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8章
7 帰宅
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公都へ戻った後、人々はライラを迎えた。
そして今までのことを詫びる者もいて、ライラは逆に謝れ疲れてしまっていた。
大公家とともに第三皇子の姿もある。
意識は取り戻していが、右足に後遺症が残ったそうだ。石化の後遺症が。
彼はライラの挨拶を受けるや、前回の狩猟祭のパーティーでの無礼な発言を謝罪した。
アメリーの魅了だったとはいえ、多くの女性を悲しませてしまった。帝国へ帰った後は、母や義姉たちに詫びて、今後のことをしっかりと考えたいという。
3日後に第三皇子はトラヴィスの同伴で帝都へと帰宅した。ライラと入れ違いのように。
ちなみにライラが不在の間に第三皇子とアビゲイル公女の婚約の件は解消で片付いた。皇帝家とはすでに話が終わっている。アメリーの魅了の影響とはいえ、第三皇子はアビゲイル公女を迎えるだけの人間ではないといい辞退を示したという。
1年後に彼は臣下へとくだった。大公位につかず、縁戚の子爵の地位を継いだという。帝国内の治療院の経営をしており、進んで事業を受け継いだ。
「では、ライラ。遅れたけど、あなたにこれを贈呈しましょう」
秋の女王となっていたライラへの商品「星の石」の原石である。このまま飾っても美しい。
黒い石なのにきらきらと無数の粒が光っていて星空のようであった。
「それでも、もう一度結婚するのよね」
一応無効扱いになったとはいえ、離縁が受理されてしまったのを思い出した。
クロードはもう一度結婚すると発言していた。
「いえ、もう十分」
「ダメよ。私は前の結婚式はいろいろと思うところがあったから、クロードがもう一度結婚するという発言があったんだもの。これを逃してはいけないわ」
ライラは公妃に誘拐され、そのまま結婚式用の新しいウェディングドレスの発注にとりかかった。
去年の衣装で十分ではというが、公妃は許さなかった。
2回目の結婚式は春の予定になった。いろいろあるが、アルベル辺境のことが心配だしすぐに戻りたい。
ドレスの手配は自分がすると公妃は譲らずドレスの内容、式の計画が一通り終わった後にライラはようやく解放された。
そして意外な再会がここでも起こっていた。
「兄ちゃん、おかえりー!」
公妃の客レイがぴゅんと現れた。どうやらライの代わりに魅了を解くお茶を作成していたようだ。
ライラの従僕見習いの少年姿だったライは驚いた表情をし一瞬で狐の姿へと戻る。
「お前、ずいぶん太りやがって」
「だって、お城のご飯おいしいんだもの。ベラが優しくてさ。侍女のお姉ちゃんは毎日トリミングしてくれるんだ」
公女だけではなく公妃まで愛称呼びとは恐れいった。ライですら大公夫妻には尊称呼びだったというのに。
妙にふくよかで毛艶の良い子狐が誕生してしまった。噂では公妃のお気に入りのペットと高い地位を得た。
公城の偉い人から「レイ卿」と呼ばれているのを見てライラは驚いてしまった。
「ライラもレイを見習いなさい」
公妃はぼそっと耳打ちをした。何をどのように見習えばいいのだ。
再会の挨拶を終えて、ライラはアルベルへ戻ることとなった。ライとレイも一緒である。
「やだー、おしろにいるー。ここがいい。ここの人たちやさしいもん」
レイがめちゃくちゃごねていたが、ライラたちは一生懸命説得してようやく連れて帰ることに成功した。
甘やかすとこうなってしまう。よく理解した。
残念がっていた公妃は馬車に乗る前のライラに言った。
「春までにふくよかになりなさいよ」
本来逆では。
「髪も切っちゃダメよ。伸ばしなさい」
いくつかの注意をライラは聞き流し、リリーはうんうんと頷いていた。
アルベルへ戻る馬車の中、クロードは珍しく一緒に乗ってくれていた。リリーとライは別の馬車である。
クロードはライラの手を握って、さっきの公妃の言葉を思い出した。
「確かに、もう少しお肉が」
