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異変
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また白い空間にいた。
もうどちらが現実なのかわからなくなるほど、行き来を繰り返していた。
自分が立っている場所よりも低いところに、川が流れている。
体がそちらに近づいて行く。近づけば段々と目線が低くなり、川が近くなる。
川の先には、また別の世界がある。
自分にはなぜかはっきりとそれがわかる。
この川を渡って向こうの世界へ行けば、自分は解放される、楽になれる。
だから行こう。そう考える。
しかしいつもと同じ、目の端に映ったものを見てしまう。
川の手前にあるもの。
木。
『……あれ?』
その木には……実がなっていなかった。
途端に心臓がバクバクし始める。
あれほど自分の意志通りに動かすことができなかった、機械のように感じていた体に、自分の魂が宿ったような心地になる。
『もしかして……』
手を動かしてみる。動く。
足を上げてみる。動く、動く……!
『今しかない……!』
木に、実がなっていない。一つも。
その理由は分からない。
でも、抗いがたい誘惑がなければ、自分がすべきことは一つしかなかった。
川に向かって、走った。
足はうまく動かない。沼の中にでもいるみたいに、一歩一歩が重く、速くは動かせない。
でも、木に引っ張られることはなかった。
着実に川へ、そしてとうとう、その中へ入ることができた。
体には、冷たさも温かさも感じない。
実際に水の中に入っているというよりは、やはり自分の動きが妨げられている、重い空間の中にいるという感覚しかしない。
目線をあげる。
川の向こうには、もう飽きるくらい見た、いつもと変わらない異形が存在していた。
生物の集合体のような、数え切れない魔物を無造作にくっついてできたような異形の神。
『どうせ助けてはくれないんだろ?』
川の中でもがく自分を、そいつは身動きもせずに眺めている。
こちらがまるで、風景の一部としか見えていないかのように。
でも確実に、「見られている」という感覚はある。
『自力で行ってやる』
いつになく、前向きな気持ちになっていた。
これが最後になるかもしれない、という興奮もあった。
もがき、そしてとうとう岸が近づいてきた。
飽きるほど見てきた異形の神に、今まで見たことがないくらい近づくことができた。
その時だった。
もうどちらが現実なのかわからなくなるほど、行き来を繰り返していた。
自分が立っている場所よりも低いところに、川が流れている。
体がそちらに近づいて行く。近づけば段々と目線が低くなり、川が近くなる。
川の先には、また別の世界がある。
自分にはなぜかはっきりとそれがわかる。
この川を渡って向こうの世界へ行けば、自分は解放される、楽になれる。
だから行こう。そう考える。
しかしいつもと同じ、目の端に映ったものを見てしまう。
川の手前にあるもの。
木。
『……あれ?』
その木には……実がなっていなかった。
途端に心臓がバクバクし始める。
あれほど自分の意志通りに動かすことができなかった、機械のように感じていた体に、自分の魂が宿ったような心地になる。
『もしかして……』
手を動かしてみる。動く。
足を上げてみる。動く、動く……!
『今しかない……!』
木に、実がなっていない。一つも。
その理由は分からない。
でも、抗いがたい誘惑がなければ、自分がすべきことは一つしかなかった。
川に向かって、走った。
足はうまく動かない。沼の中にでもいるみたいに、一歩一歩が重く、速くは動かせない。
でも、木に引っ張られることはなかった。
着実に川へ、そしてとうとう、その中へ入ることができた。
体には、冷たさも温かさも感じない。
実際に水の中に入っているというよりは、やはり自分の動きが妨げられている、重い空間の中にいるという感覚しかしない。
目線をあげる。
川の向こうには、もう飽きるくらい見た、いつもと変わらない異形が存在していた。
生物の集合体のような、数え切れない魔物を無造作にくっついてできたような異形の神。
『どうせ助けてはくれないんだろ?』
川の中でもがく自分を、そいつは身動きもせずに眺めている。
こちらがまるで、風景の一部としか見えていないかのように。
でも確実に、「見られている」という感覚はある。
『自力で行ってやる』
いつになく、前向きな気持ちになっていた。
これが最後になるかもしれない、という興奮もあった。
もがき、そしてとうとう岸が近づいてきた。
飽きるほど見てきた異形の神に、今まで見たことがないくらい近づくことができた。
その時だった。
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