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可哀想なくらい震えている美少女を見て私はどうしたものかと困惑していた。
「お、お姉様。何かありましたか?」
「別に。そろそろ休んだらどうかしら。お茶を用意するか……」
「はい! ただいま、お茶の準備をしてきます!」
私が最後まで言わずに少女は慌てて部屋を飛び出した。
部屋の掃除の途中、投げ出された箒を拾い私は自分の現状にため息ついた。
◆
私、コレットは前世、日本の大学生だった記憶がある。
きつい受験戦争を終え、良い大学の法学部に入学でき、都市部に一人暮らししていた。
高校時代、親のお小遣い、お年玉をこつこつと貯めてようやく得たものはゲーム機、そして興味のあった乙女ゲームのソフトであった。
今までゲーム禁止であった私は迷わずのめりこんでしまった。
「うー、眠い。ゲームやりすぎたー」
翌朝、絶対に受講しなければならない講義があったにも関わらず朝までゲームしてしまった。
続きが気になって気になって仕方なかった。
といえば、親に怒られてしまう。
ふらふらになりながらも自転車を走らせているが、曲がり角のところでうっかりと転倒してしまった。
大きなトラックが目の前に向かって走ってきている。それが、最後に見た光景だった。
◆
おそらくあのまま死んで転生してしまったのだ。
この乙女ゲーム『きらきらシンデレラ』に。
このゲームは童話のシンデレラをモチーフにした継子いじめものからはじまるゲームである。
ヒロイン・マリーは裕福な伯爵家に生まれるが、父が再婚した継母と連れ子たちにいじめられる。
父親は出張にでかけて事故に巻き込まれて死亡。
継母の天下、義姉たちにいじめられ使用人のような暮らしをしていた。
いじめられていたせいか自信を失い、使用人として過ごすことに慣れてしまった。
そんな時、彼女の前に現れたイケメンと交流していくうちに自信を取り戻し、かつての美しく明るい令嬢へと戻っていく。
そして出会ったイケメンと結ばれて幸せになっていくというものだ。
そのイケメンが5人おり、攻略対象であったのだ。
コレットはそのマリーにいじわるする義姉で、いじめはどんどんエスカレートしていった。
しかもマリーがイケメンと良い雰囲気になっているのに嫉妬を燃やし危害を加えようとまでしたのだ。
結末は罪を白日のもとに晒され、追放、処刑とろくな最期を送っていない。
前世の記憶が戻ったのがちょうどマリーをいじめる前で助かった。
と言っても母に使用人のように扱われるのを見て見ぬふりをしたから無罪というわけではない。
「これから挽回はできる、……のかな?」
少し不安になる。
コレットは深くため息をついた。
とにかくこれからの行動が私の余生に関わる。
まずはこの待遇を変えなければならない。
私の側にいる限り、マリーに惨めな思いはさせない。
コレットはあらゆる手を尽くして、母からマリーを守り抜いた。一緒のテーブルで食事をとるのは厳しくてもマリーの部屋は以前のものに、食事は私たちと同じもの、掃除や洗濯などは私も一緒にしていった。
はじめは警戒していたマリーも少しずつコレットの心を開いていった。
「お姉さま、お茶を用意しました」
マリーは配膳してコレットをテーブルへと呼び寄せた。
「マリー。いけません。使用人の真似事をするなど……あなたは伯爵家の大事な令嬢。お義父さまが残された家を継ぐ女主人としての自覚を持ちなさい」
「はい。ですが、愛しい方をつくすのも私にとって大事なことですので」
眩しいばかりのヒロインパワー、光がみえる。目がちかちかとする。
コレットは二度目のため息をついた。
どうしてこうなったのだろうか。
「お、お姉様。何かありましたか?」
「別に。そろそろ休んだらどうかしら。お茶を用意するか……」
「はい! ただいま、お茶の準備をしてきます!」
私が最後まで言わずに少女は慌てて部屋を飛び出した。
部屋の掃除の途中、投げ出された箒を拾い私は自分の現状にため息ついた。
◆
私、コレットは前世、日本の大学生だった記憶がある。
きつい受験戦争を終え、良い大学の法学部に入学でき、都市部に一人暮らししていた。
高校時代、親のお小遣い、お年玉をこつこつと貯めてようやく得たものはゲーム機、そして興味のあった乙女ゲームのソフトであった。
今までゲーム禁止であった私は迷わずのめりこんでしまった。
「うー、眠い。ゲームやりすぎたー」
翌朝、絶対に受講しなければならない講義があったにも関わらず朝までゲームしてしまった。
続きが気になって気になって仕方なかった。
といえば、親に怒られてしまう。
ふらふらになりながらも自転車を走らせているが、曲がり角のところでうっかりと転倒してしまった。
大きなトラックが目の前に向かって走ってきている。それが、最後に見た光景だった。
◆
おそらくあのまま死んで転生してしまったのだ。
この乙女ゲーム『きらきらシンデレラ』に。
このゲームは童話のシンデレラをモチーフにした継子いじめものからはじまるゲームである。
ヒロイン・マリーは裕福な伯爵家に生まれるが、父が再婚した継母と連れ子たちにいじめられる。
父親は出張にでかけて事故に巻き込まれて死亡。
継母の天下、義姉たちにいじめられ使用人のような暮らしをしていた。
いじめられていたせいか自信を失い、使用人として過ごすことに慣れてしまった。
そんな時、彼女の前に現れたイケメンと交流していくうちに自信を取り戻し、かつての美しく明るい令嬢へと戻っていく。
そして出会ったイケメンと結ばれて幸せになっていくというものだ。
そのイケメンが5人おり、攻略対象であったのだ。
コレットはそのマリーにいじわるする義姉で、いじめはどんどんエスカレートしていった。
しかもマリーがイケメンと良い雰囲気になっているのに嫉妬を燃やし危害を加えようとまでしたのだ。
結末は罪を白日のもとに晒され、追放、処刑とろくな最期を送っていない。
前世の記憶が戻ったのがちょうどマリーをいじめる前で助かった。
と言っても母に使用人のように扱われるのを見て見ぬふりをしたから無罪というわけではない。
「これから挽回はできる、……のかな?」
少し不安になる。
コレットは深くため息をついた。
とにかくこれからの行動が私の余生に関わる。
まずはこの待遇を変えなければならない。
私の側にいる限り、マリーに惨めな思いはさせない。
コレットはあらゆる手を尽くして、母からマリーを守り抜いた。一緒のテーブルで食事をとるのは厳しくてもマリーの部屋は以前のものに、食事は私たちと同じもの、掃除や洗濯などは私も一緒にしていった。
はじめは警戒していたマリーも少しずつコレットの心を開いていった。
「お姉さま、お茶を用意しました」
マリーは配膳してコレットをテーブルへと呼び寄せた。
「マリー。いけません。使用人の真似事をするなど……あなたは伯爵家の大事な令嬢。お義父さまが残された家を継ぐ女主人としての自覚を持ちなさい」
「はい。ですが、愛しい方をつくすのも私にとって大事なことですので」
眩しいばかりのヒロインパワー、光がみえる。目がちかちかとする。
コレットは二度目のため息をついた。
どうしてこうなったのだろうか。
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