「それは言わないで」
何だか情けなくなってしまう。
ライラはこの数か月でずいぶん痩せてしまった。罪人として投獄されたことと、繰り返す熱病で食事を満足にとれなかったのが大きい。
クロードは、帰った後に栄養価の高い魔物討伐を考えていた。
思い出したように携帯用の干し肉を出してライラに食べさせてみる。
「いえ、まだ食事じゃないですし」
それでも気になって口に入れてみる。塩が効いて美味しい。意外に口に入る。なんの肉だろうか。
「ベヒモスの肉」
そういえば狩猟祭であったな。と思い出す。
この騒動の中でも料理長はベヒモスの肉を使い保存食を大量生産していたようだ。
しばらく窓の外を眺めながらライラはオズワルドたちのことが気になった。
「アルベルは大丈夫でしょうかね」
「撤退されたから今は戦争の後処理中らしい」
クロードは深くため息をついた。帰った後の書類仕事がどれだけたまっているかと思うと憂鬱なようである。
できれば戦争の前線に立つ方が気楽でよい。最近は前に出すぎだとオズワルドから怒られるが。
「俺が不在の間、オズも、みんなよく頑張ってくれた」
それは認めるべきであろう。
◆◆◆
一面真っ白な雪景色が広がっているアルベル。ジーヴル城へ戻った後、予想通りクロードは書類処理に追われていた。ブライアン秘書官の容赦のなさはさらに拍車にかかっている。
リーゼロッテ女史に病が治ったことを報告すると、彼女は心から喜んだ。
「なるほど……呪いですか。てっきり免疫病だと思っていたのですが」
雪結晶病はかなり緻密な構造をしているようで、気づかれにくかったという。その上、症例数も少なく解明する前に患者が臓器損傷で命を落としてしまう。
これで解決したと思ったが、他の地方にも似たケースがまだ続いている可能性もある。
リーゼロッテ女史は雪結晶病についての考察論文を作成し、出版をする計画をたてていた。
1年後に同じテーマで聖国からも論文が出たので、リーゼロッテ女史は出張で聖国へ討論することとなり張り切っていたという。
ライは隠れ里へと帰ることになった。役目が一応終わったからだ。レイはようやく普段の生活へと戻ったようでシャフラへ一緒に帰っていった。
何だか寂しいなと感じるが、またシャフラへ遊びに行ったとき会える。
すっかりと癒しのもふもふたちがいなくなってしまった。
ライラは膝の上に乗るブランシュの姿を思い出した。
「リリー、フルートを出してくれる」
ライラはフルートを持ち城の中を歩いた。どこらへんがいいかなぁと思いながら、通りかかりの騎士に尋ねた。
勧められるまま城門塔へと行ってみる。
ジーヴルの街を一望できて遠くまで確認できた。記憶をたどりながら、ブランシュと出会ったヒリス山はあのあたりだなと思い出す。
ライラはフルートを構えた。
ブランシュの好きな曲を披露する。あの時の少女はどこで笛を吹けばいいかまでは教えてくれなかった。
どこでもいいのだろう。ブランシュはライラの中にいるのだから。
それでも、ここで吹いているとどこからかひょっこりとブランシュが飛んできそうな気がした。
一曲を終えると拍手が出た。後ろを振り返るとオズワルドがいた。
城へ帰った時は不在だと聞かされていた。別の砦を見て回っていると。
いつ戻ってきたのだろう。
「オズ」
「上手になったね」
オズワルドは目を細めて穏やかに笑った。
「子供の時はうまく音が出せずにピーっと泣いていたのに」
「それは忘れてください」
ライラは顔を真っ赤にしてオズワルドに頼んだ。
「病気が治ってもここは寒いよ」
手にブランケット持ち、ライラの肩へとかける。優しい言葉、優しい仕草である。
「オズ」
ライラは少し聞いていいか悩んだ。それに気づいたようでオズワルドはにこりと笑う。
「今はとても気分がいいんだ。質問は何でも応えるよ」
「質問というか、ええっと……変な話をするのだけど」
ライラはあの時の少女の言葉を思い出した。ユァンに取りつかれた時助けてくれた少女の言葉を。
「私とお母さまにそっくりな女の子がね、あなたをよろしくって……ナラン、オズワルドをよろしく」
