが、こんな美少女がただ放っておかれるはずもない。

「へいそこの彼女!今から俺らと一緒にお茶でもしなーい?」

ガラの悪いチャラ男どもに速攻でナンパされていた。しかもなんかベタなナンパを。今時ラブコメでもこんなナンパはしない。

ニヤつきながらナンパしてくるベタナンパ野郎どもに、その金髪碧眼美少女はため息をついた。

その美少女が断ろうか、けど断ったとしても、食い下がってきてしつこそうだなあ・・・・・・とどうしたらいいかわからず少し困っていると、

「よお、私のツレになんか面白そうなことしてんじゃねえか。いい度胸だなあ、おい」

振り向けば、そこに立っていたのは、ところどころハネている桜色の長い髪を靡かせ、桜色の目をしたあの超絶クレイジーヤンキーガールのサクラであった。

サクラはギロっとナンパ男たちを睨みつけると、めちゃくちゃ低くて怖い声で言った。

「失せな。お前らなんてお呼びじゃねえんだ」

ナンパ男たちはその剣幕に恐れをなし、

「「「す、すいませんでしたー!!」」」

典型的なザコの逃げ去り方で逃げていった。

「全く、何から何までテンプレな奴らだったな・・・・・・」

サクラは逃げ去るナンパ男たちの背中を見ながら、そう言って美少女に話しかけた。

「なあ?勇気」

美少女・・・・・・いや、美少女に見せかけた女装美少年は答えた。

「確かにね・・・・・・。それはそうと助かったよ、サクラ」

そう、読者のみんなももう薄々察していただろうが、この金髪碧眼美少女、実は女装した勇気だったのである。

勇気が待ち合わせしていたのはサクラであった。勇気が女装して買い物するのに付き合ってほしいと言われたので、今回、こうして待ち合わせしていたのである。

「やっぱり女装して1人で出かけるっていうのも少し不安だからね。今みたいにハプニングが起こった時にも、1人だと対応出来ないし」

「だからって貴重な休日に私を呼び出すなよ・・・・・・」

「まあまあいいじゃないか。休日にこの可愛い僕と過ごせるなんて、むしろありがたいことだよ。・・・・・・しかし、サクラはチャラ男に立ち向かうのは怖くないんだね。お化けは怖いのに」

「・・・・・・お前、女装するとけっこう生意気になるよな。うっせえこと言うとど突くぞ!」

「はいはい」

「・・・・・・しかし、あいつらも見る目が無いな。実は女装だと見抜けずに男をナンパするなんてな」

「仕方ないよ、この僕の可愛さの前ではね」

「お前はむしろナンパする側だろうにな」

「そうかな?僕はナンパとかしたことないけど・・・・・・」

「そうなのか?少し意外だな」

「ナンパなんてするわけないよ。女装してない時の僕はゴミカスなんだから」

「普段の時はなんでそんなに卑屈なんだよ・・・・・・」

2人はそんな会話をしながら歩いていった。

「さてと・・・・・・ここからどうする?勇気、どこか行きたいとことかあるのか?」

「んー、女装して出かけること自体が目的なわけだから、別にこれといって行きたいとことかもないんだけど・・・・・・あ、でもちょうど見たい映画があったんだよね」

勇気はスマホを取り出して検索をかける。

「・・・・・・うん、ちょうどこのあと10時くらいから映画あるみたいだし、とりあえずそれを見に行こうか」

「なるほど映画か。良いな。私も異論はない。それにしよう」

ということで、勇気とサクラはとりあえず映画を見に行くことにした。ちょうど近くにショッピングモールがあるので、そこにある映画館に行くことになった。スマホで予約は済ませて、すぐさまそこへ向かう。

「しかし、2人で映画を見に行くなんて、なんだかデートみたいだね」

「・・・・・・はあ、デート!?へ、変なこと言うなよ!」

「ま、今のこの状態じゃ、デートとかじゃなくて単に仲良し二人組のお出かけにしか見えないだろうね」

「ま、まあ確かにそうだな・・・・・・」

「デートじゃなくて残念だったね」

「ざ、残念じゃねえよ!別に!別に!!」

さて、そんなことで2人は映画を見に行った。

「そういえば、映画とかアニメとかに出てくる不良とかって、金属バットとか使ったりするイメージがあるけど、サクラはそういうの使ったりするのかい?」

「いや、使わないな。私は主に素手で戦う!素手で並み居る他の不良どもをバッタバッタとなぎ倒し、ここまで昇りつめてきたってわけだ!!」

「なんでそんな自慢げに・・・・・・?」

そんなこんなで、楽しく映画を見終わった。ちなみにこの日見た映画は、『転生したら酢コショウだった件』だった。変な映画だった。

映画を見終わったのち、2人は昼食を食べた。

「サクラ、あーんとかしてあげようか?」

「バッ・・・・・・何言ってんだよ!するかバカ!!」

「ハハハ、冗談だよ。あーんなんて、現実ではよっぽど仲の良い関係性でしかしないからね」

「そうだな。私も実際にしてる奴ら見たことないしな。そういうのする奴なんているのか?」

「そうだなあ姉妹とか・・・・・・姉妹でもよっぽど仲の良い姉妹しかやらないだろうね」

昼食を済ませてから、買い物などしたあと帰路につく。

事件はその帰り道で起こった。
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