28 / 95
推しDomがサロモだった件について
しおりを挟む
「はい、こっちにゃん来い。手は、にゃんの拳の形だこの馬鹿たれが」
と、SNSフォトブースで芹沢が希逢に指示出しをしてポーズを決めさせる。照明をバンバン当ててまるで本物のサロンモデルの撮影みたいだ、と由羽は見守る。なぜか希逢は猫のにゃんポーズを芹沢に強制されており、むすっとした無表情で撮影に臨んでいる。それにしても、芹沢は希逢のことを「馬鹿たれ」と呼ぶのが当たり前のようだ。そのことに由羽が少し笑ってしまいそうになる。けれど、きっと笑ったら希逢がキレかねないので笑いをこらえて様子を見守ることにしたのだ。ちょうどハロウィンの季節でこの間、由羽はウォン・ポムとフォトブースの飾り付けを行ったばかりなので、早速お役に立てて嬉しい。ウォン・ポムも目を輝かせながら希逢の撮影を見つめている。
「すみません。この骸骨持ってもいいですか?」
「はい。ぜひお使いください」
芹沢の問いかけに由羽は笑顔で答える。すると、希逢が骸骨を持ち上げ抱きしめるポーズを撮った。その瞬間、ぱちりと由羽にウィンクをしてきた。由羽はぴく、と反応する。
え、今の……俺にウィンク送ってくれたのかな? いや、まさか撮影中だぞ。俺の気のせい、気のせい。
由羽はふるふると頭を振って、撮影風景を見守る。
「いやいや、とても素敵な撮影ブースをお貸ししてくださりありがとうございます」
「いえいえ。お役に立ててとても嬉しいです」
芹沢と由羽の話に聞き耳を立てながら、希逢はちらちらと由羽のことを見る。
ーー……やっば、かわいすぎるこの生き物。
ぱっちりとした二重は垂れ目メイクをしているのか、穏やかな印象を受ける。少し長さのあるウルフカットは、全体がミルクティー色なのだが、前髪から触覚にかけて薄い水色に染められている。
1つびっくりしたことがある。それは、由羽が想像よりも背が高いことだった。希逢の身長は186センチと高身長の部類に入るが、由羽も180センチはあるのではないかというほどの背の高さなのだ。希逢はてっきり、由羽は小柄な人だと思い込んでいたため、長身に映える長くて細い足を想像したら頭がピンク色に染まりそうなので、ふるふるとかぶりを振った。
「おい。馬鹿たれ。お礼を言いなさい」
芹沢からの呼びかけにハッとして振り返れば、由羽がいつのまにか、ちょこんと希逢の隣にいて微笑んでいる。まるでオーガンジーリボンに包まれたような儚さを見た。
「……ありがとうございます。すごく……良い髪型です」
芹沢が見ている手前、ラフな口調にはなれなくて仕方なく真面目くんモードをちらつかせる。
「良かったです。ありがとうございます」
由羽はにこ、と笑顔を見せて入口まで見送りにきてくれる。
ーー……やば。めっちゃかわいい。叶うことなら今すぐにでも唇に噛みつきたい。
由羽が深くお辞儀をして希逢と芹沢を見送ったところで、移動に使っている車の中に入り込む。今日の運ちゃんは誰かなと希逢は思いつつ、髪の毛に触れる。この髪の毛に由羽の手がくっついたり離れたりしてたんだな、と思うと身体が熱っぽくなってしまう。
と、SNSフォトブースで芹沢が希逢に指示出しをしてポーズを決めさせる。照明をバンバン当ててまるで本物のサロンモデルの撮影みたいだ、と由羽は見守る。なぜか希逢は猫のにゃんポーズを芹沢に強制されており、むすっとした無表情で撮影に臨んでいる。それにしても、芹沢は希逢のことを「馬鹿たれ」と呼ぶのが当たり前のようだ。そのことに由羽が少し笑ってしまいそうになる。けれど、きっと笑ったら希逢がキレかねないので笑いをこらえて様子を見守ることにしたのだ。ちょうどハロウィンの季節でこの間、由羽はウォン・ポムとフォトブースの飾り付けを行ったばかりなので、早速お役に立てて嬉しい。ウォン・ポムも目を輝かせながら希逢の撮影を見つめている。
「すみません。この骸骨持ってもいいですか?」
「はい。ぜひお使いください」
芹沢の問いかけに由羽は笑顔で答える。すると、希逢が骸骨を持ち上げ抱きしめるポーズを撮った。その瞬間、ぱちりと由羽にウィンクをしてきた。由羽はぴく、と反応する。
