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第 八章 領主就任と町の掃除。
第120話 一匹いたら十匹いるのが悪党だよね。
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余りのブザー音の連続に思わず笑ってしまったな。隣の王女も呆れた顔をしてアシリーを見ていた。
「伯爵閣下、余りの内容に呆れられたかもしれませんが、・・・・」
「いや、呆れたのはね、君の言うわ嘘の連続にだよ。レナード入ってくれ。」
外に声をかけると扉が開きレナードとハンリーとレインロードが入ってきた。
ハンリーは武闘大会で男子の試合に棍で出場した男でレインロードは同じく大会に出場していた片手剣盾の騎士タイプの男だ。
二人とも、レナードの騎士勧誘に乗ってくれた人逹だ。
そんな二人がレナードと共に入ってきた事で、アシリーは急にオドオドしはじめる。
「閣下これはどういう事ですかな?」
「いやぁ、もうブザー音が煩くてね。彼女も顔をしかめておられるので、途中だったが、カタを着けることにしたよ。」
「何を仰っているのか分かりかねるのですが?」
「なら、分かりやすく言うが、実はこの部屋に入る前にある魔法を私と彼女にかけておいたわけだ。何の魔法をかけたか分かるかい?」
「・・・いえ、正直わかりませんな。」
「ほう、その言葉には嘘はないね。この私の言葉でわからないかな?」
「も、もしかして、・・・」
「そうだ、お察しの通りだ。相手の会話の中に嘘があれば分かるようになる魔法だ。ちなみに、私も嘘とは言わないが、君に話していなかったことがあるよ。彼女だが、私の許嫁である事は間違いないが、それだけじゃない。
彼女はウェザリア王国の王女のソニア王女殿下だ。」
「えええっ?」
「ソニア王女、いかがでしたか、彼の説明は?」
「わたくし、ブーブーと警告音が煩くてたまりませんでしたわ。目の前でこれだけ平気な顔をして嘘を吐ける方を存じませんわね。」
「分かっただろう。魔法と言うのはな、〈嘘探知〉の魔法だよ。さっきからブーブーと警告音が煩い程だったよ。王室直轄地の代官のお前が、王女に対して嘘の報告をするとは、『虚偽報告』だな。レナード逮捕しろ。」
「はっ。アシリー、『虚偽報告罪』で逮捕する。」
ハンリーとレインロードに取り押さえられ足掻くアシリー。
「この程度の嘘の報告など、どこの領地でもやっていること。何故私だけが逮捕されねばならん。小僧!」
「あーあ、またやっちゃった。小僧と言ったね。貴族を侮辱したから『不敬罪』も追加だね。ちなみに言っておくが、『虚偽報告』の罪だけで捕まえた訳ではないのだよ。これなーんだ。」
「?、あっそ、それは何故それをお前が持っている。ここに有る筈がないのに。」
「ああ、これはね拾ったんだよ。」
「ショウ様、ブザーが鳴ってますわよ。」
「ソニア王女、ここでそのツッコミはいらないのですが。まあ、良い続けますか。アシリー君も見覚え有ると嘘ではないようなのでよかったよ。私はね、君の表も裏も知った上で、君を呼んだわけだ。『虚偽報告』は逮捕する建前、本命はこちら、十年ちょっとで、よくこれだけ溜め込めたねぇ。正直この才能を正しく統治に生かして欲しかったなぁ。
ああ、一言だけ言っておくよ。君の友人だった闇ギルドは、この町に居たものは、一人残らずこの世から消えたから。あんな屑どもは、私が治める町には必要ないから。魔法でこの世から消えて貰ったよ。一緒になって悪事を働いていた商会も明日明後日には消えて貰うさ。この町はね、真っ当な人が真っ当に働いて、真っ当に生きていく場所なんだよ。後で王都に連れていく。縛り上げて監視しておけ。連れていけ!」
レナード達に引きずられてアシリーは観念したのか、黙って項垂れて連れていかれた。
「王女殿下、ご協力感謝します。助かりました。」
「そのお言葉には嘘はありませんわね。(笑)」
「いや、ありませんって。本当に感謝してますって。魔法を解除します。〈ブレイクマジック〉。」
「まあ、もう終わりなの?色々惜しいけど、まあ、楽しかったから良しとしましょう。」
コロコロと笑いながら言う王女の性格が心配になる俺であった。
