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番外編
おせち【お年賀企画2024】
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※お正月にネップリ企画で配布した作品です
「おせち……食べたいなぁ」
「ンだよオセチって」
もう間もなく新年を迎えようとする寒い日。不意に故郷が恋しくなってこぼした呟きを、アムールは聞き逃さなかった。
「新しい年に食べる俺の国の伝統的な料理だよ。まぁ、さすがにおせちを作るのは難しいから諦めてるけどさ」
「ふーん……んな事よりさっさとギルド行くぞ」
「はいはい」
聞かれたから答えたのだが、アムールは興味なさげに返事をする。
まぁ、いつもの事だ。気にしないさ。
なーんて、思っていたのだが──
「──えっ、アムールこれどうしたの!?」
新年を迎えた早朝、起きてみればそこには、紛うことなきおせちが置いてあったのだ。
「知らね。いきなり聖女に押し付けられたんだっての」
乙宮からいきなり押し付けられたと主張するアムールだが、そこには乙宮の字でメッセージカードが添えられている。
『アムールさんからどうしてもってお願いされたから頑張って作ってみたよ。お母さんみたいに上手くは出来なかったけど良かったら食べてね。明けましておめでとう!』
「……ふふ」
「何笑ってんだよ」
日本語で書かれたメッセージだから読めなかったんだろうが、アムール、優しさがバレバレになってるぞ。
「アムール、今年もよろしく!」
「……仕方ねぇから今年も面倒見てやるよ」
だけど気づかないふりをしてあげて、俺はアムールの胸に飛び込むだけにしておいた。
おせちは美味しくて懐かしい味。
アムールと一緒ならこの年もきっと、騒がしくて楽しい一年になるんだろうな。
「おせち……食べたいなぁ」
「ンだよオセチって」
もう間もなく新年を迎えようとする寒い日。不意に故郷が恋しくなってこぼした呟きを、アムールは聞き逃さなかった。
「新しい年に食べる俺の国の伝統的な料理だよ。まぁ、さすがにおせちを作るのは難しいから諦めてるけどさ」
「ふーん……んな事よりさっさとギルド行くぞ」
「はいはい」
聞かれたから答えたのだが、アムールは興味なさげに返事をする。
まぁ、いつもの事だ。気にしないさ。
なーんて、思っていたのだが──
「──えっ、アムールこれどうしたの!?」
新年を迎えた早朝、起きてみればそこには、紛うことなきおせちが置いてあったのだ。
「知らね。いきなり聖女に押し付けられたんだっての」
乙宮からいきなり押し付けられたと主張するアムールだが、そこには乙宮の字でメッセージカードが添えられている。
『アムールさんからどうしてもってお願いされたから頑張って作ってみたよ。お母さんみたいに上手くは出来なかったけど良かったら食べてね。明けましておめでとう!』
「……ふふ」
「何笑ってんだよ」
日本語で書かれたメッセージだから読めなかったんだろうが、アムール、優しさがバレバレになってるぞ。
「アムール、今年もよろしく!」
「……仕方ねぇから今年も面倒見てやるよ」
だけど気づかないふりをしてあげて、俺はアムールの胸に飛び込むだけにしておいた。
おせちは美味しくて懐かしい味。
アムールと一緒ならこの年もきっと、騒がしくて楽しい一年になるんだろうな。
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