え、今の……俺にウィンク送ってくれたのかな? いや、まさか撮影中だぞ。俺の気のせい、気のせい。
由羽はふるふると頭を振って、撮影風景を見守る。
「いやいや、とても素敵な撮影ブースをお貸ししてくださりありがとうございます」
「いえいえ。お役に立ててとても嬉しいです」
芹沢と由羽の話に聞き耳を立てながら、希逢はちらちらと由羽のことを見る。
ーー……やっば、かわいすぎるこの生き物。
ぱっちりとした二重は垂れ目メイクをしているのか、穏やかな印象を受ける。少し長さのあるウルフカットは、全体がミルクティー色なのだが、前髪から触覚にかけて薄い水色に染められている。
1つびっくりしたことがある。それは、由羽が想像よりも背が高いことだった。希逢の身長は186センチと高身長の部類に入るが、由羽も180センチはあるのではないかというほどの背の高さなのだ。希逢はてっきり、由羽は小柄な人だと思い込んでいたため、長身に映える長くて細い足を想像したら頭がピンク色に染まりそうなので、ふるふるとかぶりを振った。
「おい。馬鹿たれ。お礼を言いなさい」
芹沢からの呼びかけにハッとして振り返れば、由羽がいつのまにか、ちょこんと希逢の隣にいて微笑んでいる。まるでオーガンジーリボンに包まれたような儚さを見た。
「……ありがとうございます。すごく……良い髪型です」
芹沢が見ている手前、ラフな口調にはなれなくて仕方なく真面目くんモードをちらつかせる。
「良かったです。ありがとうございます」
由羽はにこ、と笑顔を見せて入口まで見送りにきてくれる。
ーー……やば。めっちゃかわいい。叶うことなら今すぐにでも唇に噛みつきたい。
由羽が深くお辞儀をして希逢と芹沢を見送ったところで、移動に使っている車の中に入り込む。今日の運ちゃんは誰かなと希逢は思いつつ、髪の毛に触れる。この髪の毛に由羽の手がくっついたり離れたりしてたんだな、と思うと身体が熱っぽくなってしまう。
33
あなたにおすすめの小説
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
「普通を探した彼の二年間の物語」
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
黒の執愛~黒い弁護士に気を付けろ~
ひなた翠
BL
小野寺真弥31歳。
転職して三か月。恋人と同じ職場で中途採用の新人枠で働くことに……。
朝から晩まで必死に働く自分と、真逆に事務所のトップ2として悠々自適に仕事をこなす恋人の小林豊28歳。
生活のリズムも合わず……年下ワンコ攻め小林に毎晩のように求められてーー。
どうしたらいいのかと迷走する真弥をよそに、熱すぎる想いをぶつけてくる小林を拒めなくて……。
忙しい大人の甘いオフィスラブ。
フジョッシーさんの、オフィスラブのコンテスト参加作品です。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
【BL】正統派イケメンな幼馴染が僕だけに見せる顔が可愛いすぎる!
ひつじのめい
BL
αとΩの同性の両親を持つ相模 楓(さがみ かえで)は母似の容姿の為にΩと思われる事が多々あるが、説明するのが面倒くさいと放置した事でクラスメイトにはΩと認識されていたが楓のバース性はαである。
そんな楓が初恋を拗らせている相手はαの両親を持つ2つ年上の小野寺 翠(おのでら すい)だった。
翠に恋人が出来た時に気持ちも告げずに、接触を一切絶ちながらも、好みのタイプを観察しながら自分磨きに勤しんでいたが、実際は好みのタイプとは正反対の風貌へと自ら進んでいた。
実は翠も幼い頃の女の子の様な可愛い楓に心を惹かれていたのだった。
楓がΩだと信じていた翠は、自分の本当のバース性がβだと気づかれるのを恐れ、楓とは正反対の相手と付き合っていたのだった。
楓がその事を知った時に、翠に対して粘着系の溺愛が始まるとは、この頃の翠は微塵も考えてはいなかった。
※作者の個人的な解釈が含まれています。
※Rシーンがある回はタイトルに☆が付きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる