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ドラゴンの正体
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『久しぶりだな、ここに来るのは』
白い空間。
目の前には川。
そして川の向こう側が見えてくる。
『色々ありすぎて、すごく昔のことみたいに思えるけど……
でも……そうか。
ザンの頭陀袋の中で、隠れてアイテムを出していたとき以来だな』
異形の神、スキル神。
魔物やら人間やらを体の部位ごとに分解して、ごちゃ混ぜにくっつけたような、現実離れした姿。
初めて見た時ーー一つ目のスキル『レアドロッパー』を授かった時から、様子は全く変わっていない。
そしてこの幻の空間で起こる内容も。
川を渡ることはできず、その手前に生えた木に惹かれていく。
木には赤い実が、たわわになっている。
数えようとしても数えきれないほどに。
『たぶんこの実は、復活を意味しているんだろうな』
二つ目のスキル――僕が便宜上、『無痛スキル』と呼んでいるものが授けられた時。
あのときこの木には、赤い実が一つもなっていなかった。そして赤い実に誘惑されることがなかった僕は、川に入り、スキル神に近づくことができた。
しかし川の向こう側にたどり着くあと少しのところで、木が急速に実った。
そして目を覚ました時、学者はオーバーヒールの余剰体力が切れかけていたと、焦りながら僕をヒールしていた。
だから多分、この実が復活分の体力を示している。
でも『赤い実の数=復活できる回数』というほど単純な関係性はおそらくない。
殺されるたびに一つずつ実が減っていくという分かりやすい変化は、これまでに確認できなかったからだ。
はっきりと確認できたのは、オーバーヒールによって溜め込んだ残機が0になった時のみ。その時は木になっている実が0になったから、確実にそうだと分かった。
しかしその時点で「残機が今0になった」と気が付いたとしても、遅いだろう。あの時のザンのようにヒールをかける人間がそばにいなければ、おそらく復活できずにそのまま死んでしまうからだ。
今の自分はヒールをかける人間が近くにいないのだから、以前のオーバーヒールに残っている復活回数が分からない現段階では、死を避けなくてはならない……はずなのだが、どうやら今回はやられてしまったらしい。
木に手を伸ばし、赤い実を一つ取る。
『まぁこうして実がなっているということは、今回はまだ復活分の余剰体力が残っていたということだろう。
あと何回分残っているのか。
それさえわかれば、気兼ねなくアイテムを取り出すことができるのに……』
実を食べながら、木になっている赤い実を数える。
ざっと50はありそうだ。
『これが見た目通り、残機の数になっていれば苦労はしないんだが。
さすがにあと50回以上復活できるとは思えない。今までは、十回殺されたら一回オーバーヒールされるぐらいのペースで、学者にはやられていた。だから今の時点で、あと50回分も復活回数が残っているとは到底思えない』
そんなことを考えているうちに、手の中の実をすっかり食べ終わった。満たされない気分が残り、意地汚く手についた汁を舐める。これもいつもと同じ動作。
『復活したら、またあのドラゴン種と戦わなきゃいけないのか……』
魔法攻撃を食らっても食らっても、ダウンしなかった手強い相手。
しかも最終的に、瞬間移動のような動きを見せた。
『あれは一体……』
その時、自分の頭の中で何か引っかかるものを感じた。
『なんだ?
今、何か、重要なことを思いついたような……』
しかしもう時間がない。
そろそろ、元の世界に戻りそうだ。
『いや、何かがわかりそうなんだ。
あいつの正体、あの頑丈さ、瞬間移動……』
目の前には赤い実のなる木。
どれだけ実がなっていても、その実の数だけ復活できるわけではないということ。
――見た目とは関係がない。
『そうか、そういうことか!
