【完結】幽閉の王を救えっ、でも周りにモブの仕立て屋しかいないんですけどぉ?

北川晶

文字の大きさ
151 / 176

番外 モブにモヤモヤ、カッツェ・オフロの懊悩 ②

しおりを挟む
 陛下が、王宮に無事に入られたあと。
 陛下の帰還を祝う、盛大な夜会が催された。

 そこで、陛下は。小柄な男性と、ファーストダンスを踊った。

 それは、あの、神の声のように天から降り注いだ、陛下の説明にもあったことだが。
 陛下は、クロウ・エイデンという男性に救われて、本土に渡ることが出来。その彼を伴侶にする、らしい。
 だから、一緒に踊る、あの線の細い男性が、クロウなのだろう。

 俺は、そのふたりの姿を、遠目に見ていた。
 夜会では、陛下のご無事な姿を見せることと。クロウをお披露目することに、重点が置かれ。
 貴族との顔合わせは、後日改めて。ということに、なっていたから。挨拶などは出来なかったのだ。

 しかし、遠目だから、彼らの表情などは見えなかったが。
 陛下は、こんな大人数の前で、男と踊ることになって、お気の毒だな、なんて考えていた。
 国民に大々的に、クロウを伴侶にすると言ってしまったから。引けなくなってしまったのだろう。
 責任を取って、とか。
 恩を感じて、なんて言葉が、脳裏をよぎる。

「クロウ様って、バジリスク公爵様の嫡男らしいわよ?」
 御令嬢たちの噂話を耳にして、えっ? となる。

 新聞や、貴族のお茶会などで聞いた話によると。彼は、陛下の衣装を作るために、王城に呼ばれた仕立て屋だったという話なのに。
 だが、平民が、高位貴族に嫁ぐときに。一度、家格の合った家の養子になる。というのは、よく聞く話だ。
 クロウも、陛下に嫁ぐ前に、バジリスク家に養子に入ったのだと思った。

 しかし、違ったのだ。
 夜会を終え、その翌日の新聞を見て、俺は目をみはった。

 クロウは正真正銘、バジリスク公爵の御子息だったのだ。

 新聞は、毎日のように、どんどん新情報を出してくる。
 バジリスク公爵子息だったクロウは、封印されていた魔力を取り戻して、水魔法を使えるようになり。
 その魔法で海を割り、陛下を孤島から救出することが出来た。と、書かれている。

 なに、それ。

 そんなの…俺だって、陛下が幽閉されていると知っていたら。すぐにも駆けつけて、陛下をお救いした。
 どんなことをしたって。
 海を泳いで渡っても、良かった。
 オフロ公爵家の、いや、俺の忠誠心を、陛下に示せたはずだ。

 しかし、俺にはそれができなかった。ただ、知らなかったから。

 もしも、前国王が亡くならなければ。
 もしも、バミネが陛下を幽閉しなかったら。
 陛下の隣で笑っていた、クロウの場所にいるのは、俺だった。

 普通に、陛下が王太子として学園に通っていたら。
 いや、その前に。七歳のお披露目会で、王太子の友人候補として、俺が紹介されていたら。
 俺が、陛下の友達になれたはず。
 そうしたら、クロウの位置には、俺がいたに決まっている。

 クロウには、なんの非もない。
 だけど、俺と同じ公爵子息が。たまたま王城に渡る機会を得て。たまたま陛下に見初められた。
 それは、なんとなく、のみ込めるものではなかったのだ。

 別に、陛下と結婚したいわけではないけれど。
 俺と似た境遇のクロウが、うまくやって。
 俺は、描いた夢を叶えられない。
 それを理不尽に感じてしまっただけだ。

 陛下が、俺たちとクロウを引き合わせた日。
 俺は、そんな黒い気持ちを持っていたのだが。
 ベルナルドも、なにかしらクロウに思うところがあるようで。彼に対する空気感が、ピリリとしていた。

 でも、このクロウというやつは。どうにも、とぼけた男だった。
 なにやら、どこから出した? と思うような量のハンカチを懐から取り出し、陛下を爆笑させ。
 なにやら、グラウンドでドラゴンとやらを出して、陛下を喜ばせ。
 なにやら、魔力で陛下を眠らせて、お疲れを癒して差し上げる。

 やっていることは、俺らが考えつきもしないこと。
 そして、ちょっと的が外れている。
 でもそんなところが、陛下には魅力的に映っているのだろうか? 俺にはわからないが。

