【完結】死ぬとレアアイテムを落とす『ドロップ奴隷』としてパーティーに帯同させられ都合よく何度も殺された俺は、『無痛スキル』を獲得し、覚醒する

Saida

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ドロップ武器に付与された力

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ジルさんは地図も見ずに、すたすたと先を歩いて行った。

そして何もないところですっと立ち止まったかと思うと、

「ちょっと、火、消して」と指示を出した。

僕はすぐに、手袋から出していた火を消す。

「うん。ありがとう。

いるよ、少し先に。

一、二……五匹だな。たぶん、ゴブリン。弱そうだし、試す相手にはよさそうだけど。

どうする?」

『すごい……ほんとににおいを嗅ぐだけでわかるのか……』

ジルさんのスキル。鋭敏な嗅覚を通して、様々な情報をくみ取る能力。

ダンジョン内ではかなり有能な探索スキルだと、ジルさん本人が胸を張って言っていた。

しかし隣にいたドースさんも否定していなかったし、その有能さはどうやら確かなようだ。

「やります。援護してもらっていいですか?」

「もちろん。さぁ、実戦だ!」

小声ながらも、とても楽しそうなジルさん。

『変な人だけど、一緒にいるだけで心強さが半端じゃないな』

「いきます」

僕は新しくドロップした武器を持って、ゴブリンの方へ向かっていった。




『索敵!』

僕は手袋を向け、命じる。

すぐさま、手袋に反応が返ってくる。すぐそこまで、敵に迫っている。

「光れ!」

僕ははっきりと口に出して言った。

強い光が、あたりを照らす。

ギャッ、と声が上がる。大きな頭に小さな体、醜い顔、青い皮膚。

間違いない、ジルさんの言ったとおり、ゴブリン種だ。

光に驚いた彼らが、慌てて逃げ惑う。

しかし不運な一匹が、地面の出っ張りに転んでしまい、逃げ遅れた。

僕の後ろから、ジルさんが飛び出してくる。

倒れた一匹と、その他のゴブリンとの間でハンドアックスを振り回し、的確に両者を分断する。

僕は孤立した一匹のゴブリンに狙いを定めた。

『いける!』

新しくドロップした武器の切っ先を、迷わずその一匹に向けて突き出す。

切っ先は狙い通り、転んだゴブリンの脇腹を捉えた。

『どうだ……』

消えかかる強い光に代わって、僕は手袋で頭上に火を灯し、様子を見守る。

ゴブリンは、ぶるぶると痙攣していた。

「どう?」

他のゴブリンを追い払い終えたジルさんが、僕の後ろからその様子を見守っている。

「たぶん、いけます」

僕はもう一度、ゴブリンを突き刺した。

やがてゴブリンは、動かなくなった。

コロン。

ゴブリンの体から、何かが転がり出た。

「あっ!」

僕はジルさんと、顔を見合わせた。

「やりました!」

「やったね!

あ、待って」

ジルさんは慌ててゴブリンの方を指差す。

ゴブリンがゆっくりと起き上がった。

そして不思議そうに脇腹を手で触れた。それから僕たちの方に気が付き、慌てて逃げ出げていった。

「うわ、すごい……

すごいじゃん!」

ジルさんが、僕の肩をばんばん叩いた。

「はい、本物でした。間違いないです……!」

僕は改めて、手元の武器を確かめた。
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