オズワルドはじぃっとライラを見つめた。
やっぱり変なことだったかもしれない。
オズワルドは涙をこぼした。
そして今までのことを詫びる者もいて、ライラは逆に謝れ疲れてしまっていた。
大公家とともに第三皇子の姿もある。
意識は取り戻していが、右足に後遺症が残ったそうだ。石化の後遺症が。
彼はライラの挨拶を受けるや、前回の狩猟祭のパーティーでの無礼な発言を謝罪した。
アメリーの魅了だったとはいえ、多くの女性を悲しませてしまった。帝国へ帰った後は、母や義姉たちに詫びて、今後のことをしっかりと考えたいという。
3日後に第三皇子はトラヴィスの同伴で帝都へと帰宅した。ライラと入れ違いのように。
ちなみにライラが不在の間に第三皇子とアビゲイル公女の婚約の件は解消で片付いた。皇帝家とはすでに話が終わっている。アメリーの魅了の影響とはいえ、第三皇子はアビゲイル公女を迎えるだけの人間ではないといい辞退を示したという。
1年後に彼は臣下へとくだった。大公位につかず、縁戚の子爵の地位を継いだという。帝国内の治療院の経営をしており、進んで事業を受け継いだ。
「では、ライラ。遅れたけど、あなたにこれを贈呈しましょう」
秋の女王となっていたライラへの商品「星の石」の原石である。このまま飾っても美しい。
黒い石なのにきらきらと無数の粒が光っていて星空のようであった。
「それでも、もう一度結婚するのよね」
一応無効扱いになったとはいえ、離縁が受理されてしまったのを思い出した。
クロードはもう一度結婚すると発言していた。
「いえ、もう十分」
「ダメよ。私は前の結婚式はいろいろと思うところがあったから、クロードがもう一度結婚するという発言があったんだもの。これを逃してはいけないわ」
ライラは公妃に誘拐され、そのまま結婚式用の新しいウェディングドレスの発注にとりかかった。
去年の衣装で十分ではというが、公妃は許さなかった。
2回目の結婚式は春の予定になった。いろいろあるが、アルベル辺境のことが心配だしすぐに戻りたい。
ドレスの手配は自分がすると公妃は譲らずドレスの内容、式の計画が一通り終わった後にライラはようやく解放された。
そして意外な再会がここでも起こっていた。
「兄ちゃん、おかえりー!」
公妃の客レイがぴゅんと現れた。どうやらライの代わりに魅了を解くお茶を作成していたようだ。
ライラの従僕見習いの少年姿だったライは驚いた表情をし一瞬で狐の姿へと戻る。
「お前、ずいぶん太りやがって」
「だって、お城のご飯おいしいんだもの。ベラが優しくてさ。侍女のお姉ちゃんは毎日トリミングしてくれるんだ」
公女だけではなく公妃まで愛称呼びとは恐れいった。ライですら大公夫妻には尊称呼びだったというのに。
妙にふくよかで毛艶の良い子狐が誕生してしまった。噂では公妃のお気に入りのペットと高い地位を得た。
公城の偉い人から「レイ卿」と呼ばれているのを見てライラは驚いてしまった。
「ライラもレイを見習いなさい」
公妃はぼそっと耳打ちをした。何をどのように見習えばいいのだ。
再会の挨拶を終えて、ライラはアルベルへ戻ることとなった。ライとレイも一緒である。
「やだー、おしろにいるー。ここがいい。ここの人たちやさしいもん」
レイがめちゃくちゃごねていたが、ライラたちは一生懸命説得してようやく連れて帰ることに成功した。
甘やかすとこうなってしまう。よく理解した。
残念がっていた公妃は馬車に乗る前のライラに言った。
「春までにふくよかになりなさいよ」
本来逆では。
「髪も切っちゃダメよ。伸ばしなさい」
いくつかの注意をライラは聞き流し、リリーはうんうんと頷いていた。
アルベルへ戻る馬車の中、クロードは珍しく一緒に乗ってくれていた。リリーとライは別の馬車である。
クロードはライラの手を握って、さっきの公妃の言葉を思い出した。
「確かに、もう少しお肉が」
「それは言わないで」
何だか情けなくなってしまう。
ライラはこの数か月でずいぶん痩せてしまった。罪人として投獄されたことと、繰り返す熱病で食事を満足にとれなかったのが大きい。