 ただ、びっくり箱のような男であることは、わかった。
 そして、俺やベルナルドは。決して、陛下を爆笑させたりできないことも…。

 クロウが、そばにいないときの陛下は。それは、それは、神経をとがらせていて。
 口は、いつも引き結んでいて。
 厳しい眼差しで、前をみつめるような。隙のない御方だ。
 謁見のときも、そうそう笑みなど見せはしない。孤高で、誇り高い、王の中の王。

 陛下が表情を和らげるのは、クロウの前でだけだった。

 しかし…そんなに良いか? あのとぼけた、ほのぼのしているだけの男が?
 まぁ、顔が良いのは、認める。
 俺は、断然シヴァーディ派だが。

 学園の剣術大会で、シヴァーディー様のお顔を拝見したことがあるのだが。
 彼は、何者も寄せつけない、凛々しくも気高き、怜悧な美貌だった。
 一方のクロウは、清楚、可憐で、どちらかというと可愛い系かな。ここは好みが分かれるところだろう。

 さらにクロウは、とても賢い男でもあった。
 すでに、学園の入学試験で。卒業レベルを修了していて、官吏の試験問題も解いてしまったらしい。

 マジか。俺は騎士科なので。頭脳明晰さというのは、ないからな。
 まぁ、すごいんじゃね?
 ベルナルドは、頭脳派なのだが。彼の領地の問題も、クロウはあっさり解決してしまい。彼も目を丸くしていた。
 それで、ベルナルドはあっさり、クロウに堕ちてしまった。
 単純なやつめ。池を作る…なんて。突拍子もない提案で、納得できちゃうのかよ?
 彼の領地問題はよくわからねぇから、なんとも言えないけど。

 まぁ、クロウの良いところは、いろいろあるみたいだが?
 でも、剣術の腕は、からっきしだ。

 顔見知りの騎士団員から、聞いた話。
 クロウの弟のシオンは、セドリック騎士団長に目をかけられるほどの逸材だという。
 その師匠だと言うから。どんだけ強いのかと思ったら。
 見かけどおりの、りょろい剣だった。
 一振りで、尻餅ついちゃって。
 みんなに…その場にいたシヴァーディ様にも、手加減ッ、と怒鳴られてしまい。

 はぁ? 俺が悪いのかよ?

 確かに、陛下のご婚約者様を、弾き飛ばしてしまったが?
 つか、弱いなら、自分が強いって匂わせるんじゃない。誤解しただろうがっ。

 あぁ、ムカつく。せっかく、シヴァーディ様に、俺の雄姿を見てもらうチャンスだったのに。
 しかし、あの氷の騎士であるシヴァーディ様が、クロウには優しく笑いかけていた。
 俺は、目が点になったよ。
 子供のときに見た、剣術大会では。圧倒的優勝したにもかかわらず、彼はニコリともしなくて。
 でも、そのクールさが、逆に格好良いというか。美麗というか?
 なのに、その、シヴァーディ様が。クロウに笑みを向けるなんて…。

 いつも厳しい顔つきを崩さない、陛下や、シヴァーディ様の笑顔を引き出す、クロウは。いったい何者なのだろう?

 兄上が、ふたりも勘当されてしまって。
 残る俺が、公爵家の後継に指名された。

 それは、当たり前のようで。
 でも、納得がいかないような。
 勘当にはなってしまったが、まだ、兄上たちの再起する余地は、あるのではないか?
 どうしても、そう思ってしまい。モヤモヤしていた。

 クロウは、話によると。公爵子息なのは、そうなのだが。第二夫人の子で。
 バミネの引き起こした事件のせいで。公爵家に入ったのがつい先日、ということだった。
 そんなところも、俺と似ている。
 公爵家の嫡男で。陛下と年が近しく。つい先日、公爵家嫡男として正式に迎えられた。
 俺は、なるはずのない後継に、指名された…みたいなところがだ。

 それでも、クロウは気負ったところがなく、ひょうひょうとして、のほほんとしている。
 それは、どういう心がけから来ているのだろう?
 なんで、そんなに余裕があるのだろう?
 大きな家を背負うという、プレッシャーとか、感じないのだろうか?
 