だとしたら、今必要なアイテムは……』
そして白い空間は、音もなく崩れ去った。
薄っすらと目を開ける。
僕が復活するなどとは、考えもしていないのだろう。魔物はこちらに背を向けている。
生々しく血で汚れている地面。
その上に転がっているアイテムを、密かに確認する。
『きた……!』
白い空間。
目の前には川。
そして川の向こう側が見えてくる。
『色々ありすぎて、すごく昔のことみたいに思えるけど……
でも……そうか。
ザンの頭陀袋の中で、隠れてアイテムを出していたとき以来だな』
異形の神、スキル神。
魔物やら人間やらを体の部位ごとに分解して、ごちゃ混ぜにくっつけたような、現実離れした姿。
初めて見た時ーー一つ目のスキル『レアドロッパー』を授かった時から、様子は全く変わっていない。
そしてこの幻の空間で起こる内容も。
川を渡ることはできず、その手前に生えた木に惹かれていく。
木には赤い実が、たわわになっている。
数えようとしても数えきれないほどに。
『たぶんこの実は、復活を意味しているんだろうな』
二つ目のスキル――僕が便宜上、『無痛スキル』と呼んでいるものが授けられた時。
あのときこの木には、赤い実が一つもなっていなかった。そして赤い実に誘惑されることがなかった僕は、川に入り、スキル神に近づくことができた。
しかし川の向こう側にたどり着くあと少しのところで、木が急速に実った。
そして目を覚ました時、学者はオーバーヒールの余剰体力が切れかけていたと、焦りながら僕をヒールしていた。
だから多分、この実が復活分の体力を示している。
でも『赤い実の数=復活できる回数』というほど単純な関係性はおそらくない。
殺されるたびに一つずつ実が減っていくという分かりやすい変化は、これまでに確認できなかったからだ。
はっきりと確認できたのは、オーバーヒールによって溜め込んだ残機が0になった時のみ。その時は木になっている実が0になったから、確実にそうだと分かった。
しかしその時点で「残機が今0になった」と気が付いたとしても、遅いだろう。あの時のザンのようにヒールをかける人間がそばにいなければ、おそらく復活できずにそのまま死んでしまうからだ。
今の自分はヒールをかける人間が近くにいないのだから、以前のオーバーヒールに残っている復活回数が分からない現段階では、死を避けなくてはならない……はずなのだが、どうやら今回はやられてしまったらしい。
木に手を伸ばし、赤い実を一つ取る。
『まぁこうして実がなっているということは、今回はまだ復活分の余剰体力が残っていたということだろう。
あと何回分残っているのか。
それさえわかれば、気兼ねなくアイテムを取り出すことができるのに……』
実を食べながら、木になっている赤い実を数える。
ざっと50はありそうだ。
『これが見た目通り、残機の数になっていれば苦労はしないんだが。
さすがにあと50回以上復活できるとは思えない。今までは、十回殺されたら一回オーバーヒールされるぐらいのペースで、学者にはやられていた。だから今の時点で、あと50回分も復活回数が残っているとは到底思えない』
そんなことを考えているうちに、手の中の実をすっかり食べ終わった。満たされない気分が残り、意地汚く手についた汁を舐める。これもいつもと同じ動作。
『復活したら、またあのドラゴン種と戦わなきゃいけないのか……』
魔法攻撃を食らっても食らっても、ダウンしなかった手強い相手。
しかも最終的に、瞬間移動のような動きを見せた。
『あれは一体……』
その時、自分の頭の中で何か引っかかるものを感じた。
『なんだ?
今、何か、重要なことを思いついたような……』
しかしもう時間がない。
そろそろ、元の世界に戻りそうだ。
『いや、何かがわかりそうなんだ。
あいつの正体、あの頑丈さ、瞬間移動……』
目の前には赤い実のなる木。
どれだけ実がなっていても、その実の数だけ復活できるわけではないということ。
――見た目とは関係がない。
『そうか、そういうことか!
だとしたら、今必要なアイテムは……』
そして白い空間は、音もなく崩れ去った。
薄っすらと目を開ける。
僕が復活するなどとは、考えもしていないのだろう。魔物はこちらに背を向けている。
生々しく血で汚れている地面。
その上に転がっているアイテムを、密かに確認する。
『きた……!』
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