クロードは、帰った後に栄養価の高い魔物討伐を考えていた。
思い出したように携帯用の干し肉を出してライラに食べさせてみる。
「いえ、まだ食事じゃないですし」
それでも気になって口に入れてみる。塩が効いて美味しい。意外に口に入る。なんの肉だろうか。
「ベヒモスの肉」
そういえば狩猟祭であったな。と思い出す。
この騒動の中でも料理長はベヒモスの肉を使い保存食を大量生産していたようだ。
しばらく窓の外を眺めながらライラはオズワルドたちのことが気になった。
「アルベルは大丈夫でしょうかね」
「撤退されたから今は戦争の後処理中らしい」
クロードは深くため息をついた。帰った後の書類仕事がどれだけたまっているかと思うと憂鬱なようである。
できれば戦争の前線に立つ方が気楽でよい。最近は前に出すぎだとオズワルドから怒られるが。
「俺が不在の間、オズも、みんなよく頑張ってくれた」
それは認めるべきであろう。
◆◆◆
一面真っ白な雪景色が広がっているアルベル。ジーヴル城へ戻った後、予想通りクロードは書類処理に追われていた。ブライアン秘書官の容赦のなさはさらに拍車にかかっている。
リーゼロッテ女史に病が治ったことを報告すると、彼女は心から喜んだ。
「なるほど……呪いですか。てっきり免疫病だと思っていたのですが」
雪結晶病はかなり緻密な構造をしているようで、気づかれにくかったという。その上、症例数も少なく解明する前に患者が臓器損傷で命を落としてしまう。
これで解決したと思ったが、他の地方にも似たケースがまだ続いている可能性もある。
リーゼロッテ女史は雪結晶病についての考察論文を作成し、出版をする計画をたてていた。
1年後に同じテーマで聖国からも論文が出たので、リーゼロッテ女史は出張で聖国へ討論することとなり張り切っていたという。
ライは隠れ里へと帰ることになった。役目が一応終わったからだ。レイはようやく普段の生活へと戻ったようでシャフラへ一緒に帰っていった。
何だか寂しいなと感じるが、またシャフラへ遊びに行ったとき会える。
すっかりと癒しのもふもふたちがいなくなってしまった。
ライラは膝の上に乗るブランシュの姿を思い出した。
「リリー、フルートを出してくれる」
ライラはフルートを持ち城の中を歩いた。どこらへんがいいかなぁと思いながら、通りかかりの騎士に尋ねた。
勧められるまま城門塔へと行ってみる。
ジーヴルの街を一望できて遠くまで確認できた。記憶をたどりながら、ブランシュと出会ったヒリス山はあのあたりだなと思い出す。
ライラはフルートを構えた。
ブランシュの好きな曲を披露する。あの時の少女はどこで笛を吹けばいいかまでは教えてくれなかった。
どこでもいいのだろう。ブランシュはライラの中にいるのだから。
それでも、ここで吹いているとどこからかひょっこりとブランシュが飛んできそうな気がした。
一曲を終えると拍手が出た。後ろを振り返るとオズワルドがいた。
城へ帰った時は不在だと聞かされていた。別の砦を見て回っていると。
いつ戻ってきたのだろう。
「オズ」
「上手になったね」
オズワルドは目を細めて穏やかに笑った。
「子供の時はうまく音が出せずにピーっと泣いていたのに」
「それは忘れてください」
ライラは顔を真っ赤にしてオズワルドに頼んだ。
「病気が治ってもここは寒いよ」
手にブランケット持ち、ライラの肩へとかける。優しい言葉、優しい仕草である。
「オズ」
ライラは少し聞いていいか悩んだ。それに気づいたようでオズワルドはにこりと笑う。
「今はとても気分がいいんだ。質問は何でも応えるよ」
「質問というか、ええっと……変な話をするのだけど」
ライラはあの時の少女の言葉を思い出した。ユァンに取りつかれた時助けてくれた少女の言葉を。
「私とお母さまにそっくりな女の子がね、あなたをよろしくって……ナラン、オズワルドをよろしく」
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