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敵か、味方か
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二つ目のスキル。
それはおそらく、ただ「皮膚感覚が鈍くなり、体に傷を負ったときの痛みを感じにくくなる」といった類のものではない。
感じなくなったのはただの「痛み」ではなく、
「苦痛そのもの」なのではないか。
これが、オーク亜種の腸を飲み下しながら、僕が確信を深めたスキルの正体だ。
僕の実感からすると、このスキルはどうやら「身体的苦痛」と「精神的苦痛」のどちらにも機能している。
単純に皮膚感覚が鈍くなった(または失われた)のであれば、短剣で皮膚を裂かれた時、その感触すら全くないはずだ。
しかしそうではない。
感触は確かにあるのだ。
だがそれが、「痛み」という、あのとても嫌な感覚、何としてでも避けたい感覚になぜか変換されない。
「鋭利なものが肌に触れた」とか、「生温かい血がそこから出てきた」とか、そういう感触だけが自分の意識に入ってくる。
「感触」と「痛み」が、繋がっていないのだ。
オーク亜種の腸を食べた時も同様だった。
食べている感触、口の中の味や食感は確かにある。
しかしその感触から、吐き気を催すほどの不快感が湧いてこない。
本来ならば起こるはずの、『魔物の生の臓物という異物を、体内に入れてはならないとする拒絶反応』が、全くない。
そのため、何の抵抗もなく飲み込むことができてしまった。
まるで体と心が、完全に切り離されてしまったかのようだ。
体を通じてどんなトラウマを与えようとしても、それが全く心に届かない。
この仮説が正しければ。
あのときスキル神は、「苦痛を消してくれ」という僕の願いを、完璧な形で叶えてくれたらしい。
……最高じゃないか。
今まで散々、「この役立たず」とか「いい加減、手を貸せよ!」とか「気持ち悪い姿しやがって」とか、対面するたびに心の中で罵倒しまくってきたことを、全力で謝りたい。
そして改めてこう言いたい。
『スキル神さま、万歳!!』
……いや、まてよ。
そもそも一つ目の「レアドロッパー」という厄介なスキルを与えられていなければ、こんな目にはあっていない。気がする。
ということは……
どっちだ??
僕はあの異形の神に対して、
『お前のせいで酷い目にあった!
絶対に許さん!』と怒るべきなのか?
それとも、
『救いの手を差し伸べてくださって、ありがとうございます……!』と
地べたに体を投げ、感謝を捧げるべきなのか?
うーむ。
……まぁ、どっちでもいいか。
今のところ、あの異形のスキル神に関しても分からないことが多すぎる。
味方なのか、敵なのか。
なぜ人間と魔物をぐちゃぐちゃに混ぜた姿をしているのか。
村では神だと教えられていたけれど、それは本当のことなのか。
なぜ僕が死にかけると、姿を現すのか。
あるいは単なる架空の存在で、頭の中に映る幻覚に過ぎないのか。
現状では、不明な点が多すぎる。
判断を下すのは、もう少し分かったことが増えてからの方が良さそうだ。
さて。
スキル神が敵なのか味方なのかはわからないが、スキルらしきものを得たのは事実だし、これを生かさない手はない。
まず対処するべき相手は、異形の神ではないのだ。
僕に地獄の苦しみをもたらした、本国の役人であり、パーティーでは『学者』職を担っている、ザン・ダールアン。
そして、道具扱いされる僕のことを助けようとなど全くしない、残りのパーティーメンバー。
『戦士』のゴダス。
『魔法使い』のアルア。
『神官』のメーテ。
僕が直近で対処すべき害悪は、この四人だ。
それはおそらく、ただ「皮膚感覚が鈍くなり、体に傷を負ったときの痛みを感じにくくなる」といった類のものではない。
感じなくなったのはただの「痛み」ではなく、
「苦痛そのもの」なのではないか。
これが、オーク亜種の腸を飲み下しながら、僕が確信を深めたスキルの正体だ。
僕の実感からすると、このスキルはどうやら「身体的苦痛」と「精神的苦痛」のどちらにも機能している。
単純に皮膚感覚が鈍くなった(または失われた)のであれば、短剣で皮膚を裂かれた時、その感触すら全くないはずだ。
しかしそうではない。
感触は確かにあるのだ。
だがそれが、「痛み」という、あのとても嫌な感覚、何としてでも避けたい感覚になぜか変換されない。
「鋭利なものが肌に触れた」とか、「生温かい血がそこから出てきた」とか、そういう感触だけが自分の意識に入ってくる。
「感触」と「痛み」が、繋がっていないのだ。
オーク亜種の腸を食べた時も同様だった。
食べている感触、口の中の味や食感は確かにある。
しかしその感触から、吐き気を催すほどの不快感が湧いてこない。
本来ならば起こるはずの、『魔物の生の臓物という異物を、体内に入れてはならないとする拒絶反応』が、全くない。
そのため、何の抵抗もなく飲み込むことができてしまった。
まるで体と心が、完全に切り離されてしまったかのようだ。
体を通じてどんなトラウマを与えようとしても、それが全く心に届かない。
この仮説が正しければ。
あのときスキル神は、「苦痛を消してくれ」という僕の願いを、完璧な形で叶えてくれたらしい。
……最高じゃないか。
今まで散々、「この役立たず」とか「いい加減、手を貸せよ!」とか「気持ち悪い姿しやがって」とか、対面するたびに心の中で罵倒しまくってきたことを、全力で謝りたい。
そして改めてこう言いたい。
『スキル神さま、万歳!!』
……いや、まてよ。
そもそも一つ目の「レアドロッパー」という厄介なスキルを与えられていなければ、こんな目にはあっていない。気がする。
ということは……
どっちだ??
僕はあの異形の神に対して、
『お前のせいで酷い目にあった!
絶対に許さん!』と怒るべきなのか?
それとも、
『救いの手を差し伸べてくださって、ありがとうございます……!』と
地べたに体を投げ、感謝を捧げるべきなのか?
うーむ。
……まぁ、どっちでもいいか。
今のところ、あの異形のスキル神に関しても分からないことが多すぎる。
味方なのか、敵なのか。
なぜ人間と魔物をぐちゃぐちゃに混ぜた姿をしているのか。
村では神だと教えられていたけれど、それは本当のことなのか。
なぜ僕が死にかけると、姿を現すのか。
あるいは単なる架空の存在で、頭の中に映る幻覚に過ぎないのか。
現状では、不明な点が多すぎる。
判断を下すのは、もう少し分かったことが増えてからの方が良さそうだ。
さて。
スキル神が敵なのか味方なのかはわからないが、スキルらしきものを得たのは事実だし、これを生かさない手はない。
まず対処するべき相手は、異形の神ではないのだ。
僕に地獄の苦しみをもたらした、本国の役人であり、パーティーでは『学者』職を担っている、ザン・ダールアン。
そして、道具扱いされる僕のことを助けようとなど全くしない、残りのパーティーメンバー。
『戦士』のゴダス。
『魔法使い』のアルア。
『神官』のメーテ。
僕が直近で対処すべき害悪は、この四人だ。
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