(なんか、性格が王妃様のように変わって来てねぇか。心配だな。)
(うむ、ワシもちょっと心配じゃ。)
む、また何か聞こえたような・・・。
「伯爵閣下、余りの内容に呆れられたかもしれませんが、・・・・」
「いや、呆れたのはね、君の言うわ嘘の連続にだよ。レナード入ってくれ。」
外に声をかけると扉が開きレナードとハンリーとレインロードが入ってきた。
ハンリーは武闘大会で男子の試合に棍で出場した男でレインロードは同じく大会に出場していた片手剣盾の騎士タイプの男だ。
二人とも、レナードの騎士勧誘に乗ってくれた人逹だ。
そんな二人がレナードと共に入ってきた事で、アシリーは急にオドオドしはじめる。
「閣下これはどういう事ですかな?」
「いやぁ、もうブザー音が煩くてね。彼女も顔をしかめておられるので、途中だったが、カタを着けることにしたよ。」
「何を仰っているのか分かりかねるのですが?」
「なら、分かりやすく言うが、実はこの部屋に入る前にある魔法を私と彼女にかけておいたわけだ。何の魔法をかけたか分かるかい?」
「・・・いえ、正直わかりませんな。」
「ほう、その言葉には嘘はないね。この私の言葉でわからないかな?」
「も、もしかして、・・・」
「そうだ、お察しの通りだ。相手の会話の中に嘘があれば分かるようになる魔法だ。ちなみに、私も嘘とは言わないが、君に話していなかったことがあるよ。彼女だが、私の許嫁である事は間違いないが、それだけじゃない。
彼女はウェザリア王国の王女のソニア王女殿下だ。」
「えええっ?」
「ソニア王女、いかがでしたか、彼の説明は?」
「わたくし、ブーブーと警告音が煩くてたまりませんでしたわ。目の前でこれだけ平気な顔をして嘘を吐ける方を存じませんわね。」
「分かっただろう。魔法と言うのはな、〈嘘探知〉の魔法だよ。さっきからブーブーと警告音が煩い程だったよ。王室直轄地の代官のお前が、王女に対して嘘の報告をするとは、『虚偽報告』だな。レナード逮捕しろ。」
「はっ。アシリー、『虚偽報告罪』で逮捕する。」
ハンリーとレインロードに取り押さえられ足掻くアシリー。
「この程度の嘘の報告など、どこの領地でもやっていること。何故私だけが逮捕されねばならん。小僧!」
「あーあ、またやっちゃった。小僧と言ったね。貴族を侮辱したから『不敬罪』も追加だね。ちなみに言っておくが、『虚偽報告』の罪だけで捕まえた訳ではないのだよ。これなーんだ。」
「?、あっそ、それは何故それをお前が持っている。ここに有る筈がないのに。」
「ああ、これはね拾ったんだよ。」
「ショウ様、ブザーが鳴ってますわよ。」
「ソニア王女、ここでそのツッコミはいらないのですが。まあ、良い続けますか。アシリー君も見覚え有ると嘘ではないようなのでよかったよ。私はね、君の表も裏も知った上で、君を呼んだわけだ。『虚偽報告』は逮捕する建前、本命はこちら、十年ちょっとで、よくこれだけ溜め込めたねぇ。正直この才能を正しく統治に生かして欲しかったなぁ。
ああ、一言だけ言っておくよ。君の友人だった闇ギルドは、この町に居たものは、一人残らずこの世から消えたから。あんな屑どもは、私が治める町には必要ないから。魔法でこの世から消えて貰ったよ。一緒になって悪事を働いていた商会も明日明後日には消えて貰うさ。この町はね、真っ当な人が真っ当に働いて、真っ当に生きていく場所なんだよ。後で王都に連れていく。縛り上げて監視しておけ。連れていけ!」
レナード達に引きずられてアシリーは観念したのか、黙って項垂れて連れていかれた。
「王女殿下、ご協力感謝します。助かりました。」
「そのお言葉には嘘はありませんわね。(笑)」
「いや、ありませんって。本当に感謝してますって。魔法を解除します。〈ブレイクマジック〉。」
「まあ、もう終わりなの?色々惜しいけど、まあ、楽しかったから良しとしましょう。」
コロコロと笑いながら言う王女の性格が心配になる俺であった。
(なんか、性格が王妃様のように変わって来てねぇか。心配だな。)
(うむ、ワシもちょっと心配じゃ。)
む、また何か聞こえたような・・・。
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