 極意があるなら、知りたい。
 そう思い、陛下に、クロウと話しても良いかと、願い出た。

 最初は、陛下は恩義だけを持って、クロウと婚約したのかと思っていたが。
 今ではもう、陛下が、クロウにベタ惚れなのを知っている。
 男も女も、クロウに近づけたくないという、気合を感じるので。

 お許しをいただかないと、クロウとは話せない。
 まぁ、陛下の意志に背くようなことをする気は、毛頭ないので。目で威圧しなくても大丈夫ですよ。
 つか、クロウをそんな目で見るのは、陛下だけだと思います。

 まずは、クロウのことを尊敬しているという気持ちを、嘘でも知らしておきたかった。
 話を、円滑に進めるためだ。
 シヴァーディ様の笑顔を引き出したのは、すごい。みたいな話をしたのだが。
 そうしたら、クロウもなにやら、目をキラキラさせて、食いついてきた。

 シヴァーディ様が生まれ出でたことが奇跡、などと言われると。
 おぉ、わかってんじゃん? という気になる。
 好意の想いを、熱く語っていき。ヒートアップして。ふたりで『騎士の中の騎士ッ』と叫んだときは。
 なんとなく。兄上と、シヴァーディ様の良さを語り合ったときのことを、思い出してしまって。嬉しい気分になってしまった。

 しかし陛下に『おまえはクロウとシヴァーディについて語り合いたかったのか?』と、冷たい視線を向けられ。我に返った。
 ハッ。違います。本題はまだです。

 つか。陛下の、クロウへの独占欲が半端ない。
 長話は許さん、という圧を感じる。

 クロウは、シヴァーディ様について熱く語り合える同志に、成り得そうだったのに。
 でも、クロウと関わったら。無二の友を作る前に、オフロ家の存続がヤバくなりそうだ。
 自重するべきだな。うん。

 半分は大袈裟に、クロウの尊敬している点をあげていったが。
 そうしたら、褒め殺しがはなはだしいと、クロウに指摘されてしまった。
 ドキ。すべてが本心でないことを見破られたか?
 ぼんやりしているように見えるが、意外と鋭いのだな。

 まぁ、そうでなくては、陛下の伴侶は務まらないか。

しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】

瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。 そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた! ……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。 ウィル様のおまけにて完結致しました。 長い間お付き合い頂きありがとうございました!

【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する

とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。 「隣国以外でお願いします!」 死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。 彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。 いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。 転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。 小説家になろう様にも掲載しております。  ※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

ちっちゃな婚約者に婚約破棄されたので気が触れた振りをして近衛騎士に告白してみた

BL
第3王子の俺(5歳)を振ったのは同じく5歳の隣国のお姫様。 「だって、お義兄様の方がずっと素敵なんですもの!」 俺は彼女を応援しつつ、ここぞとばかりに片思いの相手、近衛騎士のナハトに告白するのだった……。

期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。  謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。  五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。  剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。  加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。  そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。  次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。  一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。  妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。  我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。  こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。  同性婚が当たり前の世界。  女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

噂の冷血公爵様は感情が全て顔に出るタイプでした。

春色悠
BL
多くの実力者を輩出したと云われる名門校【カナド学園】。  新入生としてその門を潜ったダンツ辺境伯家次男、ユーリスは転生者だった。  ___まあ、残っている記憶など塵にも等しい程だったが。  ユーリスは兄と姉がいる為後継者として期待されていなかったが、二度目の人生の本人は冒険者にでもなろうかと気軽に考えていた。  しかし、ユーリスの運命は『冷血公爵』と名高いデンベル・フランネルとの出会いで全く思ってもいなかった方へと進みだす。  常に冷静沈着、実の父すら自身が公爵になる為に追い出したという冷酷非道、常に無表情で何を考えているのやらわからないデンベル___ 「いやいやいやいや、全部顔に出てるんですけど…!!?」  ユーリスは思い出す。この世界は表情から全く感情を読み取ってくれないことを。いくら苦々しい表情をしていても誰も気づかなかったことを。  寡黙なだけで表情に全て感情の出ているデンベルは怖がられる度にこちらが悲しくなるほど落ち込み、ユーリスはついつい話しかけに行くことになる。  髪の毛の美しさで美醜が決まるというちょっと不思議な美醜観が加わる感情表現の複雑な世界で少し勘違いされながらの二人の行く末は!?    

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

【完結】薄幸文官志望は嘘をつく

七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。 忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。 学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。 しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー… 認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。 全17話 2/28 番外編を更新しました

処理中です...